更新日:2018年10月26日

母乳をいつまで赤ちゃんにあげる?授乳期間はいつまで?母乳はいつまで出るの?

授乳はママにとって幸せを感じる時間ですが、実際いつまで母乳をあげるかは多くのママが悩むところです。授乳は身体的負担が大きく疲れることもあり、またいつまで母乳が出るのかなど疑問は尽きません。ここでは、母乳をいつまで赤ちゃんにあげるものなのか、授乳期間はいつまでが平均的なのかについて解説します。

監修 : ままのて 医師・専門家
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記事の監修

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小児科医
千葉 智子

母乳をいつまであげる?何歳までが理想?

世界保健機構(WHO)では、6ヶ月までは完全母乳で赤ちゃんを育て、離乳食をスタートさせてからも、2歳までは母乳を与えることを推奨しています。

なぜ2歳までの母乳育児をすすめているの?

WHOで2歳まで母乳を与えるようにいわれている最大の理由は、母乳の持つ免疫力にあります。無菌状態で生まれてくるか弱い赤ちゃんは、ママが持っている免疫物質を母乳から受け取ります。特に免疫物質が豊富だとされているのが、産後2~3日の期間に分泌される初乳ですが、その後も免疫力の受け渡しは続きます。

母乳の中に含まれるラクトフェリンは、赤ちゃんの腸内環境を整えます。また、母乳を飲んでいる赤ちゃんは、気管支炎や肺炎を起こす頻度が低いというデータもあります。しかし、2歳までの母乳育児が推奨されているとはいえ、強制するものではありません。母乳は約2歳頃まであげることを目安とし、いつまで母乳をあげるかは個々のペースで決めましょう。

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断乳or卒乳 どちらが良い?

WHOでは、2歳までの母乳育児を推奨していますが、授乳のやめ方についてはいろいろな説があります。

授乳をやめることを断乳や卒乳という言葉で言い表しますが、どちらもおっぱいをやめるという意味になります。ママがいつまでにおっぱいをやめると決め、それ以降は意図的に母乳を与えないことを断乳と言います。また、いつまでにおっぱいをやめるかは決めず、赤ちゃんが自然とおっぱいを飲まなくなるまで待つことを卒乳と呼ぶことが多いようです。

断乳と卒乳に関しては、どちらがベストなのかというはっきりとした定説はありません。しかし、2002年から母子手帳では断乳の言葉が消え、卒乳という表現を使用するようになりました。しかし、赤ちゃんの自発的な卒乳を待つのは難しい状況の家庭も多く、やめ方についても多くのママを悩ませているようです。

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授乳期間はいつまでが平均的?

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WHOの推奨に従うと2歳での卒乳が理想的ですが、実際はいつまでに授乳をやめている人が多いのでしょうか。世界的には、2~4歳まで授乳を続けることが多いといわれています。一方日本では、一般的に赤ちゃんが1歳前後になると、卒乳を検討する家庭が多いようです。1歳近くになると離乳食が完了期となり、食べられる食品の種類が増え、食事からでも十分な栄養を摂れることが大きな要因でしょう。

また、子どもが1歳を過ぎるころにはしっかりと自我が芽生えるので、授乳をやめることを激しく嫌がり、苦戦することになるという意見もあります。しかし、授乳期間の平均というのは、あくまでさまざまな結果の集計にすぎません。いつまでに授乳をやめるかという具体的な時期については、ママの体調や社会復帰のタイミング、赤ちゃんの健康状態など、置かれている環境によっても変化します。

大切なのは、赤ちゃんやママにとって、無理のない選択を行うことです。情報に惑わされず、母乳哺乳の平均期間は判断材料のひとつとしてとらえて、状況に応じてベストな授乳期間の選択をしましょう。

母乳はいつまで出るの?

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これから母乳育児を始めるママや、母乳育児がスタートして間もないママのなかには、母乳がいつまで出るのか気になる人もいるでしょう。授乳を続けられる期間は、母乳がいつまで出るかによっても決まってきそうですよね。

母乳は、基本的には「赤ちゃんがおっぱいを吸う限り」出ます。赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激がママのホルモンを活性化し、母乳を分泌させるといわれているためです。赤ちゃんが望む限りいつまでも新しい母乳が作られるというのは、母体の神秘ですね。

しかし、何らかの要因で母乳の出が悪くなってしまい、そのまま授乳を止めざるを得ない場合もあります。いつまで母乳が出るのかという具体的な時期は、体質による部分も大きいと考えられています。体調を崩して寝込んでいた数日間、授乳を控えていたらそのまま母乳が止まってしまったという人もいるようです。

体調を崩すなどのやむを得ない事情で赤ちゃんに授乳できないときは、搾乳をするようにすると、母乳の分泌を維持することができるかもしれません。

母乳の栄養はいつまであるの?

