妊娠中でもネイルは楽しめる?マニキュア・ジェルネイル・除光液の影響は?控える時期と注意点【産婦人科医監修】

妊娠中でも結婚式やおでかけの際にネイルを楽しみたいですよね。「マニキュアやジェルネイルのにおいを吸いこんでも大丈夫か」「爪から薬品の成分が吸収されて赤ちゃんに影響が出ないか」など、妊婦さんは気になることが多いかもしれません。妊婦さんはいつからいつまでネイルを楽しめるか、ネイルによる妊婦さんへの影響や注意点を解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠中でもネイルをしたい
  2. 妊婦のネイルはいつからいつまでできる?
  3. ネイルを控えるケースと時期
  4. 妊婦が注意したいマニキュア・除光液の成分は?影響は?
  5. 妊婦がネイルをするときの注意点
  6. 妊娠中のネイルサロン、注意点はある?
  7. 妊娠中に足のネイルはしても大丈夫?
  8. 妊娠中にネイルスクールに通いたい場合は?
  9. ネイルシール、ネイルチップ、妊娠中のおすすめは?
  10. 妊娠中のネイルに関する体験談
  11. 妊娠中の注意点を守ってネイルを楽しもう
  12. あわせて読みたい

妊娠中でもネイルをしたい

妊娠中でも、おしゃれを楽しみたい、髪や爪をきれいにしたいと考える人は少なくないでしょう。一方で妊娠中だからこそ、「マニキュアやジェルネイル、除光液のにおいを吸いこむことでお腹の赤ちゃんに影響はあるのか」「妊婦健診にネイルをしたまま行ってもよいのか」といったことが気になる人もいるかもしれませんね。妊娠中にネイルをしても、妊娠の経過やお腹の赤ちゃんに影響が出ることはないのでしょうか。

妊婦のネイルに対しては、専門家のあいだでも意見が割れています。条件付きで妊婦のネイルを許可する医師もいれば、妊婦のネイルに否定的な意見の医師もいるようです。一般的にはネイルを妊婦がすること自体に問題はないという意見が多いようですが、妊婦の体調管理や緊急時の対応を考えて、妊娠中はネイルをしないように指示されるケースもあるようです。

妊娠中のネイルについて気になるようであれば、まずはかかりつけの産婦人科医に相談してみましょう。

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妊婦のネイルはいつからいつまでできる?

かかりつけの医師から指導がない場合には、妊娠中でもネイルをすることは可能です。ただし、妊娠初期・中期・後期によって事情が変わってくるでしょう。

■妊娠初期
妊娠初期のつわりに悩んでいる妊婦さんの中には、さまざまなにおいが苦手になる人もいます。ネイルのにおいは、妊娠中でなくても苦手な人もいますよね。においで気分が悪くなってしまう場合は控えたほうが良いでしょう。

■妊娠中期
妊娠中期以降は、安定期に入ることもありネイルサロンに行くのも比較的楽になる人が多いでしょう。ただしお腹が少しずつ大きくなる時期でもあるため、長時間同じ姿勢でいることで気分が悪くなったり、足腰が痛くなったりする人もいるので注意が必要です。

■妊娠後期・臨月
妊娠後期から臨月にかけては、出産に向けて緊急手術や出産後の赤ちゃんのお世話を想定してネイルを控えるように指示があることが多いようです。妊婦さんの体調を考慮して、ネイルを実施するかどうかを決めてくださいね。

ネイルを控えるケースと時期

特定の条件下においてのみ、妊娠中のネイルを控えるように指示される場合もあります。以下のケースではネイルオフの指示が出ることがあるようです。かかりつけの産婦人科医によって考え方が異なる場合もあるため、気になるようであれば医師に確認してみてくださいね。

妊婦健診のとき

妊婦健診の際に、爪で健康状態を見る場合があるようです。妊婦の体調や妊娠の経過、担当医の考え方にもよるため、指示があればネイルをオフしてから健診に行くようにしましょう。

