桃の節句の由来や意味とは?飾る花や料理は?お祝いの仕方をご紹介!
3月3日は桃の節句と呼ばれ、女の子の幸せを願うためのひな祭りを行う日です。雛人形や桃の花を飾る、お祝いの料理を家族でいただくなど、さまざまな慣習があります。ここでは、桃の節句の由来や意味、お祝いの仕方について詳しく解説します。(この記事は2021年12月時点の情報をもとに作成しています)
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目次
桃の節句とは?意味や由来は?
桃の節句とは3月3日に行われるひな祭りのことを指します。桃の節句は女の子の健やかな成長をお祝いするためのもので、雛人形や桃の花を飾り、女の子は着物を着て祝い膳やひなあられを食べるといった慣習があります。
桃の節句は中国の風習を起源
桃の節句は中国から伝わった五節句のうちのひとつで、漢名を上巳の節句(じょうしのせっく)と言います。中国では川辺で身を清め、災いを払う行事として行われてきました。上巳の節句では、厄よけの力があると信じられてきた桃の酒を飲みました。
日本でも桃が災いを遠ざける力があると信じられ、3月3日に桃の花を飾る習慣が残っています。また、旧暦の3月3日は桃の花が咲く季節であったことから、上巳の節句は桃の節句と呼ばれるようになりました。
貴族の風習や女の子の遊びが融合して現在のひな祭りの形に
桃の節句のルーツは中国にありますが、雛人形を飾る慣習は日本独自で発達したものと考えられています。ひな祭りは、平安時代の貴族の女の子たちが「雛遊び(ひいな遊び)」と呼んでいたお人形遊びと、貴族が桃の節句に行っていた「流し雛」という習わしに由来しているといわれています。
流し雛とは、自分に降りかかる病気や災いの身代わりとして紙や草でできた人形を作り、川に流すというものでした。現在でも各地で流し雛を見ることができます。
雛遊びは女の子による遊びであったため、桃の節句は女の子の幸せを願う行事として定着しました。江戸時代に3月3日を「桃の節句」と幕府が制定しました。やがて武家や商人のあいだでも桃の節句の習慣が広がり、ひな祭りが現在の形にしたといわれています。
桃の節句のお祝いの仕方は?
桃の節句はどのようにお祝いをすれば良いのでしょうか。現代までに伝わっている一般的なお祝いの仕方をご紹介します。
雛人形を飾る
雛人形はひな祭りの2~3週間前に飾り始めます。かつては5段、7段の豪華絢爛な雛人形が多く見られました。現在は居住スペースが縮小していることもあり、お内裏様とお雛様だけを飾る親王飾り(しんのうかざり)という飾り方も多いです。
祝い膳を食べる
桃の節句では、女の子の健やかな成長を願って特別な料理を用意します。祝い膳に蛤(はまぐり)のお吸い物やちらし寿司が作られることが多いです。菱餅(ひしもち)、白酒やひなあられは、お雛様にお供えしたあとで食べましょう。
初節句を迎える場合は、ママが赤ちゃんお世話で忙しく料理がはかどらないこともあるでしょう。自宅で料理をすることが難しい場合は、家族で外食するのもおすすめです。両家の家族を招き食事会を開いてはいかがでしょうか。
神社に行く
初節句を迎える赤ちゃんを連れて、神社をお参りするという家庭も多いようです。祈願や祝詞をお願いする場合は、事前に神社に問い合わせをしておきましょう。玉串料や初穂料は3,000円〜5,000円程度が一般的ですが、神社によって違いがあるので確認が必要です。
桃の節句には各地の神社で流し雛や神事、雛人形の展示などが盛んに行われていますので、一度足を運んでみるのも良いでしょう。
桃の節句で定番の食べ物とその由来
ひな祭りの祝い膳に用いられる縁起の良い食べ物と、その食材が使われる理由について説明します。
蛤(はまぐり)のお吸い物
蛤(はまぐり)のお吸い物は、ひな祭りの代表的な祝い膳の料理です。蛤は他の貝の殻と絶対に合うことがないため、夫婦円満の象徴として考えられてきました。将来に良い伴侶と出会い、長く連れ添えるようにという願いが込められています。
ちらし寿司
ちらし寿司は見た目が美しく、縁起が良い食材を多く使用しているため、ひな祭りによく作られている料理です。ばら寿司と呼ぶ地域もあります。
ちらし寿司に用いられる具にはそれぞれ意味があり、レンコンは見通しがきく、エビは長生きする、豆は健康でマメな人になるようにといった願いが込められています。
山菜など季節の食材を使って春らしさを演出するのもおすすめです。子どもが離乳食期である場合は、エビや卵などアレルゲン源となる食材・かたさなどに注意しましょう。
ひなあられ
ひなあられは、蒸したもち米や細かく切ったお餅を炒ってふくらましたものに、甘い糖蜜をまぶしたお菓子です。ひなあられの4つの色(ピンク・緑・黄色・白)は四季を表しています。
ひなあられを炒っているときによくはじけると、その年は良いことが多いという言い伝えもあります。ひなあられはお雛様にお供えをしたあとに家族でいただきましょう。
桃の節句に定番の飲み物とその由来
白酒が定番
かつては桃の花びらを漬けて作る「桃花酒」がよく飲まれていましたが、次第に白酒に桃の花びらを浮かべて飲む習慣が根付きました。さらに最近では、白酒の代わりにより手軽に飲める甘酒を用いる家庭が多くなりました。
白酒は白く濁りとろみがあるのが特徴で、甘酒によく似ています。しかし白酒と甘酒では製造方法や原材料、熟成期間、アルコールの含有量が大きく異なります。
白酒や甘酒のアルコールに注意
甘酒は子どもでも飲める清涼飲料水として販売されていることが多いですが、白酒は酒税法ではリキュール類に該当するため注意が必要です。(※1)また、酒粕を用いて甘酒を自宅で作る場合、作り方によってはアルコールが含まれたままになってしまいます。アルコールをしっかり飛ばして作るようにしましょう。
子どもはもちろん妊娠中や授乳中の女性、数時間以内に運転する可能性がある方は白酒ではなく、アルコールフリーの甘酒を飲みましょう。
桃の節句に飾る花は?
桃の節句では「ひなまつり」の歌詞にもあるように、古くから桃の花を飾ってきました。中国では桃に魔よけの力があると信じられており、3月3日に桃のお酒を飲む風習がありました。日本でも桃の花を飾ることで厄除けになると考えられています。
また、雛人形にも木花が飾られているのをご存知でしょうか。ひとつは右近の橘(たちばな)というミカン科の植物、もうひとつが左近の桜です。主に三仕丁(宮中の雑役を務める男性)の左右に飾られています。
それぞれの飾り方や花の意味は次の通りです。
・右近の橘
向かって左(お雛様から見て右)に飾る。橘には「魔よけ」「邪気払い」「不老長寿」の意味がある。
・左近の桜
向かって右(お雛様から見て左)に飾る。桜には「魔よけ」「邪気払い」の意味がある。
雛人形を飾るときに子どもに花の意味を伝えてあげましょう。
桃の節句を華やかにお祝いしよう
桃の節句は、女の子の成長と幸せを願うための伝統的な行事です。お雛様を飾り、特別な料理を準備して華やかにお祝いをしてあげましょう。
着物やドレスなど、普段あまり着る機会がない衣装に着替えるのもおすすめです。場が明るくになるだけでなく、子どもも大人びた自分の姿を誇らしく思えるでしょう。年に一度の桃の節句は、家族皆で楽しいひとときを過ごせると良いですね。
※この記事は2021年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。