新生児のスリングの使い方は?動画でわかる正しい抱き方と注意点・おすすめ商品
スリングは新生児から使うことができ、ママやパパとの密着度が高いため赤ちゃんが安心して落ち着くといわれます。新生児のスリングでの抱き方については、横抱きでなくコアラ抱きが推奨されています。正しい使い方をすれば、先天性股関節脱臼や窒息の予防に役立つでしょう。スリングで新生児を抱っこするときの注意点についてご紹介します。
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目次
新生児から使えるスリングとは?
スリングは抱っこ紐の一種で、幅の広い布を袋状にして抱っこする人の肩からかけて使います。スリングは一般的に新生児から2~3歳まで使うことができます。ハンモックのように赤ちゃんを包み込み、赤ちゃんにとって心地良い姿勢で抱っこできるのが特長です。
赤ちゃんと抱っこする人との密着度が高いため、赤ちゃんに安心感を与えるだけではなく、正しい使い方をすれば赤ちゃんの身体に負担がかからず、抱っこする人の肩への負担も少ないといわれます。
新生児にスリングを使うメリット
新生児にスリングを使うのにはどんなメリットがあるのでしょうか。
ママやパパの肩や腰への負担が少ない
肩から背中にかかる部分の幅が広く、赤ちゃんの体重を背中全体で支える構造のため、ママやパパの肩や腰への負担が少ないといわれます。抱っこしているあいだにママやパパが身体に負担を感じたら、もう片方の肩にかけ直すなど抱き方を変えることも可能です。
赤ちゃんが安心し落ち着く
スリングで抱っこすると、赤ちゃんはママの胎内にいたときと同じような姿勢をとることができます。赤ちゃんはママと密着し、ママのにおいやぬくもりを感じ、心音を聴きながら過ごせるので落ち着くといわれています。新生児はとくに泣くことが多いですが、スリングで抱っこすればすぐに泣き止んでくれるかもしれませんね。
抱っこしながら授乳できる
スリングは大きな布で作られているものが多く、テールを目隠し布にすれば授乳ケープを使うことなく授乳ができるタイプもあります。ママのおっぱいのところにちょうど赤ちゃんの顔が来るので、スリングで抱っこしたまま手軽に授乳をすることができるでしょう。
赤ちゃんがよく寝てくれる
スリングで抱っこすると、赤ちゃんの顔と抱っこする人の胸が密着した状態になり、赤ちゃんはママやパパの心音を聴きながら安心してスヤスヤ眠ってしまうことがあるようです。また、スリングは一般的な抱っこ紐に比べて脱着が簡単なので、赤ちゃんがスリングの中で眠ってしまっても、赤ちゃんを起こしてしまうことなくスリングごとベッドに置いてあげることができますよ。
コンパクトで軽い
スリングは軽量でシンプルな設計のため、たたむとコンパクトになり携帯性に優れています。装着もほぼワンタッチなので、慣れてしまえば数秒で装着できるでしょう。スリングなら新生児が出先で泣いてしまったときもすぐに対応できて便利です。お散歩の途中や電車に乗ったときなど、必要なときに赤ちゃんをサッと抱っこすることができますよ。
気軽に洗濯できるものが多い
スリングは基本的には一枚布でできており、抱っこ紐などと比べて単純な作りであるため、洗濯機で丸洗いできるものが多くあります。頻繁に使うものなのでお手入れのしやすさは重要ですよね。
ただし、種類によっては素材や構造が洗濯機に適していなかったりそのまま洗えなかったりするものもあります。購入前にしっかりと確認しておくと良いでしょう。
慣れれば装着も簡単
抱っこ紐と比べて複雑な印象のあるスリングの装着ですが、慣れてしまえば簡単です。ワンタッチで装着できるものが多いので、使い方のコツさえつかんで練習をしておけば、急なお出かけの際にも役に立ってくれることでしょう。
新生児にスリングを使うデメリット
使うのに練習やコツが必要
スリングは、抱っこ紐などに比べて装着にコツが必要であるため、初めて使うママは使い方がわからず戸惑ってしまうかもしれません。しかし、一旦慣れてしまえば簡単に装着できるようになるでしょう。動画を見たりして練習してくださいね。
正しい使い方をしないと危険性が高い
スリングは、使い方によっては、赤ちゃんの股関節脱臼や窒息を引き起す危険性をはらんでいます。正しい使い方を学び、実践していくことが大切です。新生児に使う場合には、新生児対応の商品か、新生児に適した抱き方か、など十分に注意するようにしましょう。
スリングの各部の名称(一般的なリングタイプのスリングの例)
スリングは次の5つの部分で構成されています。各部の名称をおさえておけば、スリングでの新生児の正しい抱き方を理解しやすいでしょう。
1.リング
抱っこする人の肩に当たる部分(ショルダー)と赤ちゃんが入る部分(ポーチ)とをつなぎ、スリングのサイズを調整可能にする部品です。主にプラスチックや金属製で2つひと組になっています。
2.テール
赤ちゃんを抱っこしたときに、リングから垂れ下がる布の端までを指します。サイズ調整の際に手で引く部分です。
3.ショルダー(肩)
抱っこする人の肩に当たる部分です。
4.ポーチ
赤ちゃんの身体が入る部分です。
5.レール(縁)
赤ちゃんを抱っこしたときに、赤ちゃんの頭側(ポーチの上側)の縁になる部分です。「外レール」とも呼ばれます(ポーチの下側は「内レール」)。
新生児のスリングでの抱っこの仕方はコアラ抱きが基本!