おっぱいマッサージをするとき

妊娠後期以降には、母乳育児に向けておっぱいマッサージの指導がある場合もあります。長い爪や大きなパーツの付いたネイルでおっぱいマッサージをすると、胸を傷つける可能性があります。

出産時

出産時までには、ネイルをオフするように指示があるはずです。予定帝王切開の場合には、入院の際にはネイルを落としてから来るように指示される人もいるでしょう。ただし担当医の考え方によっては、妊娠後期から臨月までのあいだにネイルをやめるように指導がある場合もあります。

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妊婦が注意したいマニキュア・除光液の成分は?影響は?

妊娠中にネイルをすること自体に、否定的な意見は多くはありません。ネイルをする際に用いられるマニキュア(ネイルエナメル、ネイルカラー、ネイルポリッシュ)や除光液、ジェルネイル用のリムーバー、トップコートやラメなどの素材パーツ、ネイルを乾かす際のLEDライト・UVライトによる影響はゼロではありません。ただし一般的な使用方法・使用時間であれば、お腹の赤ちゃんに影響はないといわれています。

ネイルに用いられるマニキュアや除光液の成分では、有機溶剤と呼ばれる成分に対する危険性を心配する人がいるでしょう。有機溶剤は正しい環境で使用しないと、中毒になる可能性があります。商品により配合成分は異なりますが、マニキュアや除光液に含まれる成分ではアセトンやトルエンが有機溶剤になります。

一般的な使い方をしていれば問題ないとされていますが、仕事で長時間ネイルを扱う業務を担当している場合には、医師に相談しておくと安心でしょう。またネイルをする際には必ず換気を行いましょう。

妊婦がネイルをするときの注意点

においに注意する

多くのネイル製品は、シンナーなどによる刺激臭が強く、換気をきちんと行わないと気分が悪くなってしまうこともあります。妊娠初期のつわりがひどい時期には、ネイルのにおいでさらに気持ち悪くなることもあるので、体調次第ではネイルを中止しましょう。

異変が起きたら中止する

妊娠前と比べて、肌トラブル・ヘアトラブルが気になる妊婦もいるかもしれません。妊娠中は皮膚が敏感になり、痛みやかゆみを感じやすくなったり肌が荒れやすくなっていたりする人もいます。マニキュアや除光液・リムーバー、ネイルチップ用のグルー(接着剤)などで手や指が荒れたら、すぐに使用を中止しましょう。

医師の指示に従う

妊婦のネイルに関しては、専門家のあいだでも賛否両論あります。芸能人が臨月に入ってもネイルをしているからといった基準で判断するのではなく、かかりつけの医師の指示があれば従いましょう。病院によっては臨月の出産ギリギリまでネイルの使用を許可している場合もあるようです。

妊娠中のネイルサロン、注意点はある?

サロンスタッフに妊婦であることを伝える

ネイルサロンのスタッフには、妊婦である旨を伝えておきましょう。トイレから近い席に座れるか、クッションの持ち込みはできるか、短時間でできるメニューはあるかなど、気になることがあれば聞いてみましょう。我慢せずに相談できることは、相談してみてくださいね。

自分でオフできないメニューは避ける

緊急手術になった場合、指を機械に挟んで血中酸素濃度を測定します。ネイルをしていると、正確な測定ができない可能性もあります。特にジェルネイル・スカルプネイルといった自分ですぐにネイルオフするのが難しいメニューは、妊娠後期以降は避けておくと安心かもしれませんね。

気分が悪くなったらスタッフに相談

ネイルサロンは、ネイル製品のさまざまなにおいが混在しています。無理をせず、気分が悪くなったらスタッフに相談しましょう。席を立って外の空気を吸いに行く、ある程度のところでネイルを中止するという方法もあるでしょう。事前にマスクを持参しておくのも良いですね。

同じ姿勢が続くので、適度に身体を動かす

同じ姿勢を保っていると、気分が悪くなったりお腹が張ったりすることがあります。我慢せず、30分から1時間ごとに立ち上がってもよいか、事前に相談しておくと良いでしょう。むくみや腰痛予防として足を置く台やクッションの使用を相談してみるのも良いかもしれません。

妊娠中に足のネイルはしても大丈夫?