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「1年過ぎると母乳に栄養はなくなる」は正しくない

よく「母乳の成分はだんだん薄くなる」「1歳以降の授乳は意味がない」などといわれることがありますが、この認識はあまり正しくはありません。

母乳の栄養価がいつまで保たれるかという点については諸説ありますが、圧倒的に栄養価が高いのは、産後2~3日までの初乳です。初乳には「免疫グロブリンA」という物質が含まれており、ウイルスや細菌、アレルギーの原因となるタンパク質から赤ちゃんの身体を守ってくれます。

初乳以後は栄養価が多少下がるものの、生後6ヶ月以降はほとんど変わらずに、一定の栄養価を保ちます。ただ、この時期からの赤ちゃんの成長はすさまじく、より多くのエネルギーを必要とします。赤ちゃんが必要とする膨大なエネルギー量と、母乳で補えるエネルギー量に差が出てしまうことから、「母乳の栄養がなくなる」と誤解している人が多いのではないかと考えられているようです。

母乳には、赤ちゃんが風邪をひくとママの母乳から風邪のウイルスに対抗する抗体が出てくるという説もあります。母乳は栄養面だけでなく、赤ちゃんの健康を維持する上で大きな効果をもたらしていると言えるでしょう。

生後6ヶ月を過ぎたらと鉄欠乏性貧血に注意

赤ちゃんが1歳を過ぎても万能な母乳ですが、気を付けなければならない点もあります。正期産で生まれた赤ちゃんは、生きる上で十分な鉄分を持って生まれてきますが、生後6ヶ月までに使い果たしてしまいます。それに引き換え、母乳の鉄分量は産後まもなくするとほぼ一定の量を保つので、母乳のみの育児では鉄欠乏性貧血に陥る可能性があります。

鉄不足を補うために、生後6ヶ月頃からは離乳食を並行してスタートさせ、口からも栄養素を摂取できるように訓練していきます。最も鉄不足に陥りやすいのは生後6~12ヶ月のあいだといわれているので、この時期には特に鉄分を意識した離乳食を取り入れましょう。

母乳をやめたいときは?

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高い免疫力や優れた栄養価など、母乳のメリットは承知していても、授乳が大きな負担になっているママは意外と多いようです。

母乳をあげると気持ち悪くなるママが多い理由

授乳中に気持ち悪さや吐き気を感じることに悩んでいるママがいるようです。実は意外と多い吐き気などの症状ですが、ホルモンバランスの影響や、貧血が原因として考えられています。

産後はホルモンバランスが崩れやすいことから、急に気持ちが沈んだり、イライラを抑えられなかったりするような場面があります。これは授乳による昼夜逆転の生活や、ストレスからくる自律神経の乱れが原因だといわれています。

また、母乳は血液から作られていることから、授乳中のママは常に貧血になりやすい状態です。貧血は立ちくらみだけでなく、頭痛や吐き気といった気持ち悪さを引き起こすこともあります。吐き気などの症状は多くのママが経験しており、医学的にも根拠のあることなので、「自分がおかしいのでは」と悩む必要はまったくありません。

ママの気持ちが大切!心身ともにケアを

両親やママ友など、授乳に関しては自ら経験した人から特に意見されやすいかもしれません。しかし授乳の負担を担っているのは、ほかでもなく「ママ自身」です。悩んだ末に授乳をやめたいと考えている場合は、授乳期間の長さにこだわらず、ママの決断を大切にしましょう。現在は、ミルクでも十分に必要な栄養を摂取することができます。ミルクなら、家族で赤ちゃんのお世話を共有できるというメリットもあります。

いつまで母乳を続けるかにこだわって無理をするより、ママが笑顔でいられる方が赤ちゃんにとっても安心できます。離乳食の進み具合が順調で、しっかりと栄養を摂れているようであれば、卒乳に踏み切るのもひとつの手です。

卒乳後は赤ちゃんのフォローも大切ですが、ママのおっぱいも乳腺炎などのトラブルが起こりやすい時期です。正しいケアを行って、心身ともにすっきりとおっぱいを卒業できるように準備しましょう。

筆者の体験談

筆者は1歳まで完全母乳の育児を行いましたが、母乳でカロリーを消費しすぎて体重が急激に減少し、常に疲れがとれず体調を崩してばかりでした。それでも、「授乳=赤ちゃんへの愛情表現」というイメージにとらわれて、授乳をやめたいと言いにくい風潮につらかった覚えがあります。

ママと赤ちゃんの数だけ授乳の形がある

産後間もなく疲れた身体で、授乳を通して赤ちゃんに自分の栄養を分け与えるママは立派です。しかし、授乳がストレスとなったり体調を崩したりするのならば、思い切って授乳をやめるのも選択肢のひとつといえるでしょう。

赤ちゃんは、ママのストレスや不安を察知する能力に優れています。おっぱいも大好きですが、ママの笑顔が大好きです。そんな赤ちゃんのためにも、ママがリラックスできる環境を保つのは大切なことです。ママの笑顔が赤ちゃんの幸せと考え、ベストな授乳期間を選択してくださいね。

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