妊娠後期・臨月の便秘解消法!いきむ・便秘薬を飲むのは危険?

妊娠後期・臨月になって便秘に苦しむ経験をしたという方も多いのではないでしょうか。どうして妊娠後期や臨月に便秘になるのでしょうか。便秘の原因や解消法を見ていきましょう。あわせて、排便のときにいきんで良いのか、便秘薬は飲んで良いのかなど、便秘に関する疑問にもお答えしていきます。

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この記事の監修

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産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠後期・臨月はどんな時期?
  2. 妊娠後期・臨月の便秘の原因は?
  3. 妊娠後期・臨月の便秘の症状は?
  4. 妊娠後期・臨月の便秘でいきむのは大丈夫?
  5. 妊娠後期・臨月の便秘解消法!
  6. 妊娠後期・臨月に便秘薬は飲める?
  7. 妊娠後期・臨月の便秘の体験談
  8. 妊娠後期・臨月の便秘と上手に付き合おう
  9. あわせて読みたい

妊娠後期・臨月はどんな時期?

妊娠28週0日(妊娠8ヶ月)に入るといよいよ「妊娠後期」です。妊娠36週0日(10ヶ月)には「臨月」で、別名「産み月」といわれる時期に入ります。「臨月」は、胎児が外の世界で生きていくのに十分な身体機能を備えているとされる「正産期(妊娠37週0日~41週6日)」と勘違いされることもありますが、産み月といっても、臨月の最初の妊娠36週で生まれてしまうと「早産」となります。

お腹の中の胎児は28週時点では1kg前後ですが、臨月に入ると3kg前後となります。一気に重くなりますね。そのため、お腹も重くなってきて「お腹が張る」感覚が徐々に出てきます。早産の時期にお腹の張りがでてきたら無理をせずに休んで張りが治まるのを待ちましょう。

妊娠後期には子宮も大きくなって、子宮の上の部分である子宮底はみぞおちの下くらいまでになり、胃や腸が圧迫されます。臨月は胎児が下がってくるので、胃の圧迫は減りますが、その分、さらに腸や膀胱が圧迫される傾向にあります。それらの関係で、妊娠後期・臨月は、胃痛、下痢、便秘など、妊娠後期まではなかった不調に悩まされることもある時期です。

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妊娠後期・臨月の便秘の原因は?

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便通が週3回以下と少なく、排便困難を伴った状態を便秘(症)と言います。便秘は一度なってしまうと、悪循環を断ち切るまで続いてしまうことが多い病気です。そのような便秘に妊娠後期・臨月のママがなりやすいのは、どうしてなのでしょうか。

子宮による腸の圧迫

妊娠後期・臨月は、胎児が大きくなり、子宮も大きくなることで、腸への圧迫が起こりやすくなります。そもそも大便は、肛門近くまで到達すると腸を圧迫して神経を刺激するので、便意が発生して、排便するという流れになります。

しかし、妊娠後期・臨月は常に腸が圧迫されている状態に近いため、腸から伝わる神経の刺激に鈍感になってしまい、便意自体が起こりにくくなるのです。便意を逃してしまうとさらに便は出にくくなり便秘が続く、と便秘の悪循環が起こります。

ホルモンバランス

妊娠後期になると、プロゲステロンとエストロゲンと呼ばれるホルモンの分泌量が増えます。ホルモンバランスが崩れるため、便秘や下痢など、不調が起こりやすくなります。なかでもプロゲステロンは、子宮筋収縮抑制の作用があるだけでなく、他の臓器の収縮も抑えてしまうため、便を排出する腸の蠕動(ぜんどう)運動も抑える傾向にあるといわれています。

これらのホルモンの分泌量の変化は妊娠後期には自然なものなので、これを劇的に改善することは難しいといえるのではないでしょうか。

ストレスや疲労

ストレスや疲労により、自律神経が乱れて便秘につながることがあります。妊娠後期・臨月は、出産という大きな節目を前にストレスが強くなりがちです。ストレス状態が続くと、大腸の蠕動(ぜんどう)運動が鈍ったり、強く痙攣をおこしてしまったりすることがあります。