新生児から生後3ヶ月頃までは、赤ちゃんが先天性股関節脱臼を起こさないよう気を付けなければなりません。赤ちゃんを先天性股関節脱臼から守るためには、赤ちゃんの足をM字型に開脚した状態にして、ママの身体にぴったりとつけて抱っこすることが大切です。日本ベビースリング協会では、新生児にはコアラ抱き(寄り添い抱き・基本抱き)を推奨しています。
コアラ抱き(寄り添い抱き・基本抱き)
スリングで新生児を抱っこするときは、コアラ抱き(寄り添い抱き)がおすすめです。コアラ抱きは「新生児の基本抱き」とも呼ばれ、コアラが木の幹にしがみついているときのポーズをイメージした抱き方です。赤ちゃんの足をM字型に開き、抱っこする人の身体にぴったりとくっつけるようにします。
赤ちゃんがスリングのポーチに深く腰掛けた状態で、抱っこする人のお腹の前面や腰骨のあたりに座らせるようにして抱っこするのがポイントです。新生児や首すわり前の赤ちゃんは、リングと反対側に赤ちゃんの頭から身体全体を傾けてレールに寄りかからせるようにすると、赤ちゃんの首に負担がかかりにくいでしょう。
縦抱き
スリングでは新生児から縦抱きが可能です。赤ちゃんの足はM字型に開脚するのではなく、あぐらを組んだ状態にして抱っこします。新生児や首すわり前の赤ちゃんはテールで頭部分までをすっぽりと覆い、赤ちゃんの首がグラグラしないように注意しましょう。
動画で見る新生児のスリングでの正しい抱き方
だっことおんぶの専門家・ベビーウェアリングコンシェルジュ西川明子さんが、スリングでの新生児や首すわり前の赤ちゃんの「基本抱き」の方法を解説しています。先天性股関節脱臼や窒息を予防するため、縦に抱っこします。動画を参考に、正しい抱き方をマスターしましょう。
なお、スリングの使い方はメーカーや仕様により異なる場合があります。この動画ではリングタイプのスリングを使っていますが、お手持ちのスリングの取扱い説明書もあわせてご参照ください。
1.抱っこする人はあらかじめスリングを肩にかけておく。
2.スリングがかかっていないほうの肩に、授乳後のゲップをさせるときの要領で赤ちゃんをかつぎ上げる。
3.赤ちゃんのお尻に当てたほうの手を離し、その手をスリングの中側から出して赤ちゃんの身体をスリングの中に入れる。赤ちゃんの足が、スリングの下から出た状態になる。
4.スリングの布を広げて、赤ちゃんの身体の上のほうまで包んでいく。赤ちゃんのお尻をスリングに入れ、スリングの下のほうで赤ちゃんのお尻を包むようにする。
5.赤ちゃんの足は「膝が上、お尻が下、膝が上」のM字型になり、抱っこする人の身体を両足ではさんだ状態に。
6.赤ちゃんの上半身を包む。赤ちゃんの手を袋の中に入れ、上側の縁を持って赤ちゃんの頭を包み、赤ちゃんの胸とママの胸が密着した状態にする。
7.テールを放射線状にひっぱって、ゆるんでいるところを締めていく。すると抱っこする人と赤ちゃんがより密着する。両手を離してみて赤ちゃんがグラグラしなければ、密着した状態。
8.赤ちゃんの身体は、リングのないほうの肩に向かって斜めになる。赤ちゃんとリング位置の角度は、時計の10時と2時の角度以内になるように。
スリングの布ですっぽりと包むことにより、新生児や首すわり前の赤ちゃんのやわらかい身体を守るようにして抱っこすることができます。テールを赤ちゃんの首の後ろに回して布の縁で包み、クッションのようにする技も紹介しています。慣れてきたらぜひ挑戦してみてくださいね。
新生児のスリングでの横抱きにはリスクも!
