赤ちゃんの心の安定を育むマザーリング、母親を優しくいたわるマザーリング・ザ・マザーとは?
赤ちゃんの心身の健やかな発達に欠かせないのが、マザーリングです。これは心理学の分野で使われてきた言葉で、1940年代から論文に登場します。マザーリングを通じてママの愛情がたっぷりと赤ちゃんに注がれると、母子のきずなが深まり心が安定するのだそうです。子育てに役立つマザーリングについて、その効果と応用法をご紹介します。
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目次
マザーリングとは?
赤ちゃんのお世話をしていると、愛おしさがこみ上げ頬をなでたり抱きしめたりしたくなりませんか。このような母性愛にもとづいたママの愛情表現をマザーリングといいます。
マザーリングがスキンシップと異なる点は、スキンシップに加えて赤ちゃんのお世話やコミュニケーションも含まれることです。普段なにげなく赤ちゃんに微笑み語り掛け、授乳・排せつなどのお世話をすることがマザーリングなのです。英語では「mothering」と表記し、マザリングとも呼ばれます。
この概念は精神分析や心理学の分野で取り上げられ、1943年にアメリカの学者であるリブル(Ribble,M.A.)が赤ちゃんの健全な発達にマザーリングが欠かせないと唱えました。
マザーリングの効果
ママからのマザーリングを受けた赤ちゃんは、大きな安心感に包まれます。マザーリングにより授乳や排泄の欲求が満たされると、情緒が安定し、心身の健全な発達が促されるのだそうです。
ママに対する愛着もマザーリングが育みます。この愛着の形成は人に対する信頼感をもたらし、成長してから周囲の人と良好な対人関係を築く土台にもなります。
マザーリングがもたらす効果はこれだけではありません。たとえば赤ちゃんにミルクをあげているとき、赤ちゃんが笑い返してくれるとき、ママも幸福感に包まれるでしょう。この相互関係がママの情緒を安定させ、赤ちゃんとのきずなをさらに強くするのです。
マザーリング・ザ・マザーとは?
赤ちゃんはかけがえのない存在とはいえ、子育てに対する不安や疲れから赤ちゃんに対してイライラしてしまうこともあるでしょう。特に産後は頻回な授乳で生活リズムがくずれやすく、ホルモンバランスも大きく変わるため、ママは精神的にも身体的に負担を感じやすいものです。
このように、子育てをママひとりで担うのは大変ですね。そこで生まれたのがマザーリング・ザ・マザーという考え方です。直訳すると「母をマザーリングする」。ママが赤ちゃんにマザーリングするように、周囲の人が子育て中のママに対し、やさしく包み込むようないたわりをもってサポートすることを意味します。
マザーリング・ザ・マザーは夫や家族といった身近な存在はもちろん、自治体による育児教室や産後サポート事業でも受けられます。民間による産前・産後ドゥーラといったサービスを利用すれば、さらにきめ細やかなサポートが得られるでしょう。
マザーリングで家族のきずなを深めよう
普段なにげなく行っている赤ちゃんのお世話にマザーリングという名前があり、赤ちゃんの発達に重要な意味をなしていることは、ママやパパにとって感慨深いものがあるのではないでしょうか。マザーリングはもともと赤ちゃんの発達を研究する中で提唱された言葉で、母性愛にもとづくものとされていました。父性愛にもとづくものをファザーリングということもあります。どちらも難しいものではなく、愛情をもって赤ちゃんに接することで実現できます。
マザーリングもファザーリングも赤ちゃんに対する慈しみをベースに、子どもを育てるパートナーに対してねぎらいの気持ちを持つ大切さを教えてくれます。マザーリングを意識して、お互いに助け合いながら家族のきずなを深めていきたいですね。
※この記事は2022年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。