スリングの使い方を動画で確認!6つの正しい抱き方と注意点【縦抱き・横抱き・カンガルー抱き】

スリングは新生児から長く使うことができ、抱っこする人と赤ちゃんの密着度が高いため赤ちゃんが安心して落ち着くといわれています。スリングの使い方は、スリングの構造や赤ちゃんの月齢によって異なります。赤ちゃんの安全のために正しい使い方ができるよう、スリングの代表的な6つの抱き方と注意点をご紹介します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. スリングはいつから使える?
  2. スリングを使うメリットは?
  3. スリングを使うデメリットは?
  4. スリングの使い方を動画で解説
  5. スリングで赤ちゃんを抱っこするときの使い方の注意点
  6. スリング抱っこの体験談
  7. スリングの使い方をマスターして赤ちゃんとのふれあいを楽しもう
  8. あわせて読みたい

スリングはいつから使える?

スリングは幅の広い布を袋状にして抱っこする人の肩にかけて使うものです。スリングは新生児のころから使えます。正期産で生まれた赤ちゃんで呼吸器に問題がなければ、生後2週間からスリングで抱っこすることが可能です。リングタイプやバックルタイプなら抱っこする人がサイズを調整できるので、新生児から2~3歳まで使うことができます。

ただし4ヶ月未満の赤ちゃん、とくに首すわり前の赤ちゃんは抱き方とおろし方に注意が必要です。使用する前にスリングの正しい使い方を確認しましょう。

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スリングを使うメリットは?

ママやパパの肩や腰への負担が少ない

スリングは抱っこする人の肩と背中にかかる部分の幅が広く、赤ちゃんの体重を背中全体で支えられるように設計されています。そのためママやパパの肩や腰への負担が少ないといわれます。抱っこしている人が肩に負担を感じたときは、もう片方の肩にかけ直して使うこともできます。

赤ちゃんが安心し落ち着く

スリングで抱っこすると、赤ちゃんの身体はママの胎内にいたときと同じような体勢になります。また、赤ちゃんがママやパパと密着した状態になることでママやパパのにおいやぬくもりを感じ、心音を聴きながら過ごせるので落ち着くといわれます。スリングで抱っこすれば、泣くことの多い新生児でもすぐに泣き止んでくれるかもしれませんね。

抱っこしながら授乳できる

幅の広い布で作られたリングタイプのスリングなら、テール(赤ちゃんを抱っこしたときにリングから垂れ下がる布)を目隠し布として使えば授乳ケープがなくても授乳ができます。赤ちゃんの顔がちょうどママのおっぱいのあたりに来るので、スリングで抱っこしたままで授乳をすることができるでしょう。

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赤ちゃんがよく寝てくれる

スリングで抱っこすると赤ちゃんの顔と抱っこする人の胸が密着するため、赤ちゃんはママやパパの心音を聴きながら安心してスヤスヤ眠ってしまうといわれます。赤ちゃんがスリングの中で眠ってしまったら、スリングごとベッドに寝かせてあげることができるので、赤ちゃんを起こさずにすむでしょう。抱っこをしていないと寝てくれない赤ちゃんの寝かしつけにもおすすめです。

この場合、スリングの布が赤ちゃんに被さらないように注意が必要です。

コンパクトで軽い

携帯性に優れている点もスリングの特長です。スリングは軽量でシンプルな設計のため、たたむとコンパクトになります。バックル式やチューブタイプのスリングの中には、たたむと手帳サイズになるタイプもありますよ。リングタイプのスリングも、リングを外した状態でたためばフラットになりコンパクトです。マザーズバッグにすっぽり入るタイプがほとんどなので、おでかけや移動のときに重宝しますよ。

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気軽に洗濯できるものが多い

スリングは家で気軽に洗えるものが多いのも魅力でしょう。素材が綿100%であったり、パッドやクッションを取り外せるようになっていたりして、洗濯機で洗えるタイプが主流のようです。ただし手洗いや陰干しが推奨されている場合もあるので、洗う前に取扱い説明書や製品タグを確認しましょう。洗濯機の場合は洗濯ネットを使うのがおすすめです。

慣れれば装着も簡単

スリングのタイプにもよりますが、スリングの付け方はほぼワンタッチなので慣れれば数秒で装着できるでしょう。出先で赤ちゃんが泣いてしまったとき、スリングならサッと抱っこできます。ベビーカーに乗るのをいやがるなど赤ちゃんがぐずったときも、スリングを持っていればママやパパはあわてなくてすみそうですね。

スリングを使うデメリットは?