蠕動運動が鈍った状態になると便秘に、痙攣が強い状態だと下痢になってしまいます。妊娠後期・臨月は便秘だけでなく、逆の症状とも思える下痢にもなりやすい時期なのです。

運動不足

妊娠後期・臨月には、お腹が重くなり、少しの胎動も痛いと感じることから、運動するのが億劫になってしまうママも多くいます。運動不足から、腸の蠕動(ぜんどう)運動がうまくおこらず、便秘になってしまうこともあるのです。

食生活

便秘は食生活が原因で起こることがあります。排便は食事をするからこそ起こる生理機能です。しかし、食事をバランスよくとっていないと、胃がうまく機能せずに、排便しやすい状態の便を作り出すことができません。便が出せないとお腹が張ったような状態となり、またさらに食欲不振を起こすという悪循環に陥ってしまいます。

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妊娠後期・臨月の便秘の症状は?

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便秘といってもさまざまな症状があります。中でも、妊娠後期・臨月に起こる便秘の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

腹痛・お腹の張り

便秘によって腸内フローラという腸内の細菌類のバランスが崩れると、お腹の中にガスがたまります。そして、お腹が張ってしまうのです。妊娠後期にお腹が張りがちな場合は、前駆陣痛や本陣痛だけでなく、便秘でガスがたまりお腹が張っているという場合もあるのです。

便が固くなる

基本的に便は黄色から褐色かかった色で、粘液や血液が付着していない半ねり状の塊です。便がコロコロとした硬い便になり、排便困難になることも便秘症状のひとつです。便が固くて切れ痔になってしまうこともあります。便にはある程度の水分が必要ですが、長く便を腸内にとどめておくことで、その水分が奪われている可能性もあります。

体重増加

便秘が続くと、体重増加を伴うことがあります。妊娠中は週あたり0.3~0.5kg程度の体重増加量が推奨されていますが、あまりにも体重が増えすぎている場合は、便秘症状の影響を受けているかもしれません。

吐き気

便秘症状のひとつに「吐き気」があります。便秘と吐き気が起こることは珍しいことではありません。しかし、あまりに吐き気がきつい、嘔吐がひどい場合などは、病気が潜んでいる可能性もあるので病院にかかりましょう。

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妊娠後期・臨月の便秘でいきむのは大丈夫?

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妊娠後期・臨月に、便秘でいきんでしまうことに不安を覚えるママもいます。しかし、便秘でいきむ程度で早産になることは基本的にないと思ってください。かといって、無理していきんでしまうと、切れ痔などの心配も出てくるので、無理をしないようにしてくださいね。いきまなくてもでる程度の便になるように食事や水分補給に気を付けましょう。

妊娠後期・臨月の便秘解消法!

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いきむのは問題ないとわかっていても、妊娠後期や臨月に便秘でいきむのはできるだけさけたいですよね。出やすい便にする工夫や、便秘の悪循環を起こさないためにできることを解説します。

水分を補給する

便の水分不足から便秘につながっている場合、水分を適切に補給することが大事です。特に朝起きたときに水分をとることは、排便の習慣の助けになりますよ。ただし、その際に冷たすぎる飲み物は控えてください。逆に下痢を引き起こしてしまうことにもなりかねません。

食物繊維を摂る

妊娠後期・臨月にできて、気軽な便秘解消方法のひとつとして、「食物繊維を摂る」ことがあげられます。そもそも妊娠前でも日本人は食物繊維が不足しがちだといわれています。食物繊維は成人で20~25gの摂取が望ましいのですが、日本人の平均摂取量は14.3gで理想よりもかなり低くなっています。それにさらに妊娠が加わり、ホルモンバランスや運動不足などのさまざまな影響を受け、便秘状態がひどくなってしまうことがあります。妊娠中はいつもよりさらに意識して食物繊維を摂りましょう。

食物繊維は食物繊維でも、便秘には「不溶性食物繊維」が効果的とされていて、不溶性食物繊維はオートミール、ライ麦、リンゴ、キウイ、さつまいも、そら豆、納豆、ブロッコリー、枝豆、人参、モロヘイヤ、海藻類などに多く含まれています。不溶性食物繊維が多い食品を意識して摂ることで、便秘になりやすい妊娠後期・臨月を少しでも快適に過ごせると良いですね。

