産婦人科医監修|出産予定日の計算方法!逆算して計画的に準備しよう

産婦人科医監修|出産予定日は、妊娠期間を有意義に過ごすために正しく把握しておきたいものですね。正確な出産予定日は、胎児の成長を計測して導かれるものですが、おおよそのスケジュールは計算でわかります。自分で出産予定日を計算するための式や、予定日を知るために便利なツールを活用して、計画的な準備に役立てましょう。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 出産予定日を計算する前に
  2. 出産予定日の計算方法は?
  3. 出産予定日が簡単にわかるカレンダーツール・計算機
  4. 出産予定日までにやっておきたいこと
  5. 出産予定日を計算して妊娠生活のプランを立てよう
  6. あわせて読みたい

出産予定日を計算する前に

妊娠が判明すると、赤ちゃんは順調に成長しているのか、出産日はいつくらいになるのだろうかと気になりますね。妊娠経過や胎児の発育状況を判断したり、妊婦健康診査の日程を決定したりするときは、妊娠してからの期間が目安となります。この妊娠してからの期間には統一した基準があり、「妊娠週数」や「妊娠月数」であらわされます。

妊娠週数は7日間を1週としており、妊娠0日目から6日までを0週、妊娠7日目から13日目までを1週と数えます。妊娠280日目となる40週の0日目を出産予定日とし、37週から41週までが正期産の期間(=正産期)となります。

妊娠月数は、4週をひと月としてカウントします。妊娠1ヶ月から始まり、妊娠10ヶ月が臨月です。厚生労働省では、日本産科婦人科学会がまとめた「産科婦人科用語集・用語解説集(改定第3版、金原出版発刊)」に基づき、妊娠0日から妊娠13週6日目(妊娠4ヶ月)までを妊娠初期、14週0日~27週6日目(妊娠4~7ヶ月)を妊娠中期、妊娠28週(妊娠8ヶ月)以降を妊娠後期に区分しています(※1)。

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出産予定日の計算方法は?

最終月経開始日の把握からスタート

出産予定日は、妊娠が判明する前の最終月経が始まった日を起点に計算します。つまり、妊娠0日目は妊娠が成立した日ではなく、最終月経の1日目となります。そのため、妊娠0日目にはまだ受精が行われていません。性交があった日や受精した日が妊娠した日というわけではないので注意しましょう。

排卵日がわかるとより正確

妊娠期間をもとに計算されています。一般的に平均的な生理周期は28日間、妊娠期間は280日前後15日で、妊娠週数や妊娠月数はこの数字をもとに計算しています。28日周期の場合、排卵日は生理開始から14日目になりますが、正常な生理周期は25日~38日間と幅があるため、生理周期や排卵日がずれると出産予定日は変わってきます。

生理が終わってから排卵するまでの期間は変動することがありますが、排卵してから次の生理が始まるまではおよそ14日間とほぼ一定です。そのため排卵日が把握できれば、その後の着床した時期や胎児の生育状況も正確に把握することができるのです。

簡単に計算したいならネーゲレの概算法

分娩の予定日を計算式で求める方法に、ネーゲレ概算法があります。生理周期が28日周期の場合を基本としている計算式で、最終月経開始日からおおよその出産予定日を予測することができます。

出産予定日を求める式には、最終月経開始日の月と日にちを用います。まず、分娩予定月を求めるときには、最終月経の開始月に9を足します。4~12月の場合は12月をオーバーしてしまうので、月の数から3を引きます。3月であれば9を足し、7月であれば3を引くといった具合です。

次に、最終月経開始日に7を足して分娩予定日を割り出します。最終月経が18日から始まった場合、分娩予定日は25日ということになります。月と日にちをまとめると、最終月経開始日が12月15日だった場合、12-3で9月、15+7で22日が分娩予定日です。

詳細は妊婦健診まで待とう

統計的な数字をもとにした妊娠期間の数え方やネーゲレ概算法は、生理周期が28日で毎月順調に生理がある人に向いています。生理不順や28日周期でない場合は妊婦健診で超音波検査を受け、胎嚢や頭殿長、児頭大横径から分娩予定日を予測する方法がとられます。

最終月経開始日を間違って認識していたり、排卵日がずれていたりする可能性もあります。生理周期が不定期で、28日型の分娩予定日予測では心配なときは、妊婦健診で医師の診察を受けて分娩予定日を確定していきましょう。

出産予定日はあくまで目安に

生理周期や排卵日が正確に把握できていたとしても、胎児の発育状況や妊娠期間中の生活が影響し、実際の出産日と予定日にはずれが生じるものです。出産予定日は確率的に導き出されたものなので、あくまで目安として考えましょう。

妊娠期間中は胎児の大きさにあわせ、妊娠週数が変更されることもあります。一般的に出産予定日が確定するのは7~10週です。また分娩方法が経腟分娩ではなく帝王切開となった場合、出産予定日より早く手術日が決められることが大半です。