手にネイルをするのは、体調管理の面から妊娠後期以降は控えるべきだという考えの専門家もいます。では、足にペディキュアをするのは問題ないのでしょうか。

足の爪にネイルをすることにも賛否両論ありますが、手のネイルをやめるタイミングで、ペディキュアもやめる妊婦が多いかもしれません。手はネイルをしていないのに、足だけネイルしていることに抵抗がある人もいるでしょう。

妊娠中期を過ぎると次第にお腹が大きくなり、自分で足のペディキュアを塗り直したり、落としたりするのが難しくなります。このため、妊娠後期より前にペディキュアをやめておけば、ボロボロになったペディキュアを直すことができないといった状況にならず、安心かもしれませんね。

妊娠中にネイルスクールに通いたい場合は?

妊娠中の時間を活用して、資格の勉強を考える妊婦さんもいますよね。ネイルの資格は国家資格ではありませんが、業界団体独自の資格や公益財団法人が行なっているネイル検定があります。自分の趣味として活用できるだけでなく、友人や家族に塗ってあげられる点が人気を集める理由かもしれませんね。

短期間で集中的に、ネイルスクールに通って資格を取ろうと考えている人もいるでしょう。ネイルスクールでは、実技で長い時間ネイルのにおいをかぐこと、座って講義を聞かなければならないことを考えて検討しましょう。通信講座で資格の勉強をすることもできますよ。自分の体調を考え、かかりつけの産婦人科医の許可をもらってからネイルスクールの申し込みをしましょう。

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ネイルシール、ネイルチップ、妊娠中のおすすめは?

結婚式やマタニティフォト撮影、最後のマタニティ旅行などの際には、せっかくなので数日だけでもネイルを楽しみたいと考える人もいるでしょう。時期や体調によっては本格的なジェルネイルやスカルプネイルを楽しむのも問題ありませんが、ネイルシールやネイルチップを用いて、短期間だけ簡易的に楽しむ方法が妊娠中には合っているかもしれませんね。

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また妊婦が気になる「有機溶剤」と呼ばれる成分、アセトン・トルエンなどを使用していないネイルも昨今は注目を集めています。ネイルの成分が気になる人におすすめです。

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妊娠中のネイルに関する体験談

筆者は、妊娠前まではいつもネイルをしていました。妊娠してからは、妊婦健診のときに爪の状態を確認すると聞いてネイルをやめました。実際に妊婦健診で爪の色を見ることはありませんでしたが、お医者さんはプロなので、何気なく見ていたのかもしれません。

筆者の場合はつわりもひどくなく、これといった問題がなかったので、爪を見る必要がなかったのでしょうか。体調が悪かったら、爪を確認する機会があるのかもしれませんね。

妊婦健診のたびにネイルを落とすのは面倒だという点では、妊娠中のネイルをやめておいて良かったかなと筆者は考えています。

妊娠中の注意点を守ってネイルを楽しもう

妊婦のネイルについては賛否あり、注意点もありますが、一般的には条件付きでネイルをするのは問題ないという意見が多いようです。妊娠中は制限が多いため、ヒールなど我慢しなければならないことも多いでしょう。ネイルをはじめ髪型など、ファッションや美容はできる範囲で楽しみたいですね。

ネイルは気分転換にもなり、妊娠中のストレスや不安の緩和に期待ができるかもしれません。産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなり、しばらくネイルができなくなってしまいます。妊娠中に思いっきり楽しんでくださいね。

※この記事は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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