妊娠23週|赤ちゃんの成長や妊婦の身体の変化、胎動・お腹の張りの注意点

【医師監修】妊娠23週(23w)は妊娠6ヶ月の4週目で、24週からは妊娠7ヶ月に入ります。妊娠後期に向けて赤ちゃんの体重はますます増加し、胎動は力強くなってきますよ。妊婦のお腹の大きさや過ごし方、胎児の性別や体重など発達の状況、早産のリスクやお腹の張りなどの注意点を見ていきましょう。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 妊娠23週の赤ちゃんの成長の様子
  2. 妊娠23週の妊婦の身体の変化と症状
  3. 妊娠23週の過ごし方
  4. 妊娠23週の注意点
  5. 妊娠23週のママへ
  6. あわせて読みたい

妊娠23週の赤ちゃんの成長の様子

妊娠23週の赤ちゃんの基礎情報 身長、体重、発達

体重
BPD
身長
発達
386~733g4.9~6.1cm24.9~33.2cm・脳が発達 ・眉毛、まつげ、爪が生える ・耳の形成が進む ・外性器がはっきりする ・胎動が大きくなる

妊娠23週ころの赤ちゃんは体重の平均が560gで、妊娠24週になると1日当たり15~20gのペースで体重が増加していきます(※1)。脳の発達も活発で、妊娠16週ころから大脳の体積が増してきます。14週~25週くらいまで、小脳の横径は週数をmm単位で示した大きさと同じくらいです。23週といえば、小脳の幅が23mmということになります(※2)。

眉毛やまつげ、爪といった細かなパーツもできはじめ、顔立ちがはっきりしてきます。まぶたはまだ閉じたままですが、24週~25週ころになると目を開ける様子が確認できることもあります。耳の形成も進み、内耳は妊娠24週ころ、外耳は妊娠26週ころまでに大人と同じ構造となります。聴覚がほぼ完成するのは妊娠30週ころです。

妊娠23週の胎動、逆子、性別

性腺刺激ホルモンによって外性器の形成が促され、外性器が大きく成長するので、性別がはっきりとしてくるかもしれません。またこのころの赤ちゃんは胎動が活発で、羊水の中で身体をくるくると回転させているため、逆子となることも珍しくありません。逆子が問題となるのは30週を過ぎてからです。健診で逆子といわれても、心配しすぎないでくださいね。

妊娠23週の妊婦の身体の変化と症状

妊娠23週の妊婦の身体の変化と子宮やお腹の大きさ

子宮の大きさ(子宮底長)
お腹の大きさ
外見の変化
18.33~23.4cm子宮底がおへそまで達する・お腹が前にせり出し腰が反り気味になる ・乳房が大きくなる

子宮の大きさはサッカーボールと同じくらいのサイズです。子宮底の位置はおへそのあたりになり、おへそから恥骨にかけて丸みが目立つようになります。お腹が大きくなってくると、バランスをとるために腰が反り気味になります。

また、乳腺が発達し脂肪も付いてくるため、乳房が大きくなります。妊娠経過が順調なら、乳頭のマッサージを始めたい時期です。この時期のお腹や乳房の大きさは個人差があり、ふくらみが目立たない人もいます。赤ちゃんの成長や体重増加について医師から指摘がなければ、「お腹が大きい、小さい」というのは気にしすぎないようにしましょう。

妊娠23週にあらわれやすい症状 息切れ、腰痛、便秘…

症状
対策
動悸・息切れゆっくり行動する
腰痛・腰痛体操をする・医師に相談して骨盤ベルトを使う
皮膚のかゆみ・保湿する・医師に相談する
こむらがえり・長時間の立ち仕事を避ける・温めて血流を促す
便秘・朝食を食べる・水分や野菜を摂る
・便秘を予防する・清潔を保つ

子宮が大きくなると、動悸や息切れを感じることがあります。これは、子宮に横隔膜が押し上げられ、肺や心臓が圧迫されることが原因です。妊娠中は心拍の数も増えるため、苦しさを感じたらゆっくりと行動してください。腸や下半身の血管も圧迫されるので、便秘や痔も起こりやすくなります。水分と食物繊維を摂取し、生活リズムを整えていきましょう。

夜寝ているときや伸びをしたときに足がつる「こむらがえり」や、腰痛にも悩まされることがあるかもしれません。こむらがえりは筋肉の疲労が原因といわれています。長時間の立ち仕事は避け、マッサージをしたり温めたりして血流を促しましょう。腰痛はストレッチや骨盤ベルトでやわらぐことがあります。医師に相談して、対策をとりたいですね。

妊娠初期~中期にかけては皮膚のかゆみもよく起こるトラブルです。皮膚のかゆみは「妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)」といい、ホルモン変化や妊娠にともなう肝機能の低下が原因で起こると考えられています。ローションやクリームで保湿を行い、かゆみが強いときは医師に相談しましょう。程度に合ったかゆみ止めが処方されます。