日本ベビースリング協会では2007年より、スリングでの横抱きは生後4ヶ月以降に行うよう指導しています。スリングで新生児を横抱きにするときは、赤ちゃんが苦しそうにしていないかしっかりと確認し、つねに両手を添えて抱っこするようにしましょう。
窒息の危険性
スリングで新生児や首すわり前の赤ちゃんを横抱きしていると、窒息を起こすことがあるといわれます。赤ちゃんの頭が前向きに曲がったり、顔が抱っこする人の身体に長時間接触したりすることで、赤ちゃんの気道がふさがれてしまうことが原因とされています。これを「体位性窒息」と言います。
CPSC(米国消費者製品安全委員会)は、とくに生後4ヶ月に満たない赤ちゃんの「体位性窒息」による窒息死のリスクをあげています。
先天性股関節脱臼のリスク
スリングで新生児を横抱きにし、赤ちゃんの足がまっすぐになった状態で長時間の抱っこが続くと、赤ちゃんが先天性股関節脱臼になる恐れがあります。
ただし海外製のスリングでは、新生児の横抱きをすすめているものもあります。先天性股関節脱臼の発症は日本人を含むモンゴロイド系の人種に多いという説もあるので、人種によって考え方が違うのかもしれませんね。
新生児をスリングで抱っこするときの注意点
新生児をスリングで抱っこするときは、とくに次の点に注意しましょう。
赤ちゃんの姿勢に注意
まず、赤ちゃんの位置が下のほうになり過ぎないようにしましょう。ママやパパが赤ちゃんのおでこにキスできるくらいの高さと距離が理想的です。窒息を避けるため、赤ちゃんがあごをひきすぎていないか、赤ちゃんの身体が丸まりすぎていないかなど、スリングの中の赤ちゃんの姿勢に注意しましょう。
赤ちゃんをスリングにきちんと入れる
テールの引きが甘くてポーチ部分がゆるんでいたり、赤ちゃんのお尻の位置が両膝より上に来ていたりすると、赤ちゃんが落下してしまう恐れがあります。
スリングで新生児を抱っこするときは、ママやパパが座った姿勢で赤ちゃんをスリングに入れてくださいね。赤ちゃんの姿勢を確認して、スリングの締まり具合を調整してから立ち上がるようにし、赤ちゃんが落下しないように気を付けましょう。
赤ちゃんをおろすときはスリングごと
新生児や首すわり前の赤ちゃんをスリングからおろすときは、赤ちゃんの身体をスリングから抜き出すのではなく、スリングごとおろします。リングタイプのスリングであれば、まずポーチを軽くゆるめ、抱っこした状態のままママやパパがかがんで、ふとんなどの上にスリングごとおろしてあげましょう。赤ちゃんを完全に着地させてから、ママやパパがスリングから脱け出るようにします。
赤ちゃんの身体をトントンしながらゆっくりとおろしてあげれば、眠っている新生児も起こさずに済むでしょう。リングタイプのスリングはからまり防止のため、赤ちゃんの着地後にリングからテールを外します。ママやパパのにおいが残るスリングを肌掛けのように使えば、赤ちゃんは安心して眠るでしょう。
新生児におすすめのスリング5選
新生児におすすめのスリングをご紹介します。新生児や首すわり前の赤ちゃんの身体にやさしい機能性はもちろんのこと、携帯性やファッション性などそれぞれに特長があるので比べてみてくださいね。
ファムベリースリング
ドルフィンのテールを思わせる美しいテールラインと、ドレープによるファッション性が特長です。肩当てとポーチの両脇に綿が入っているので、赤ちゃんにと抱っこする人の両方に優しい設計ですね。
北極しろくま堂 ベビースリング キュット ミー!
取り外し可能なクッション材が新生児や首すわり前の赤ちゃんの頭をやわらかく固定し、膝裏への布の食い込みを防ぎます。クッションの位置は変えられるのでパパと共用しやすいですよ。
ミニモンキー スタンダードカラー
ヨーロッパ安全基準EN71取得。月齢にあわせてスタイルを選べる4wayが魅力で、パパと共用しやすいシンプルなデザインです。赤ちゃんが触れるところにはクッション素材を採用しています。
バディバディ スリングキャリーネクスト
セーフティーベッドで赤ちゃんが呼吸するスペースを確保し、股関節の両側からの圧迫を防ぎます。落下防止のセーフティーベルトも付いているので、初めてのママやパパにも使いやすいでしょう。
ベッタ キャリミー!プラス
わずか250gという軽量性と、折りたためば手帳サイズになるコンパクトさが魅力です。肩紐は左右を選ばす、ファスナー式で長さ調整が可能。ポーチは立体裁断なので安定感のある抱っこができるでしょう。
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スリングでの新生児の抱っこは正しい使い方で
おしゃれなスリングの中で気持ち良さそうに眠っている赤ちゃんの姿を見ると、スリングを使ってみたくなりますよね。
スリングで新生児や首すわり前の赤ちゃんを抱っこするときは、注意すべきポイントがあるので事前に正しい抱き方を確認することが大切です。ぬいぐるみやお人形を使って練習してみても良いでしょう。
スリングの使い方は一見難しそうですが、慣れると便利で手放せないというママもいます。赤ちゃんとママにとって心地良い抱っこができるよう、スリングを正しく使いこなしたいですね。