使うのに練習やコツが必要

スリングはコンパクトな本体ひとつで新生児からさまざまな使い方ができて便利な反面、一般的に抱っこ紐に比べると、装着のために練習やコツが必要です。スリングに慣れていないママやパパはスリングの付け方についての教室に通ったり動画を見たりして練習してくだいね。練習をしてコツをつかめば簡単に装着できるようになるでしょう。

正しい使い方をしないと危険性が高い

スリングには、使い方によっては股関節脱臼や窒息を引き起こす危険性があります。特に首のすわっていない赤ちゃんに使用する際には十分に注意しましょう。スリングは、月齢にしたがって適切な使い方をし、正しく使うことが大切です。

スリングの使い方を動画で解説

スリングの正しい使い方は動画で確認するのがおすすめです。スリングの付け方から赤ちゃんをスリングに入れるときの動作と手の添え方、正しい体勢の取り方、装着後の微調整までの使い方のコツをつかむことができるでしょう。

スリングの使い方はメーカーや仕様により異なる場合があります。持っているスリングの取扱い説明書もあわせて確認してくださいね。

なお、こちらの紹介動画には監修は入っておりませんのであらかじめご了承ください。

スリングの使い方1.基本抱き(コアラ抱き)(新生児~)

基本抱き(コアラ抱き)は、抱っこする人の身体に赤ちゃんの足を開脚した状態で抱っこする方法です。先天性股関節脱臼や窒息を予防するため、赤ちゃんを縦に抱っこします。この動画は、助産師の奥山麻里先生が、スリングでの新生児や首すわり前の赤ちゃんの「基本抱き」の方法を解説しています。

スリングの使い方2.縦抱き(生後4ヶ月~)

スリング専門店pu-piによる、首すわり後のスリングでの縦抱きの仕方の解説動画です。手順ごとに解説文が表示されているため、初めてスリングでの抱っこに挑戦する人でもわかりやすいでしょう。赤ちゃんをスリングからおろすときや洗濯するときのポイントについても解説しています。

スリングの使い方 3.横抱き(推奨:生後4ヶ月~)

スリング専門店pu-piによる、スリングでの横抱きの仕方の解説動画です。赤ちゃんの頭が肩にかけたスリングの布と反対側になるように抱っこします。手順ごとに詳しい解説文が表示されるため、抱っこの仕方がわかりやすいですね。実際に抱っこするときの赤ちゃんの動きや反応も参考になります。

新生児の抱っこは横抱きが基本のため、スリングでの横抱きも新生児からできるといわれることが多いようです。しかし日本整形外科学会と日本小児整形外科学会では、窒息や先天性股関節脱臼のリスクから、スリングでの横抱きは注意が必要としています(※1)。

スリングの使い方4.カンガルー抱き(生後4ヶ月~)

カンガルー抱きとは、スリングで赤ちゃんを前向きに抱っこする方法です。外の世界に興味を持つようになった赤ちゃんをカンガルー抱きにしておでかけすると、赤ちゃんがママやパパと同じ目線でいろいろなものを見ることができますよ。助産師でカイロプラクターの後藤裕子さんがカンガルー抱きの方法を解説した動画です。縦抱っこと腰椅子抱きもあわせて紹介しています。

スリングの使い方5.ゆりかご抱き(推奨:生後4ヶ月~)

ゆりかご抱きとは、スリングで赤ちゃんを横抱きにする方法のひとつです。赤ちゃんの頭を肩にかけたスリングの布に沿わせるように抱っこします。この動画はT-REX BABYによるニットのスリング「カドル ミー」の抱き方ビデオです。スリングの中の赤ちゃんの様子も映し出されているため、実際に赤ちゃんを抱っこするときの参考にしやすいですね。

横抱きやゆりかご抱きは、新生児からできる抱っこの仕方と紹介されることが多いでしょう。しかし窒息の危険性や先天性股関節脱臼のリスクから、日本整形外科学会と日本小児整形外科学会では、赤ちゃんは縦抱き(コアラ抱き)を推奨しています(※1)。

スリングの使い方6.腰抱き(生後4ヶ月~)

腰抱きは、抱っこするママやパパの腰に赤ちゃんを座らせるように抱っこする方法です。スリングや抱っこ紐のメーカーである北極しろくま堂が「キュット ミー!」を使った腰抱き(4ヶ月児~)の方法を解説しています。動画に図解が添えられていて、気を付けるべきポイントがわかりやすいですよ。

スリングで赤ちゃんを抱っこするときの使い方の注意点

前かがみにならない

スリングで赤ちゃんを抱っこしたまま前かがみになったり、おじぎをするような姿勢をとったりしないよう気を付けましょう。赤ちゃんがスリングからすべり出てしまい、落下してしまう危険性があるので注意が必要です。

前かがみになるときは必ず、スリングの上から赤ちゃんの身体に手を添えて固定するようにしましょう。床に落ちた物を拾い上げるときなどは、前かがみになるのではなく、膝を曲げてしゃがむようにすると良いですよ。また、前かがみにならない場合でも赤ちゃんに手を添えてあげましょう。

また、赤ちゃんの落下を防ぐため、赤ちゃんのお尻をポーチ(赤ちゃんの身体が入る部分)にしっかりと入れて、赤ちゃんの膝をお尻よりも上げることが抱っこのポイントです。

火元ではスリングを使わない

スリングは家事をしながら赤ちゃんを抱っこできて便利だといわれますが、火元では使わないようにしましょう。縦抱きやコアラ抱きなどのスリングの代表的な抱き方では、赤ちゃんの身体とテール(赤ちゃんを抱っこしたときにリングから垂れ下がる布)が抱っこする人の身体の前面に来るので危険です。調理など火を扱う家事をしながら使うのは避けましょう。

赤ちゃんの窒息に注意!

