新生児の発熱の原因&対処法!体温が何度になったら受診する?

新生児は、胎内で過ごしているあいだに胎盤を通してママから譲り受けた免疫が備わっています。免疫のおかげで生後6月頃まではあまり風邪をひかないとされていますが、生後6ヶ月以内でも発熱することがあります。その原因は何なのでしょうか。また、体温がどのくらいになったら受診するかなど、新生児の発熱や原因について解説します。

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目次

  1. 新生児の平熱は何度?
  2. 新生児の発熱による受診の目安は「38℃以上」
  3. 新生児が熱を出したときにチェックする症状
  4. 新生児の発熱で考えられる原因
  5. 発熱時の沐浴はどうする?
  6. 新生児の「いつもと違う」が大切なカギ
  7. あわせて読みたい

新生児の平熱は何度?

新生児の平熱はおよそ37℃前後といわれています。赤ちゃんは大人に比べて体温調節が未熟なので病気になりやすいのではないかと考えがちですが、胎内にいるあいだにママの胎盤を通して備わった免疫があります。この免疫は生後6ヶ月頃まで備わっているとされ、風邪などの病気としての発熱はあまりありません。しかし、発熱がまったくないというわけではなく、たとえば夏の気温が高い日や衣類の着せすぎ、温めすぎ、水分不足などで平熱以上に体温が上がることも少なくありません。

赤ちゃんが発熱しているかどうかを判断するために、まずは平熱を知っておくことが大切です。毎日決まった時間に赤ちゃんの体温を計測しておくと、いざというときの目安になるでしょう。

新生児の発熱による受診の目安は「38℃以上」

赤ちゃんの体温が平熱より高くても37℃台であれば、まずは衣類や室内の気温を調整してみましょう。急激に体温が上がるなどの異常がなければ病気どうかの判断は難しく、しばらく様子を見てから判断するのが望ましいといえます。

しかし赤ちゃんの体温が38℃以上になった場合、何らかの病気である可能性が高いといえます。母子手帳や保険証、診察券などを忘れず、かかりつけ医を受診するようにしましょう。37℃台であったとしても、赤ちゃんの衣類や部屋の気温を調整したり十分な水分を与えたりしても熱が下がらないようであれば、早めに受診するようにしてください。また、赤ちゃんの体温が上がりぐずるなど苦しそうであれば、頭を冷やしてあげるなど対処してあげても良いでしょう。

新生児が熱を出したときにチェックする症状

赤ちゃんの発熱で受診するときに、医師から他にはどんな症状があるかを聞かれるでしょう。発熱とともにあらわれる以下のような症状は、受診のサインです。赤ちゃんの様子がいつもと違うようであれば、どのような症状があるかをメモしておくと受診の際の目安となります。

体温

赤ちゃんの体温は非常にデリケートなため、衣類の着せすぎや部屋の温度、水分不足などが原因でも上がることがあります。衣類を薄着に調整し水分補給しても熱が下がらなかったり、38℃以上の発熱があったりする場合は病気の可能性があります。

日頃から赤ちゃんの体温を測り、平熱を知っておくようにしましょう。発熱がある場合は、体温が上がり始めた日時、状態、機嫌、排泄量など、主にいつもと様子が違う点をメモして受診時に伝えるようにしましょう。

嘔吐

赤ちゃんの胃は大人のように曲がった形ではなく、細長くて筒のような形をしています。そのため胃から物が逆流しやすく、母乳やミルクを吐き戻しやすいといえます。ゲップや咳をした拍子に吐き戻すこともあるでしょう。

しかし、赤ちゃんの吐き戻しが苦しそうであったり顔色が悪く発熱があったりした場合は、病気が原因の場合があります。吐く回数、吐く量などをメモしておき、かかりつけ医を受診するようにしましょう。

下痢

赤ちゃんのうんちは誕生してからの日が浅いほど回数が多く、特に母乳育児だと水っぽいことが多いものです。下痢っぽいうんちであったとしても、見ただけでは病気かどうか判断しかねることが多いでしょう。

うんちに血が混じっていたり、白っぽいうんちが続けて出たりするときは受診が必要です。医師が判断しやすいように、可能な範囲で赤ちゃんがうんちをしたおむつをビニール袋やジップ付きの袋に入れて持参すると受診の目安となるでしょう。

皮膚の様子(赤いプツプツや水ぶくれなど)

赤ちゃんの肌に赤いプツプツや水ぶくれなどがあるときは、突発性発疹や溶連菌感染症、水ぼうそうなどの病気の可能性があります。赤ちゃんの肌に何らかの異常が見られるときは、いつごろからどのような湿疹がどの部位に出たのかをメモしておきましょう。

機嫌

赤ちゃんは泣いて気持ちを訴えるため、不機嫌に見えることも多いでしょう。しかし、お腹が空いたときや排泄などの不快感だけではなく、病気が原因で機嫌が悪いことがあります。おむつを替えお腹が満たされていたとしても、ずっと泣いていたり不機嫌な状態が続いたりするときは注意が必要です。

激しく泣き続ける、元気がない、ぐったりしているなど、赤ちゃんによって不機嫌な症状が異なるため、普段の様子と比べてどう違うのかを医師に伝えましょう。

咳、たん、鼻水

赤ちゃんは幼児や大人に比べて、気管支炎や肺炎が進行しやすくなるとされています。赤ちゃんの咳が断続的に続く場合は要注意です。RSウイルスなどの風邪では、咳と鼻水を伴う症状も多く見られます。発熱時に咳、たん、鼻水があるときは、いつからどのくらい出ているのか観察し、受診時に伝えるようにしましょう。

新生児の発熱で考えられる原因

新生児でもかかりやすく、発熱を伴う病気で一般的なものには、以下のようなものがあります。

上気道炎(一般的な風邪)

