妊娠11週|つわりの症状やお腹の大きさ、赤ちゃんの成長【エコー写真付き】

【医師監修】妊娠11週(11w)は赤ちゃんが動く様子が見られ、健診に行くのが楽しみなころ。健診では初期の血液検査も実施されます。つわりの症状が治まる人もいれば再発する人もいるので、家事や仕事は無理せず過ごしたいですね。11週の赤ちゃんの大きさや健診の内容、ママの体調、吐き気や眠気が強いときの過ごし方などを解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠11週の赤ちゃんの成長の様子
  2. 妊娠11週の妊婦の身体の変化と症状
  3. 妊娠11週の妊婦健診
  4. 妊娠11週の過ごし方と注意点
  5. 妊娠11週のママへ
  6. あわせて読みたい

妊娠11週の赤ちゃんの成長の様子

妊娠11週の赤ちゃんの基礎情報 CRL、体重、発達

妊娠11週は妊娠3ヶ月の最後の週です。妊娠11週の赤ちゃんは三頭身となり、胎芽の面影がなくなります。平均的な大きさは3~5cmほどで大人の小指ほどの大きさとなります。体重は20gほどに増えてきますよ。

この時期は赤ちゃんはまだ小さく、胎動を感じることはありませんが、超音波検査では手足を動かす様子が確認できることもあります。内臓はほとんど完成し、それぞれに機能し始めるため、排尿もできるようになります。

超音波検査では、妊娠8~11週ころにかけて胎児心拍も確認できます。この時期は臍帯(さいたい)の中に腸が飛び出す「生理的臍帯ヘルニア」が見られますが、12週ころにはお腹の中におさまりますよ。

CRL(頭殿長)
体重
発達
3~5cm8~20g・臓器が全て完成 ・排尿するように ・性別の分化が進む

赤ちゃんの性別がわかるのはもう少しあと

妊娠11週ころになると女の子は腟、男の子は睾丸が形成され、性別の分化も進みます。しかし性別の区別はまだわかりません。妊娠12週ころに外性器が形成され、妊娠16週にもなると身体の細部も完成し性別がはっきりしてきますよ。エコー写真は必ずしも鮮明ではないので出産までは確定ではありませんが、エコー写真の変化を楽しみに待ちましょう。

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妊娠11週の赤ちゃんのエコー画像

11週6日のエコー写真です。右上に頭があります。小さな手足がかわいらしいですね。

妊娠11週の妊婦の身体の変化と症状

妊娠11週の妊婦の身体の変化と子宮やお腹の大きさ

妊娠11週は子宮がりんごと同じくらいの大きさになります。握りこぶしを一回り大きくしたくらいとも表現されますよ。お腹のふくらみはほとんど目立ちません。「ふっくらとしてきたな」と感じる人もいるかもしれませんが、服の上からわかるほどお腹が出るのはもう少し先です。

乳房にも変化が出てきます。ホルモンの影響でおっぱいが大きくなったり、乳首の色が濃くなったりすることもあります。お腹の毛も濃くなりやすいですよ。

子宮の大きさ
お腹の大きさ
外見の変化
りんご~グレープフルーツ手で触れてふくらみを感じる人もいる・おっぱいが大きくなる ・乳首(乳輪)の色が濃くなる ・毛が濃くなる

妊娠11週にあらわれやすい症状 つわり、吐き気、便秘…

妊娠11週になると、つわりが落ち着いてくる人もいれば症状がピークとなる人もいます。また、数日落ち着いていたのにもかかわらず、再発することがあります。終わりが見えかけたのに、なかなか終わらないとじれったく感じるかもしれません。吐き気がひどくなるようなら、産院で相談してみましょう。

さらに妊娠中は、女性ホルモンや骨盤をゆるめるホルモンの分泌が増加するため、便秘、腰痛、恥骨痛などの症状があらわれます。子宮が大きくなり、下腹部が引っ張られるように感じることもあります。出血や腹痛が繰り返されるときは早めに受診しましょう。

症状
対策
つわり焦らず食べられるものを食べる
吐き気水分がとれないときは受診する
便秘水分を多めにとり朝食を食べる
腰痛・恥骨痛医師に相談し腰痛体操や骨盤ベルトを取り入れる
出血安静にして早めに産院に連絡する
【産婦人科医監修】あなただけじゃない!つらいつわりを乗り越えた体験談