乳酸菌を摂る

便秘には乳酸菌が良いといわれますが、なぜ良いのでしょうか。そもそも便秘とは、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れることで起こります。基本的には、善玉菌の方が優位であれば腸内環境は良好と言えます。しかし、食物やストレスなどの影響で悪玉菌が善玉菌より優位になってしまうことがあります。

乳酸菌を摂り、乳酸菌が腸内で増殖すると、「有機酸」というものがつくられます。この「有機酸」が腸内を弱酸性にしてくれ、悪玉菌の増殖を抑えてくれるというわけです。さらに「有機酸」には、腸の蠕動運動を促すという作用もあるため、この「有機酸」を作る乳酸菌は便秘のお医者さんと言えるかもしれませんね。

適度な運動

妊娠後期や臨月に入ると、どうしてもお腹の重さから運動量が減ってしまいます。早産気味で運動を控えるように指示されている場合以外では、適度な運動をした方が、健康のうえでも便秘を解消するうえでも重要です。夫や上の子とウォーキングするなど、無理のない範囲で運動をしてみましょう。

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ストレッチやマッサージ

ストレッチやマッサージも便秘に効果的です。マッサージは、お腹に「の」の字を書くつもりでゆっくりさすりましょう。お腹の中心を手でマッサージして温めるのも効果的です。ただし無理は禁物。マッサージやストレッチ中にお腹の張りが強くなるといった変化があるときは、一度ストップして身体を休めましょう。

生活リズムを整える

生活のリズムを整えることも便秘解消には効果的です。生活リズムが崩れると、ストレスがたまりやすくなったり、ホルモンバランスが崩れがちになったりします。深い眠りに入りにくい時期ですが、昼間に軽いウォーキングやストレッチをするなどして、夜にぐっすり眠れる工夫をしてみましょう。

ストレスをためすぎない

ストレスは自律神経を乱れさせる原因となります。ストレスを受けている状態は腸の蠕動(ぜんどう)運動を鈍らせるため、できるだけストレスをためすぎないようにしましょう。とはいっても、ストレスはどうしてもたまってしまいますよね。好きな音楽を聴く、アロマをたく、歩く、話す、など、自分なりの気持ちが落ち着くストレス発散方法をみつけ、ストレスがたまってきたな、と感じたら、少しずつでも小出しにして発散していきましょう。ためすぎないことが重要です。

妊娠後期・臨月に便秘薬は飲める?

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どうしてもつらい便秘が続いてしまう場合は、便秘薬で排便リズムを整えるという方法もあります。便秘薬は、妊婦でも飲めるものもありますが、決して自己判断では飲まないようにしましょう。

便秘薬のなかには、妊婦には慎重な投与が望まれている薬もあります。かならず担当の医師に相談するようにしましょう。また、経産婦の場合で、以前の妊娠で飲めていたからと同じ薬を飲む場合も、かならず医師へ確認してください。その人がどうかということだけでなく、そのときどきの妊娠の状況によって飲んではいけない薬が変わるからです。

妊娠後期・臨月の便秘の体験談

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筆者も妊娠後期・臨月に便秘を体験しました。それまでは順調な排便だっただけに、臨月に入り便秘になったことに不安を覚えました。というのも、出産のときに便秘状態だとどうなるのだろうと考えたからです。

長く便秘が続いたので、担当の産婦人科医に相談したところ、薬を処方してくれました。一度便秘が解消すると、リズムがつかめたのか、薬を飲まずに排便できるようになりました。出産の日の朝にもスッキリ出たので、浣腸もせずに出産にのぞみました。

妊娠後期・臨月の便秘と上手に付き合おう

妊娠後期・臨月は便秘など、これまでとは違う症状に悩まされやすい時期です。食事や水分、運動など、便秘解消につながることをしていると、身体の調子も良くなっていくことに気付くでしょう。できる範囲で良いのでやってみてください。

また、便秘状態が長期間続いてしまうと、痔になってしまったり、最悪のケースでは開腹手術にいたってしまったりした例もあります。便秘がつらい場合は、思い切って医師に相談してみましょう。便秘薬は妊娠の状態によって飲めない薬もあるので、便秘薬は自己判断ではなく、医師の処方を受けてから飲むようにしてくださいね。

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