スリングで抱っこすると赤ちゃんと抱っこする人の身体が密着するため、赤ちゃんが窒息してしまう危険性があります。最初は正しい付け方で装着していたとしても、時間が経って赤ちゃんの位置がずれたり抱っこする人が体勢を変えたりしたときに、思いがけず赤ちゃんの口がふさがってしまうおそれがあるのです。

大きな布でできたスリング自体が、赤ちゃんの口をふさいでしまう可能性もあります。スリングで赤ちゃんを抱っこしているときは、赤ちゃんの状態をなるべくこまめに確認しましょう。

赤ちゃんの先天性股関節脱臼に注意

スリングで新生児から生後3ヶ月頃までの赤ちゃんを抱っこするときは、先天性股関節脱臼を起こさないよう注意しなくてはなりません。赤ちゃんを股関節脱臼から守るためには、赤ちゃんの足をM字型に開脚させた状態で、抱っこする人の身体にぴったりとつけて抱っこするようにしましょう。

日本整形外科学会と日本小児整形外科学会では、縦抱き(コアラ抱き)を推奨しています。横抱きのスリングは開脚の姿勢がとれないだけでなく、両脚が伸ばされる危険もあるため、注意が必要です(※2)。

スリング抱っこの体験談

ままのて編集部に寄せられた、スリングで赤ちゃんを抱っこした先輩ママたちの体験談を紹介します。

首すわり前の寝かしつけに役立ちました

生後1~3ヶ月、体重4~6キロのころにベッタのキャリーミー!でコアラ抱きをしていました。スリングだと寝かしつけのとき、お布団の上に赤ちゃんをそのまま置けるところが良かったです。

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スリング教室でコツをつかみ、使いこなせるように

北極しろくま堂のキュット ミー!(リングタイプ)を購入し、スリング教室に通いました。基本のコアラ抱きはもちろん、前向き抱きでの使い方もスリング教室で教わりましたよ。

最初はテール(赤ちゃんを抱っこしたときにリングから垂れ下がる布)の内側・外側のどちらを引っ張るかということや、赤ちゃんのお尻をポーチ(赤ちゃんの身体が入る部分)に入れる加減など、コツをつかむのに時間がかかりました。おそらく誰にも教わらなければそのままスリングを使いこなせずにいたと思います。スリング教室でしっかりと使い方を学んで正解でした。

肩に多少の負担はかかるものの、きちんとした付け方をすれば2時間くらいであれば抱っこし続けられました。子どもは抱っこ紐よりもスリングを気に入っており、持ち運びにも便利だったので、我が家ではスリングを重宝しました。

スリングがあれば授乳ケープがなくても大丈夫

生後半年くらいから1歳半過ぎまでスリングを使いました。抱っこしたまま授乳することができるため、授乳ケープを持ち歩く必要もなく、便利でした。

寒い冬のお散歩でもスリングならホカホカです

カナダで2歳の男の子を育児しながら第2子を妊娠中の私は、長男を出産したあとスリングのお世話になりました。冬生まれの息子と一緒に外をお散歩するときは、スリングでぴったりと抱っこしていたので、ママのコートの中にすっぽりと収まっていましたよ。密着しているので、薄着でおでかけしてもホカホカであたたかかったです。

スリングの使い方をマスターして赤ちゃんとのふれあいを楽しもう

スリングは赤ちゃんの身体をやさしく包み込み、赤ちゃんにとって心地良い姿勢で抱っこすることができるのが特長です。スリングの使い方は難しいと思われがちですが、正しい使い方のコツをつかみさえすれば、赤ちゃんの様子や状況にあわせて柔軟に使うことができます。

スリングで赤ちゃんを抱っこして一緒に家事をすれば、赤ちゃんは落ち着いてくれるだけでなく、いつの間にかすやすや眠ってくれることもあるため、忙しいママやパパには一石二鳥かもしれませんね。

動画を参考にして、コアラ抱き、縦抱きなど、スリングでの赤ちゃんの正しい抱き方をぜひマスターしてみてくださいね。身近にスリングを使っている人がいれば、教えてもらうのもおすすめです。

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