妊娠初期は食欲旺盛になりやすい?食欲が増減する原因と対処法|産婦人科医監修
産婦人科医監修|妊娠初期は思いのほか食欲が減ったり増えたりするため、体重の変化が気になるかもしれません。つわりで食べられなくなることも気になりますが、食欲がありすぎるのも気になりますよね。ここでは、妊娠初期の食欲の増減について解説します。
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目次
その食欲の変化、妊娠初期症状かも
今までこれほど食欲はなかったのに、と妊娠初期に気づくことがあります。妊娠で身体が変化していくにつれて食べなければと思ったり、逆に食べたくないと身体が認識したりするのです。食欲がこれまでにない変化をするというのは、妊娠初期の症状なのです。
妊娠初期に食欲が増す原因
食欲が増すのにも、ちゃんとした意味があるのです。しかし、ちゃんとした意味があるからといって食べすぎると、出産のときに赤ちゃんが外に出にくくなるので、食べすぎないように気をつけましょう。
身体が脂肪をため込みやすくなるため
ママの意識としては「お腹の中の赤ちゃんを優先」と思うかもしれません。ですが、身体としては、母体を守ることも重要だと認識します。身体を守るために脂肪をため込んで、自分の身体をいざというときに守れるように準備しているのです。
赤ちゃんに栄養を送るため
お腹の中で赤ちゃんを成長させるために、栄養が必要です。そのために、妊娠初期の重要な期間に食欲が増すのです。食べものの好みが変わるのも、赤ちゃんにとって必要だと、体が認識して食べたいという欲求を感じさせます。
食べつわり
お腹がすくと、気持ち悪くなるのが食べつわりです。つわりは空腹の朝は特につらいことがあり、胃の中が空っぽのときに症状が出やすいものです。つわりの場合はひどい時期と軽い時期がありますし、安定期に入ると落ち着くことも多いようです。
妊娠初期に食欲旺盛になったときの対処法
食欲が増したのに、我慢して食べないでいるよりは、食べすぎないように工夫をして食べましょう。
1回の食事の量を減らして回数を増やす
1回の食事の量を心もち減らして、減らした分をお腹がすいたときに食べることで、食事の量としてはほぼ変わらなくても、食べたいという欲求は満たせます。ですが、無理をしない範囲で続けてください。
妊娠中は、身体が思い通りに動かなかったりするので、ちょっとしたご褒美は必要です。ストレスをためないで、楽しむことが何よりです。
よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで、少しの量で満腹にもなりますし、栄養の吸収も良くなります。通常のダイエットと基本は同じです。
野菜から食べる
主食のご飯やパンや麺類から食べ始めるのではなく、サラダや煮ものなどの野菜から食べ始めることで、食べる量を抑えられます。妊娠初期は便秘になりやすいので、食物繊維がたくさん含まれている野菜から食べることで、便秘予防にもなります。
一口サイズのカロリーが少ないものを常備しておく
ゼリーや飴やおせんべいなど、カロリーが比較的低いものや、小分けにされているものをお腹がすいたときに食べます。大きい袋に入っているものは食べすぎてしまうこともあるので、どれだけ食べたのかすぐわかるものがおすすめです。
ゼリーは凍らせることで、ゆっくり食べられますし、おせんべいなど、歯ごたえのあるものだと少しでも満足感が得られます。
食事以外のことに集中する
集中しすぎてご飯を食べることも忘れていたという状況を意識して作ります。食欲も忘れられますし、集中することで、ストレス解消にもなります。ただし、まったく食べたくなくなるほど、食べることを忘れないようにご注意ください。赤ちゃんのためにも、ご飯は必要です。
妊娠初期に食欲が減る原因
妊娠初期はつわりによって食べられなくなったりします。つわりが起こるのは、急激なホルモン環境や代謝の変化、環境要因の変化に対する母体の不適応状態であるといわれていますが、はっきりとは分かっていません。また、ストレスによってもつわりが起こります。
他にも、胞状奇胎や多胎妊娠、さらに偶然合併した消化器疾患、急性腹症により悪心嘔吐をきたすこともあります。
妊娠初期に食欲がないときの対処法
赤ちゃんのためにも無理やりにでも食べないと、と思うことがストレスになりよけい食べたくなくなります。無理をしないということが、第一の対処法です。
無理せず食べられるものを食べる
すべての食べものをうけつけないことは少なく、何かひとつだけはどうしても食べたかったり、それまで嫌いだったものが食べたくなったりします。無理をしないで、食べられるもの、食べたいもの、心ひかれるものを食べることから始めましょう。
食べやすいものを選ぶ
ご飯よりも、おうどん、お蕎麦、スパゲティが食べやすく食事が進みます。妊娠初期は食べものの好みが変わり、それまで好きだった食べものもつわりで受けつけないものもあります。のどごしの良いものや、飲み込むのが簡単な食べものは食べやすいので、お試しください。
食事以外のことに集中する
食べられないことばかり考えていると、ストレスになり余計食べられなくなります。食事の事ばかり考えないで、趣味に没頭してみたり、それまでしたことがなかったことにチャレンジして集中したりすると、ストレス解消にもなりますし、終わったら食べたくなるかもしれません。
水分をしっかり摂る
ご飯が食べられなくても、水分だけは意識して摂るようにしましょう。身体を冷やすことはできるだけ避けて、温かいお湯などがおすすめです。水分はこまめに取りましょう。
医師に相談する
つわりは重くなると、入院して点滴をすることもあります。あまりに食べられない日が続くようなら、かかりつけのお医者さんに相談をしてください。