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妊娠23週の過ごし方

妊娠24週からは妊婦健診が2週に1回に

妊娠23週までの妊婦健診は、4週に1回の頻度で実施されるのが通常です。妊娠24週ころからは、妊婦健診の間隔が2週に1回となります。妊娠7ヶ月までは安定期となりますが、健診の間隔が短くなるので、旅行や部屋の模様替えなどの大きなイベントは、早めに計画を立てて進めていきましょう。

骨盤ケアで快適な妊娠生活を目指そう

妊娠中は出産に備え、骨盤周辺の靭帯を緩めるホルモンが分泌されています。その影響で骨盤はとても歪みやすい状態です。大きくなったお腹を支えるため、背中や腰でバランスをとっているので、筋肉にも大きな負荷がかっています。靭帯の緩みや筋肉の緊張は骨盤のゆがみを生み、筋肉の緊張をさらに高め腰痛や恥骨痛などを引き起こす原因となります。

骨盤をゆがませないためにも、骨盤ケアが大切になってきます。骨盤ケアには、骨盤ベルトを使って緩みやすい骨盤をサポートしたり、体操で筋肉を強化したりする方法があります。お風呂で温めたあとにマッサージをするのも、筋肉の緊張をほぐすのに効果的です。

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乳頭マッサージで母乳育児の準備を

母乳には赤ちゃんに必要な栄養素や免疫を助ける成分が含まれています。妊娠中から乳頭マッサージをしておくと、乳頭や乳輪がやわらかくなり、赤ちゃんが吸い付きやすくなります。皮膚も丈夫になり、乳頭亀裂の予防にもつながります。

乳頭や乳房への刺激は子宮を収縮させることがあるため、妊娠経過によっては時期をずらしたほうが良い場合もあります。乳頭ケアをどのように進めたらよいか、医師や助産師の指導を受けてから始めると安心です。また、マッサージの最中にお腹が張ってきたら、お腹の張りが治まるまでマッサージを中止しましょう。

妊娠23週の注意点

早産・切迫早産の兆候に気をつける

妊娠23週で早産となった場合、生存の確率は50%ほどです(※3)。赤ちゃんの体重が500gを超えていると、生存できる可能性が高まります。しかし、在胎週数が短い赤ちゃんは身体の機能が未成熟なため、なんらかの障害が残ったり将来的に病気にかかりやすくなったりというリスクが考えられます。

早産・切迫早産の兆候には、出血や長時間続くお腹の張り、強いお腹の痛みといった症状があります。このような症状があらわれたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

妊婦健診で妊娠糖尿病検査を受ける

妊娠週数が進んでくると、胎盤などから分泌されるホルモンの影響でインスリンのはたらきが徐々に低下してきます。インスリンのはたらきが弱くなると、血糖値が高くなり糖代謝異常を引き起こします。このように、妊娠が原因で妊娠中にはじめてみつかる糖代謝異常を「妊娠糖尿病」といいます。

ママの血糖値が上がると胎児の血糖値も上がるため、ママと赤ちゃんにさまざまな合併症があらわれます。ママは妊娠高血圧症候群、羊水量の異常、早産、網膜症などになる可能性があります。赤ちゃんへの影響は巨大児、形態異常、低血糖、多血症などが報告されています。

妊娠糖尿病は自覚症状に乏しく、妊婦健診の血液検査で指摘されてはじめて気づくことがほとんどです。検査の結果、妊娠糖尿病と診断された場合は食事による栄養指導が行われます。血液検査は妊娠中期に行われるため、妊婦健診は欠かさずに受けるようにしましょう。

胎動が少ないと感じたらお腹の張りにも注意

妊娠20週ころには、ほとんどのママが胎動を感じられるようになります。胎動の感じ方は個人差があり、胎動が弱いからといって心配しすぎる必要はありません。もしも「いつもより胎動が少ない」と心配なときは、1日のうちで一番活発に動く時間帯を使って、10回の胎動を感じるのにどれくらいの時間がかかるか測ってみましょう。

10回の胎動をカウントするのにかかる時間はおよそ30分が目安です。1時間以上たっても10回にならないときは、医師や助産師に相談すると安心です。胎動は、お腹が張っていると感じにくくなります。胎動が少ないときは冷えやストレスに注意し、リラックスして過ごしてくださいね。

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妊娠23週のママへ

妊娠20週から23週までの1ヶ月は、およそ40週ある妊娠期間のちょうど折り返しの時期にあたります。残りの4ヶ月は赤ちゃんが大きく成長するにつれて、ママのお腹もさらに大きくなり、妊娠35週ころにピークを迎えますよ。

お腹が大きくなると、少しずつ動きが制限されることもでてくるかもしれませんが、妊娠経過が順調であれば、体力維持のための運動を続けましょう。パパと一緒にウォーキングしたり、パパにマッサージをしてもらったりと、夫婦でコミュニケーションをとりながら取り組んでみてはいかがでしょうか。

※この記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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