ダウン症の可能性のあるエコー写真の特徴は?エコー写真でわかる?
ダウン症はエコー写真でわかるのでしょうか。妊娠と同時にお腹の赤ちゃんが元気かどうか、なにか先天性の病気はないかと気にしている妊婦さんも多いかもしれません。ここでは、ダウン症の可能性がある場合のエコー写真の特徴や、ダウン症の検査方法についてご紹介します。
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目次
ダウン症とは
ダウン症とは、正式名称を「ダウン症候群」と言い、最初に研究論文を発表したダウン医師の名前から付けられています。原因は遺伝ではなく、染色体の分裂異常による先天性の病気ということ以外ははっきりとわかっていません。現在では新生児の約700~1,000人に1人の割合で生まれています。
個人差はありますが、多く見られる特徴としては、目や鼻に独特の特徴があり、知能や精神の発達に遅れがあります。また、感染症への抵抗力が弱く、幼稚園や学校に通う際は風邪などにかかりやすいともいわれています。
エコー写真の種類
エコー検査の種類
そもそもエコーにはいくつかの種類があり、胎児の見え方が異なります。
■2Dエコー
2Dのエコーは一般的に利用されているものです。超音波に反射する骨は白、反射しない羊水や血液は黒く写り、二次元で断面を表現しています。お腹の赤ちゃんが小さくてお腹の上からでは確認できない場合に行う経腟法でも、2Dエコーを使用します。
■3Dエコー
3Dエコーはお腹の上からプローブをあてる経腹法で使用されます。3Dエコーでは超音波がいく筋にも反射するため、2Dエコーで見たときよりも立体的に表現されます。赤ちゃんの表情や仕草もわかりやすく、エコー写真で見ても顔がはっきりとしてわかりやすいですね。
■4Dエコー
3Dエコーと同じく経腹法で使用されます。4Dエコーとは、3Dエコーが動画になったもので、赤ちゃんの動きをリアルタイムで確認することができます。ぐにぐにとお腹の中で動く赤ちゃんを目で見ることができるので、とても感動的です。
ダウン症はエコー検査では確定診断できない
ダウン症は、妊娠10~14週頃のエコー検査で、胎児の後頭部に浮腫が見られた場合に疑われます。また、妊娠後期に「鼻が低い」といったダウン症に特徴的な所見が、胎児の横顔のエコー画像から発見されて疑われることもあります。ただし、あくまでもダウン症の疑いがあるというだけで、エコー検査のみで確定診断はできません。
特に3Dエコーや4Dエコーでは赤ちゃんの様子がよくわかるため、「鼻が低いのではないか」などと不安になりがちかもしれません。しかし、実際に生まれてみるとエコー写真の顔と大きく違ったということも多いので、心配しすぎないようにしてくださいね。エコー写真を見て気になることがあれば、医師に相談しましょう。
ダウン症の可能性のあるエコー写真の特徴
手足が極端に短い
頭の大きさに比べて手足が極端に短い場合、染色体に異常がある症状の可能性が考えられます。これを四肢短縮(ししたんしゅく)と言い、染色体異常で起こるダウン症の合併症としてあげられる特徴です。
もちろん子宮の壁に手足があたって短く見えるといったことも十分に考えられるので、一概にはいえません。ただし、経過をしっかりと診ていく必要があるでしょう。
首周辺ののう胞
首周辺のふくらみや明らかに「のう胞」とわるものに関しては、特にダウン症の可能性が高いとされています。赤ちゃんの心臓に疾患があることで全身のリンパが上手く流れず、首周りにたまってしまう場合と脳の形成に遅れがある場合などが考えられます。ダウン症だけではなく他の合併症の可能性もあるため、注意して医師が診察します。
後頭部の浮腫
ダウン症の方々は後頭部がむくんでいますが、胎児のころからその特徴があり、判断材料として最も多いといわれています。検査数値はNT(Nuchal Translucency)と表記され、その数値がダウン症のスクリーニング検査の判断基準となります。高い数値が継続する、または肥大することでダウン症などの障害を疑います。
頭が大きい
頭の大きさを図る数値に、BPD(Biparietal Diameter)とFOD(Front Occipital Diameter)があります。これらの数値が平均値より異常に大きいと、ダウン症の疑いがあるとされています。
先天性心臓疾患
エコー検査には、心臓の動きを見る検査もあります。心臓の壁が薄かったり、動きや形に異常があったりしないかを観察します。ダウン症胎児に見られる先天性心臓疾患では心臓に穴が空いていることがあるので、場合によっては、エコー写真では心臓部分に白い穴が写るそうです。
ダウン症の検査方法
母体血清マーカーテスト
母体の血液から少量の血液を採取し、血液中のホルモンやタンパク質などを調べる検査です。血液中の成分の濃度を調べることで、胎児に染色体異常があるかどうかを判断します。
母体へのリスクはなく、妊娠15~21週で検査を受けられます。費用は2~3万円と比較的手頃なので、まずこちらの検査をしてみて確率が高いようなら、羊水検査や絨毛検査などの精密検査を受けます。
羊水検査
お腹に注射器を刺し、子宮から羊水を採取する検査です。羊水の中にある胎児の細胞から疾患などがないかを調べます。99%以上の確実性があるといわれ、ダウン症の確定診断に用いられます。
ただし、長い注射器をお腹に刺すことになるため、検査に伴って0.3%ほどの流産リスクがあります。妊娠15~18週に受けることができ、費用は各病院で異なりますが、10万円程度かかるのが一般的です。
絨毛検査
お腹に検査用の針を刺し、絨毛と呼ばれる、胎盤になる前の組織を採取する検査です。検査の精度は非常に高くなります。妊娠9~14週と早い時期に検査ができるので、陽性だった場合にはその後の対処がしやすくなります。羊水検査と同様に針をお腹に刺すため、流産のリスクがあります。費用は10~20万円程度かかります。
新出生前診断(NIPT)
ママの血液を採取し、赤ちゃんの染色体に異常があるかどうかを調べる検査です。羊水検査や絨毛検査のように流産のリスクもなく、母体の負担を大幅に軽減しながら確度の高い検査ができます。妊娠10~18週ごろに受けることができるので、検査が可能な時期も長くなります。ただし、保険適用外の自由診療になり、20万円程度かかります。
ダウン症に関する書籍
ダウン症がわかったら家族でよく話し合おう
近年の医療技術の向上により、胎児がダウン症かどうかはエコー検査をはじめ、さまざまな検査により、とても高い確率でわかるようです。ただし、どの検査も100%の判断がつけられるというものではありません。
授かった赤ちゃんがダウン症と診断された場合、不安で胸がいっぱいになるママもいるでしょう。何が悪かったのかと自分を責めてしまうママもいるかもしれません。しかし、その診断が間違っている可能性もあります。納得できるまで医師や家族、パートナーと相談し、赤ちゃんのためにできる準備をすると良いでしょう。