【産婦人科医監修】高位破水とは?原因と見分け方、対処法、予防法
出産予定日が近づくと「破水しても気づかなかったらどうしよう…」と不安になるママも少なくありません。「高位破水(こういはすい)」と呼ばれる破水は勢いがなく、少しずつ漏れてくるため、気づきにくいといわれています。ここでは、「高位破水」の原因と見分け方、対処法について産婦人科医監修で解説します。
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この記事の監修
目次
高位破水とは
卵膜の上部が破れること
「破水」は、お産が近づいたことによって赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、中に入っている羊水がママの体外に流れ出ることを言います。「高位破水」とは、何かの拍子に卵膜の上部が破れて羊水が漏れることです。
破水には、「高位破水」の他に、卵膜の下部が破れて羊水が漏れる「適時(常時)破水」、陣痛がくる前に破水してしまう「前期破水」、分娩開始後なものの子宮口が全開する前に破水してしまう「早期破水」があります。
尿漏れやおりものと区別がつきにくい
「高位破水」の場合は他の破水と違い、勢いよく漏れてくるわけではないので、尿漏れや多めのおりものと勘違いされることもあります。そのため、次の健診のときにはじめて破水していたとわかる人もいようです。
高位破水の原因
性交渉
性交渉の刺激が高位破水を引き起こすことがあります。性交渉を行うときは、深い挿入は行わないようにしましょう。また、性感染症予防のためにコンドームを装着することも大切です。
お腹に力を入れる
妊娠後期(特に正産期)に入ってからお腹に急に力を入れると、高位破水につながることがあります。急に重いものを持ち上げないようにしましょう。上の子がいる場合で抱っこをせがまれ、どうしても抱っこしなくてはいけない場合は、ゆっくり抱っこするように心がけてくださいね。
喫煙
喫煙も高位破水の原因となります。破水だけでなく、赤ちゃんに対しても喫煙は悪い影響ばかりです。ときには赤ちゃんやママの命にもかかわるため、妊娠と同時に喫煙はやめましょう。パパや周囲にもタバコをやめてもらうか、煙が届かない場所でタバコを吸ってもらうようにしてください。
性感染症
クラミジアやカンジダなどの性感染症が高位破水を引き起こすことがあります。性感染症にかかってしまった場合は、早めに治療しましょう。
高齢出産
高齢出産では破水が起こりやすいといわれています。高齢出産の妊婦さんは、破水しやすいことを念頭に置き、妊娠中の生活で「高位破水かもしれない」と気になることがあれば、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。
高位破水の見分け方
色
破水の色は、透明、黄色、黄緑色、薄ピンク色とさまざまです。全体的に透明感がありますが、透明感がなく、濃い赤色や混濁している場合は緊急に早急な対処が必要なので、すぐに受診してください。
匂い
破水は尿と違い、アンモニア臭はしません。無臭といわれていますが、個人差があり、独特の生臭さがあるという人もいます。
量
普通の破水の場合はドバドバと出てくるのですぐにわかりますが、高位破水の場合は少量がチョロチョロ出てきます。じわじわ出てくる場合もあり、量は、尿漏れやオリモノと勘違いされてしまう程度のこともあります。
自分で止められるかどうか
破水とそれ以外との決定的な違いは、自分で止められるかどうかです。破水の場合は、自分で力を入れて止めようと思っても、止めることができません。
出るタイミング
高位破水の場合は、動くたびにじわりと出てくるような感覚です。重いものを持ち上げたりお腹に力が入ったりすると、出てくる量が少し増えることもあります。
高位破水の対処法
正産期の場合
妊娠37~41週の正産期に入っていれば、「高位破水」をした場合はそのまま入院して出産となる人が多いです。正産期に入る前には、いつ出産となっても大丈夫なように入院準備を整えておきましょう。
正産期に入る前の場合
正産期に入る前に高位破水が起きてしまうと、感染予防のために管理入院しなければならない場合が多いようです。正産期前の場合は特に見分けがつきにくい「高位破水」には気を付け、気になることがあれば産婦人科医に相談しましょう。
高位破水の予防法
性行為を行う時は深い挿入は避ける
性行為の際は、深い挿入は避けましょう。子宮に強い刺激や圧迫をかけると、高位破水につながってしまいます。
コンドームを必ず使用する
コンドームは性感染症を予防します。性行為のときにコンドームを必ず使用することは、とても大切です。性感染症にかかると、高位破水だけでなく、早産や赤ちゃんの病気のリスクを背負うことになりかねません。
重いものを持たない
重いものを持つことは避けましょう。また、どうしても持たなければならないときや、上の子を抱っこしなければならないときは、ゆっくり持ち上げるように気を付けてくださいね。急にお腹に力に入ると、破水を引き起こしやすくなります。
副流煙に注意する
妊婦さんは、自分のタバコをやめるだけでなく、周りの喫煙者にも配慮してもらえると良いですね。特にパパがタバコを吸う場合は要注意です。副流煙を吸わないように遠くで吸ってもらったり、ママがいないときに吸ってもらったりするなどの対策をしましょう。
性感染症の早期発見と治療
性感染症は、高位破水だけでなく、さまざまな困った症状を引き起こしてしまいます。性感染症かもしれないと思ったら、できるだけ早期に医師に相談しましょう。
早めの治療が早期回復につながります。特にカンジダ腟炎やクラミジア感染症などは、治癒しないまま出産となると、出産時に赤ちゃんに感染するおそれがあります。出産までに治療を行うことが大切です。
気になることがあれば病院に相談を
「高位破水」は、尿漏れやおりものと区別しにくいものの、においや色で見分けることができます。妊娠した誰もがなる可能性があるだけに、知識と心構えが必要です。妊娠中に「高位破水かもしれない」と思ったら、ためらわずに受診してください。