もともとの出産予定日から、前後15日のあいだに生まれることが多いという統計もあります。正産期は37週0日から41週6日までで、陣痛発来が出産予定日より早まることも珍しくありません。逆に出産予定日を超過することもあるため、ナーバスになりすぎないようにしましょう。

出産予定日が簡単にわかるカレンダーツール・計算機

正確な最終月経の開始日や生理周期がわかっていても、自分で計算したものだとその数字が正しいのかどうか気になりますね。インターネット上では、最終月経の開始日や受精日を入力するだけで出産予定日を計算してくれる便利なツールが公開されています。

ユーザー登録をすると出産予定日だけではなく、妊娠カレンダーや出産までのカウントダウンが表示されたり、週数に応じた情報を発信したりするアプリもありますよ。

おむつのパンパースのサイトでも、会員登録をすると出産予定日計算ツールが利用できます。妊娠期間中のベイビーシャワー企画や産後にパンパースを利用するとポイントがたまってプレゼントと交換できるプログラムが提供されているので、妊娠期間中から産後までをトータルで楽しむことができます。

出産予定日までにやっておきたいこと

心の準備

妊娠するとホルモンのバランスが大きく変わり、気分の浮き沈みがあったり体調がすぐれない日があったりと気持ちが安定しないこともあるかもしれません。ホルモンの影響は産後も続くため、自分で自分の気持ちをコントロールすることが難しくなることもあります。「もっとうまくできるのに」とか「こんなはずじゃなかった」と感じることもでてくるでしょう。

しかし、もどかしさを感じたり憂うつに思ったりするのはごくごく自然なことです。妊娠・出産を通じて、今まで体験したこともないようなことが起こっているのです。あらかじめ得ていた情報とは異なることも出てきます。想定外のことが起こるのが当たり前だという心の準備をしておくと、いざというときに落ち着いて対処ができるかもしれません。

とはいえ、どんなことが起こりそうなのか予測して、段取りは進めておきたいものです。妊娠中や産後に必ず必要となることや注意すべき点はしっかりとリストアップし、整理しておくようにしましょうね。

体調・体重管理

妊娠中の生活リズムが不規則だったり、食生活のバランスが崩れていたりすることが続くと、体調や体重に影響が出てくる可能性があります。胎児の発育や妊娠経過は体調や体重のコントロールに左右されるところもあるため、神経質になりすぎる必要はありませんが、常に意識しておくことが大切です。

出産予定日は、ママの胎盤機能が維持される期間や赤ちゃんが十分に成長し身体の機能が発達してくる時期を示す側面も持っています。妊娠期間中は生活リズムに気を配り、出産予定日まで穏やかに過ごせるよう心がけましょう。

お金の管理

妊娠、出産、育児では高額な出費が重なることが出てきます。ママの就労時間が変わることで、収入が変化することも予想されます。できるだけ早い段階からトータルでいくらくらいかかるかの概算を見積もり、収支の管理をしておきたいですね。

補助金や利用できる手当について確認しておくことも大切です。助成を受けるには申請期間が決められている場合もあるため、早めに下調べをしておくと安心です。

入院準備

出産のための入院には、ママの分娩中や産後に必要な用品と、生まれたばかりの赤ちゃんをお世話するための用品が必要となります。何をどこまで用意すれるかは病院の方針によっても異なるため、出産する施設でなにが必要か事前に確認するようにしましょう。

ママに必要なアイテムは、出産前に使うものと産後に必要なものがあります。陣痛が起こってから子宮口が全開大になるまではある程度時間がかかるため、タオルや軽食、飲み物、飲むためのストローがあると便利です。産後使うものは産褥ショーツや産褥パッド、産褥ニッパー、母乳パッド、清浄綿などです。

赤ちゃんの用品では退院時に着る衣類やおくるみ、バスタオル、おむつ、おしりふきなどが必要になります。消耗品は病院側で提供してくれることもありますよ。

夫とのコミュニケーション

お腹の中の赤ちゃんの成長を知るだけではなく、妊娠期間中の女性の変化を理解したり、新生児のお世話の方法を覚えたりすることは、新しい家族を迎え入れるためのとても大切なステップです。ときには夫と一緒にマタニティ教室に参加したり妊婦健診を受けたりして、夫婦のコミュニケーションに役立てましょう。

最近ではマタニティの対となるワードとして、父性を意味する「パタニティ」という単語を見かける機会も増えてきました。産婦人科や自治体ではパタニティ教室を開催するところも出てきています。妊娠・出産は夫婦ふたりで準備を進め、乗り越えていきたいですね。

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出産予定日を計算して妊娠生活のプランを立てよう

妊娠期間中はおよそ10ヶ月と長いものの、途中でつわりがあったりマイナートラブルが起こったりと行動しづらい時期もあり、気付けばあっという間に時間が過ぎてしまうものです。書類の提出や仕事の調整など重要なことは、出産予定日から逆算して計画的に行っていきましょう。

妊娠経過が順調なら、安定期に入ってから運動や旅行の計画を立てるのも良いでしょう。産後に必要なものをそろえるのも、楽しみのひとつです。

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