妊娠後期の動悸・息切れの症状、原因は?対策と予防法についても解説!
妊娠後期はお腹がずっしり重くなり、気を抜くとさまざまなトラブルが起こりやすくなりますよね。大きくなったお腹に胸が圧迫され、動悸・息切れも激しくなってきます。呼吸が困難になるのはとても苦しいものです。ここでは、妊娠後期の動悸・息切れの原因や対策について解説します。
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目次
妊娠後期の動悸・息切れとは
妊娠後期(妊娠末期)は、妊娠8ヶ月(28週0日)から10ヶ月(39週6日)の期間をいいます。妊娠8ヶ月頃はお腹の赤ちゃんの動きが一段と活発になり、お腹も大きく、重くなる時期ですよね。
その時期に起こる、動悸・息切れの原因はいくつかあります。症状としては、ちょっと呼吸が苦しいなという軽度のものから、横になって休まなければいけない重度のものまでさまざまです。息切れと同時にめまいが起こったり、ときには失神してしまったりする場合もあるので、注意が必要です。
めまいや吐き気を伴うことも
妊娠後期の動悸・息切れの症状が出るときに、めまいや吐き気を伴うこともまれにあります。その原因は、お腹の赤ちゃんが成長するにしたがい、子宮が大きくなることにあると考えられています。
妊娠後期に入ると大きくなった子宮が胃を押し上げることで、胃もたれや吐き気を引き起こします。また、胃が持ち上げられることにより、酸性が強まり胸やけを感じやすくもなります。また、貧血にはめまいを伴うこともあるため、体調が悪い場合は座ったり横になったりと、できるだけゆっくりと休む必要があります。
妊娠後期の動機・息切れの原因は?
妊娠後期の動悸・息切れは、人によっては大変つらいものです。妊娠後期で動悸・息切れを感じた妊婦さんは、全体の41.5%にもなるといわれています。
ここでは、妊娠後期の動悸や息切れの原因を探ってみましょう。
赤ちゃんの成長
妊娠後期の動悸・息切れの原因は、赤ちゃんの成長が主な原因だといわれています。赤ちゃんが大きくなると、徐々に大きくなった子宮が他の臓器を圧迫します。この圧迫によって肺も押し上げられ、十分に酸素を取り入れることが難しくなることが動悸・息切れの原因です。
また、内臓が圧迫されるということは、十分な食事も難しくなってくるということです。大きくなった子宮によって胃が圧迫され、一度にたくさんの量は食べられなくなってしまいます。胃と同様に横隔膜が圧迫されることが、動悸・息切れの原因につながる場合もあります。
血液量の増加
妊娠中は、ママだけでなく赤ちゃんの分も血液を送らなくてはいけません。血液量は普段の1.5倍になるといわれています。そのために、ママの身体には負担がかかり、呼吸が苦しくなって動悸・息切れを感じているのかもしれません。
また、貧血の症状はありませんか。妊娠中は貧血になりやすく、薬を処方される妊婦さんもいます。貧血のせいで、めまいや動悸・息切れを感じる場合もあります。
ストレス
妊娠後期の赤ちゃんの成長は、目を見張るものがあります。日に日にお腹が大きくなり、ママは出産が近づいてきているのを実感する時期でもあります。
「安産かしら…」「赤ちゃんは無事に産まれてきてくれるのかな…」と不安を抱くと、知らず知らずのうちに、精神的なストレスがかかっているかもしれません。出産に対して不安を抱くのはママなら当然ですが、動悸・息切れを感じたら、できるだけ穏やかに過ごすことを心がけると良いですね。
体質
妊娠中は貧血になりやすいのですが、もともと「心疾患」や「呼吸疾患」などの呼吸に関わる病気を持っており、日ごろから悩まされている、という体質の方もいるでしょう。
病気を抱えている場合、妊娠中は負担がさらに大きくなるため、動悸や息切れが起きやすくなります。疾患がある場合は、妊娠初期の段階からお医者さんに相談することが大切です。
妊娠後期の動悸・息切れの対策は?
