【産婦人科医監修】妊婦は梅干しを食べてもいい?一日何個までOK?妊娠中におすすめの梅干し、つわりや性別との関連性について
妊娠中に梅干しを食べたくなるママは多いようです。酸っぱい食べ物として代表的な梅干しは、おにぎりやお茶漬けなどさまざまな料理に使われています。妊婦さんが非妊娠時と同じように、梅干しを食べても問題ないのでしょうか。ここでは妊娠中に食べてもよい梅干しの量と、おすすめのレシピ、つわりとの関連性について解説していきます。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
梅干しの栄養や効果
梅干しとは、梅を塩漬けした後、干したものをさします。梅干しをさらに乾燥させて甘味を付けたものが干し梅です。梅干しはおにぎりの具材などで使われ、日本では馴染み深い食材ですが、昔から漢方薬や民間薬として扱われてきました。風邪の引き始めには梅干しが良いといわれることもありますが、どのような栄養素を含んでいるのでしょうか。
梅干しは妊娠中に不足しがちな栄養素であるカルシウム、鉄といったミネラルを含んでいます。しかし、決して多くは含まれていませんので栄養補給源には向かないかもしれません。それでも、梅干しは唾液の分泌を促進し、食べ物の消化をサポートしてくれます。唾液がたくさん出ることで食欲が増進したり、虫歯のリスクが下がったりすることがあります。
梅干しの酸っぱさの源であるクエン酸は、栄養素の代謝には欠かせない成分です。また、カルシウムの吸収率を高める効果もあるので、赤ちゃんの骨や歯の形成に大切な栄養素といえます。
梅の実は本来「青酸配糖体」という有害な成分が含まれるため、生では食べられません。そのため、梅干しとして食べられているのが一般的です。この青酸配糖体は梅干しの種の中身である「仁」に多く含まれています。漬けたものは、ほとんど無害なようですが、気になるママは仁を食べないほうが良いでしょう。
妊婦は梅干しを食べられる?一日何個まで?
妊娠中に梅干しを適量食べるのは問題ありませんが、妊婦は梅干しを毎日大量に食べ過ぎないよう注意が必要です。梅干しは塩分が多く含まれています。製品によって差はありますが、塩漬けの場合、梅干し1個(10g)あたり食塩相当量は2.2gとなっています。(※1)
厚生労働省による食塩相当量の目標は、一日7.0g以下となっていますので、4個食べるとすぐに超えてしまいますね。梅干し以外の食事でも塩分は摂っているので、できれば一日一個までにしておくと良いでしょう。
また、梅干しの中には添加物に「酒精」が含まれているものもあります。酒精はアルコールのことで、殺菌効果や発酵を止めることを目的に使われます。梅干しに使われている酒精はわずかなものですが、妊娠中は身体が特別な状態なので梅干しの食べ過ぎには注意が必要です。
妊婦におすすめの梅干しの選び方は?
妊娠中に梅干しが食べたくなったときは、減塩と書かれているものを選ぶと良いでしょう。梅干しの中には、塩分が使われていない無塩梅干しもあるので、試してみても良いですね。
また、アルコールが気になるママは酒精が入っていない梅干しがおすすめです。この場合、保存性は落ちるのでなるべく早めに食べる必要があります。
今ある梅干しを使い切りたいというママは、ぬるいお湯で塩抜きするのも良いでしょう。熱いお湯を使うと、栄養素が壊れてしまうこともあるので、じっくりぬるま湯で塩分を抜くのがポイントです。
妊娠中に梅干しを食べるとつわりに効く?
妊娠初期症状のひとつにつわりがあります。吐き気や胸焼けがしたり、妊娠前とは食の好みが変わったりします。妊娠中期に入ると少しずつおさまってくることが多いつわりですが、食べたいものが食べられなくてストレスを感じるママもいるようです。
つわり中に、酸っぱいものが食べたくなるというママは少なくないようです。酸味が強いものを食べると、唾液の分泌が促進されて消化器官を刺激し、胃もたれが軽減される可能性があります。梅干しがつわりを改善するという医学的な根拠はありませんが、唾液の分泌が促されて食欲がわくことがあるようです。また、梅干しを食べることで、つわりで疲れた身体の疲労回復につながることもあります。
空腹時につわりがひどくなるママは、すぐにつまめる干し梅やカリカリ梅などを用意しておいても良いですね。ただし、梅干しを使ったお菓子は塩分が高い傾向にあるため、食べ過ぎには注意しましょう。
妊娠してから梅干しを食べたい日が増えた!胎児の性別に関係する?
妊娠中にどんな味のものを食べたくなるかによって、生まれてくる赤ちゃんの性別がわかるというジンクスがあります。甘いものが食べたくなると女の子、梅干しのように酸っぱいものが食べたくなると男の子が生まれるという説があるようです。
食の嗜好と赤ちゃんの性別との関連に医学的な根拠はありませんが、さまざまなジンクスで赤ちゃんの性別を楽しく想像してみるのも良いかもしれませんね。
妊婦におすすめの梅干しの食べ方・レシピ
梅と青じそのおにぎり
種を取った梅干しと青じそを細かく切り刻み、炊き立てのご飯に混ぜておにぎりを作ってみましょう。梅しばやカリカリ梅を刻んで混ぜると、食感が変わって楽しくなります。梅干しの塩分があるので、ごはんに塩をふる必要はありません。
梅の酸っぱさに青じそのさわやかな香りが混ざって、つわりのときでもさっぱり食べられます。しそはβ-カロテンを含み、梅干しと同じく防腐作用があるといわれています。小さめのおにぎりを数個作っておけば、小腹が空いたときにすぐ食べられるので便利ですよ。
たたき梅の和え物
種を取り除いた梅干しを包丁の腹でつぶし、そのあと包丁の背で軽くたたきます。きゅうりやトマトと和えれば、ドレッシングがなくてもおいしく食べられますよ。酸っぱい味が苦手な人は、はちみつ梅干しを使ってみましょう。はちみつが梅干しの味をまろやかにしてくれているので、普通の梅干しより食べやすいでしょう。
梅干し入りお茶
食事を作るのがつらいママや、つわりで食欲がまったくわかないというママは、つぶした梅干しを入れたお茶をゆっくり飲んでみても良いでしょう。手軽にミネラルやクエン酸が補給できますし、水分もとることができます。身体が冷えないように、温かいお茶がおすすめです。カフェインゼロの麦茶や、カフェインが少なめの番茶によく合いますよ。
妊娠中に梅干しが食べたくなった体験談
妊娠初期に食の好みが変わり、急に梅干しを食べたくなったときがありました。種を取った梅干しを刻んで納豆に混ぜたものや、梅干しのお菓子をよく食べました。一時的でしたが、梅干しを食べていると少しつわりが軽減されたような気がしました。
一日一個の梅干しでつわりを乗り切ろう
梅干しは唾液の分泌を促して消化を助けてくれる食材です。摂取量に注意すれば妊娠中でも梅干しを食べることができます。梅干し単体を食べても良いですが、料理の味付けとして使うことで食べやすくなることがあります。
また、妊婦が梅干しを選ぶときは塩分や酒精に注意しましょう。梅干しを毎日の食事に上手に取り入れて、健康的な妊娠生活を送ってくださいね。
※この記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。