母乳育児でおっぱいが張らない!差し乳と溜まり乳の原因と対策|助産師監修
助産師監修|母乳育児をしているお母さんのおっぱいは張るものだと思われがちですが、実はおっぱいが張らないこともあるのです。母乳育児でおっぱいが張らないなんてどんな時?と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、母乳育児でのおっぱいが張らない原因と対処法をご紹介いたします。
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目次
おっぱいが出る仕組み
母乳はお母さんの血液からできています。赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸う事で、お母さんの脳に伝わり脳下垂体という場所からプロラクチンというホルモンが分泌され、お母さんの身体に指示をだし、乳線に張り巡っている毛細血管へと血液が流れます。そして毛細血管から、母乳に必要な栄養や免疫などの成分を抽出して母乳が作られています。
通常、乳頭の筋肉は乳汁が溢れないよう、収縮しています。ここには、刺激に敏感な知覚神経が集まっているため、赤ちゃんが乳首をくわえて吸うことにより、神経が刺激され、乳頭の筋肉が緩みます。さらに、この吸いつきにより、視床下部を刺激し、下垂体後葉からオキシトシンというホルモンが分泌されます。このメカニズムにより、乳汁は乳房から積極的に押し出されるのです。
つまり、お母さんの体内の女性ホルモンと赤ちゃんがおっぱいを吸う行為、この2つの要因があってこその母乳なのですね。さて、母乳育児をしていると、どうやら溜まり乳(おっぱいが張る人)と差し乳(おっぱいが張らない人)、このどちらかに分かれるようです。
おっぱいが張らない(差し乳)ママの特徴は?
産後しばらく経ってもおっぱいの張りを感じない、産後初めの方は母乳の出る量がとても少ない、授乳の間隔があいたとしてもおっぱいが張らない、搾乳しても出る母乳の量は少ない、が差し乳ママの主な特徴です。
おっぱいが張らない(差し乳)原因は?
赤ちゃんが3か月くらいになると一度に飲める量も増えるため「母乳が溜まって張っていたおっぱい」から「赤ちゃんが吸うたびに母乳が作られるおっぱい」に変わったことにより、おっぱいが張らなくなったものと考えられます。
おっぱいが張らないときの対策
定期的に授乳する
おっぱいが張らないとつい授乳間隔を開けてしまいがちですが、赤ちゃんが乳首を吸うことによりプロラクチンやオキシトシンが分泌され母乳が作られ、胸が張ります。それにより、授乳リズムができ、乳腺の開きにもつながるので定期的な授乳がおすすめです。
授乳前にマッサージする
「赤ちゃんが吸うたびに母乳が作られるおっぱい」は、母乳が出るまでに時間がかかってしまうことがあります。そのため、授乳前に指で乳首のマッサージをすると、刺激になり母乳が出やすくなると考えられています。
なお、強くマッサージをすると乳首を傷つけてしまうので、優しくゆっくりマッサージすることをおすすめします。
短時間で左右のおっぱいを交互に授乳する
おっぱいが張らないと、「母乳の量が少なく、足りていないのでは?」と心配になることもあると思います。母乳が出にくくなってきたら、違うほうのおっぱいに、また出にくくなってきたら違うほうのおっぱいに、と短時間で交互に母乳を飲んでもらうことをおすすめします。そうすることにより、母乳の量が増えるのです。
水分を多めに摂取する
人間が1日に必要とする水分量は、2.5Lと言われています。母乳育児に励んでいるママは、おっぱいが張らない場合でも、しっかりと水分補給をすれば母乳量を増やす手助けになります。
通常、人が1日に摂取する水分量は、以下となります。
・食事 1リットル
・飲水 1.2リットル
・体内で作られる分 0.3リットル
よって、それ以外に赤ちゃんが飲む分の補給をするのが理想ですね。基本的に喉が乾いたら飲む、意識的に汁物などを増やすと良いです。
おっぱいが張りやすい(溜まり乳)の特徴と原因
溜まり乳ママの特徴
産後すぐおっぱいが張り母乳がよく出る、授乳の間隔があくとおっぱいがパンパンに張り痛むことがある、搾乳すると多量の母乳が出る、乳腺が詰まりやすいなどが溜まり乳ママの主な特徴です。差し乳ママの特徴とは正反対ですね。
溜まり乳の原因
赤ちゃんが飲む母乳量よりも、作られる母乳量の方が多いために赤ちゃんの飲み残した母乳が少しずつ乳房にたまっていくので、それに伴い強い張りや痛みが出てくるものと考えられます。
張らないからといって諦めないで!
このように、張らないおっぱいだからといって母乳が出ないわけではないのです。張らないから母乳が出ないと諦めてしまっては、母乳が出るようになるせっかくのチャンスを逃してしまうことになります。母乳が赤ちゃんにとって必要な量が出るようになるためにも、赤ちゃんにおっぱいを吸わせてあげてくださいね。