妊娠後期に動悸・息切れを感じる妊婦さんはとても多いです。症状が重度になってくると、生活を送るのも困難になってきます。ここでは、動悸・息切れが起こった場合の対策を解説します。
安静にする
動悸・息切れを感じたら、まず安静にすることが一番です。家事をしていた場合は一度中断して、座ったり横になったりしましょう。家事ややりたいことを途中で中断するのは気がかりになりますが、妊娠後期は体調優先です。上の子がいると難しいかもしれませんが、隙をみてこまごまと休憩する習慣をつけると良いでしょう。
身体の左側を下にして横になる
妊娠中はママの分と赤ちゃんの分の血液が必要になります。そのため、妊娠前は問題なくても、妊娠してから貧血になったというママも多いでしょう。
動悸・息切れが起こったときは、身体の左側を下にして横になってみてください。血液量の多い子宮から心臓への血流が良くなるので、心臓への負担が軽減されます。
ストレス解消を心がける
不安やストレスから動悸・息切れを起こしている場合もあるので、妊娠後期はできるだけストレスフリーを心がけましょう。なかなか難しいことではありますが、深呼吸をしたり、リラックスできる音楽をかけたりするだけで、ストレスはだいぶ軽減されるはずですよ。
妊娠後期の動悸・息切れの予防策
動悸・息切れが起きたときの対策とともに、事前に防ぐための予防策も紹介します。快適なマタニティライフを送るためにも、普段から少しだけでも意識してみてくださいね。
身体を温める
身体を温めることは動悸・息切れの予防策としてだけでなく、妊娠中は常に心がけたいものです。夏の暑い時期であっても、クーラーや冷えた汗などで、身体は気づかないうちに冷えてしまいます。
身体を温めることで、血液の流れが良くなって自然と心臓への負担も軽くなるので、動悸・息切れの予防策となります。普段から身体を温めることを心がけてくださいね。
食生活の改善
妊娠後期になると、一度に多くの食事を取ることが難しくなってきます。お腹が大きくなると胃が圧迫され、妊娠後期に起こる吐き気の原因にもつながります。
妊娠中は、食生活に気を付けて動悸・息切れ対策もしたいところです。貧血防止のためにも鉄分を多く取り、血液のめぐりを良くすることが大切だといえます。鉄分は、ほうれん草や小松菜・豆製品や貝類・魚などに多く含まれています。
また、植物性の鉄分は、ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に食べることによって吸収率もアップするので、意識してみると良いでしょう。
症状がひどい場合は病院へ
妊娠後期の動悸・息切れの場合、自宅ケアで治まればそれに越したことはありません。しかし、重度の場合、自宅ケアでは治まらないことももちろんあります。
症状がひどいときは、必ず病院で相談しましょう。もしかしたら、病気による動悸・息切れかもしれません。妊娠後期のママの体調は、赤ちゃんのバロメーターでもあります。
極端な例ですが、妊娠することによって血液が増えすぎて、心臓に大きな負担がかかる「周産期心筋症」になっているおそれもあります。周産期心筋症が重症化すると、死亡の危険性も考えられるのです。
自宅ケアで落ち着かない場合は医師の指示を仰ぐ必要があるため、必ず医師に相談しましょう。
妊娠後期の動悸・息切れに関する体験談
筆者は3回の出産を経験していますが、妊娠後期の動悸・息切れは3度とも経験しました。8ヶ月を超えたあたりから、いつも身体がいうことを聞かなくて苦しかったです。お腹がどんどん大きくなるとともに、前駆陣痛のような腹痛が時折起こっていたほどです。
動悸・息切れについて、筆者の場合は横隔膜を圧迫されていたことが大きかったような気がします。赤ちゃんがお腹の上のほうにいるとちょうど横隔膜を蹴られ、呼吸がしにくかったのです。
そんなときは左を下にして横になっていましたが、横になっても横隔膜が圧迫されて気持ちが悪いので、ソファーや、たたんだ布団にもたれかかるように休んでいました。そうすると、お腹の赤ちゃんに肺の辺りを圧迫されることがなく、楽に過ごせた気がします。
しかし、休んでも治まらないようであれば、やはり先生に相談するのをおすすめします。妊娠後期の体調不良は、注意が必要な場合もあります。あまりにも呼吸が苦しく、薬を処方してもらっていた友人もいるので、我慢ができないときは早めに受診してくださいね。
動悸・息切れを感じたら早めの休息を心がけて
妊娠後期はただでさえ体調が整わない日もありますし、出産に向けての不安がふくらむ時期です。少しでも不調を軽減するためにも、こちらでご紹介したような対策を行ってみましょう。
ゆったりとした気持ちで過ごすことで、心にも余裕が生まれて出産に集中できるかもしれません。動悸・息切れがつらいときは、かかりつけの産婦人科を受診してくださいね。