赤ちゃんはちょっとしたホコリで咳が出たり、外気の冷たさで鼻水を出したりします。しかし、症状が一時的ではなく、長引くときには上気道炎(一般的にいう風邪)の可能性があります。

咳が長引く、ぜーぜーという喘鳴がする、乾いた咳をするときは注意が必要です。また、鼻水がドロッとした粘着状で黄色や緑色であることも、風邪のサインといえるでしょう。

なお、風邪の中には以下のようなウイルスが含まれます。

RSウイルス感染症

感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染、感染者が触った部分に触れた手から口や目にウイルスが入ることによる接触感染が、RSウイルスの主な感染経路です。生後1歳までに50%、2歳までにほぼ100%の乳幼児がかかるといわれています。

咳や鼻水などの呼吸器系の感染症で、大人は比較的軽い症状ですが、乳児は重症化することがあります。何度でも感染しますが、2回目以降は症状が軽くなるといわれています。11月から1月までの冬の時期に流行しやすいですが、最近では夏でも起こることがあり、季節性がなくなりつつあるのが現状です。

インフルエンザ

赤ちゃんは母乳に含まれる免疫力のおかげで風邪をひきにくいといわれていますが、残念ながらインフルエンザなどのウイルス性の病気にかかってしまうこともあります。インフルエンザにかかると、肺炎や脳症などの合併症や重篤化が心配されます。

家族にインフルエンザの人がいたり、保育園でインフルエンザが流行っていたりするときに高熱が出たら、早めに受診しましょう。

アデノウイルス感染症

アデノウイルスは一般的なウイルスのひとつで、風邪、胃腸炎、結膜炎、膀胱炎、肺炎などの原因になります。50種類もの型があると言われ、感染する型によって症状が異なります。夏風邪のひとつである「プール熱」もアデノウイルスの感染が原因です。

エンテロウイルス感染症

エンテロウイルスは子どものさまざまな病気の原因になるウイルスといわれています。エンテロウイルスに感染すると、手足口病、ヘルパンギーナ、胃腸炎、出血性結膜炎、無菌性髄膜炎などの病気を引き起こします。

夏風邪とも呼ばれるヘルパンギーナの原因でもあるため、夏に感染するイメージがありますが、一年中注意が必要なウイルスです。手足口病は手足や口の中に米粒ほどの発疹が出ることがあり、ヘルパンギーナは喉に水疱ができることがあります。

敗血症

敗血症とは肺炎や尿路感染症などが進行して血液の中に細菌が入り込んで増殖することです。発熱の他に不機嫌、元気がない、母乳やミルクをあまり飲まない、皮膚が腫れるなどの症状があらわれることがあります。細菌性髄膜炎を合併することが多いので、注意が必要な病気です。

細菌性髄膜炎

細菌性髄膜炎は、大腸菌やインフルエンザ菌などの細菌が原因となり、脳を包む髄膜に感染して起こります。発熱に、不機嫌や元気がない、嘔吐、けいれんなどを伴うことがあります。感染症の中でも重篤なものなので、後遺症や死亡につながることもあります。

なお、肺炎球菌という細菌に感染して髄膜炎が起きることもあります。肺炎球菌は小さな子どもの鼻や喉の奥に居ることがあり、免疫力が低下しているときに重い病気を引き起こすことがあります。他の赤ちゃんと遊んだり、保育園で集団生活をしたりすることで、肺炎球菌に感染することも珍しくありません。

肺炎球菌感染症は中耳炎や肺炎、菌血症、細菌性髄膜炎などを引き起こします。寒い季節などに起こるというような季節性のものではないので、年間を通して注意が必要です

新生児単純ヘルペスウイルス感染症

単純ヘルペスウイルス(HSV)2型による感染症で、産道からの感染が主な原因です。生後5日目~9日目に起こることが多いのが特徴です。発熱の他に元気がない、母乳やミルクをあまり飲まない、嘔吐、けいれんなどの症状を伴うことがあります。母親にヘルペスの既往があるときには注意が必要です。

尿路感染症

赤ちゃんはおむつをしていることから外陰部(尿道口の周辺)が不潔になりがちで、尿路感染症になりやすいといわれています。尿路感染症とは腎臓から尿管、膀胱、尿道などの経路に炎症が生じる感染症です。

発熱の他に不機嫌、元気がない、おしっこをするとき痛がるなどの症状があります。

溶連菌感染症

溶連菌とは溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、いくつか種類があります。一般的には喉に感染し、咽頭炎や扁桃炎、赤い小さな発疹を伴う猩紅熱、中耳炎、副鼻腔炎 などの病気を引き起こします。

発熱の他に特徴的な症状は喉の痛みですが、身体や手足に小さい発疹が出たり、通称イチゴ舌ともいわれる、イチゴのような小さなツブツブが舌にあらわれたりすることもあります。

発熱時の沐浴はどうする?

基本的に38℃以上の発熱は病気の可能性が高いとみなし、受診して医師の判断を仰ぎましょう。その際は、いつぐらいから沐浴を始めたら良いか、注意することなどを聞いておくと安心ですね。

新生児の「いつもと違う」が大切なカギ

赤ちゃんは自分の言葉で不快な症状を表現することができません。病気に気づくのが遅いと重症化してしまうこともあります。そこで大切になってくるのが、赤ちゃんの様子が普段と違うと大人が感じることです。赤ちゃんによって平熱や普段の様子は異なります。

健康なときに起床時、午前中、午後、就寝前と4回くらいの検温を何日か行い、平熱を知っておきましょう。また、病気になったときに、赤ちゃんの機嫌や様子が普段とどのように違うのか比べられるよう、日頃から赤ちゃんとの触れ合いや観察を大切にしてくださいね。

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