妊娠11週の妊婦健診

出産予定日が確定する

出産予定日は最終月経開始日から280日に設定されるのが一般的な計算方法ですが、生理周期が平均に当てはまらなかったり、最終月経開始日が間違っていたりすると誤差が生じます。

そこで妊婦健診では、妊娠8〜10週までの胎児の大きさを超音波で計測し、正確な出産予定日を算出する方法がとられています。この時期の計測値で出産日を確定するのは、基準値との誤差がもっとも少ないときといわれているからです。最終月経開始日から計算した予定日と胎児の成長が合わなくても、妊娠11週までには出産予定日が確定しますよ。

流産の確立が下がり健診の回数が減る

厚生労働省が示す妊婦健診のスケジュールでは、妊娠初期から23週までは4週に1回ごとのスケジュールとなっています。しかし実際は、妊娠11週まで1~2週間に1度の頻度で行われることがほとんどです。

妊娠12週ころになると流産のリスクが減ってくることから、妊婦健診は4週に1度の間隔で実施する産院が増えてきます。次の健診までの間隔が長くなるため、心配なことがあれば早めに相談しておきましょう。

血液検査を受ける

妊娠11週までに妊娠初期の血液検査を受けていなければ、病院で血液検査を受けましょう。血液検査では、血液型、B型肝炎抗原(HB)、C型肝炎抗体、風疹抗体、梅毒(RPR・TPHA)、HIV抗体、ヒトT細胞白血病ウイルス-1型、トキソプラズマ抗体、血糖検査、貧血検査などを行います。

血液検査をすると、ママが持っている抗体の種類や感染症の有無を確認できます。ウイルスや細菌の母子感染を防ぐうえでもとても大切な検査です。母子感染の経路は胎内感染、産道感染、授乳感染といくつかありますが、適切に対処すれば赤ちゃんへの感染を防げることがほとんどです。赤ちゃんの将来を守るためにも、必ず受けるようにしてくださいね。

風疹抗体検査は、ママだけではなくパパも受けると安心です。特に30~50歳代の男性は過去に風疹の予防接種を受けていない世代なので、抗体が確認できないときは予防接種を受ける必要があります。ただし、妊娠中のママは予防接種を受けられないので注意してください。

子宮頸がん検診を受ける

子宮頸がん検診は、妊娠初期に受ける検査です。ほとんどの病院で初診時に検査することが多いようですが、妊娠11週までに受けていなければ検査するようにしましょう。

子宮頸がんの検査は、多くの自治体で助成対象となっている検査です。妊婦健診の助成と自治体が行う成人検診の助成は重複して受けられないので注意が必要です。

妊娠11週の過ごし方と注意点

眠気を感じるときは仮眠して

妊娠初期はプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されているため、だるさや眠気を感じやすくなります。判断力が低下することもあるかもしれません。身体がつらいときは無理をせず、できるだけ仮眠をとるようにしましょう。

横になって休むのが理想ですが、仕事などで横になれないときは椅子に座って15分ほど目をつぶるだけでも頭がすっきりしますよ。

眠気が強いときは車や自転車の運転を避け公共交通機関を利用する、買い物はネット通販を利用するなど、生活を見直してみるのもおすすめです。

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流産の確立は10〜15%。腹痛や出血があったら病院に相談

すべての妊娠において、医療機関で確認されている流産の確率は10~15%といわれています。このほとんどが妊娠12週までに起こるため注意が必要です。

流産には、出血があり赤ちゃんが身体の外に出てくる「進行流産」と、腹痛や出血などの自覚症状がなくお腹の中で赤ちゃんの心拍が停止する「稽留流産」があります。稽留流産は医療機関を受診するまでわかりませんが、繰り返す腹痛や出血、血の中にかたまりが見られるときは病院を受診しましょう。

ただし、腹痛や出血があっても、かならずしも流産に進行するとは限りません。妊娠初期の出血は珍しいことではなく、出血してもほとんどの妊娠が通常の経過をたどるので、心配しすぎないようにしてくださいね。

11週はダウン症の検査を受けられる時期

妊娠10~14週ころのエコー検査で胎児の後頭部に浮腫が見られた場合にダウン症を疑われることがあります。しかしエコー検査ではダウン症を確定診断することはできません。妊娠11週は絨毛検査や新出生前診断(NIPT)を行うことができる時期です。さらに15~18週ころになると、比較的手頃な母体血清マーカーテストや99%以上の確実性があるとされる羊水検査を受けることができます。

出生前診断は、ママとパパの希望によって行う検査です。検査費用や身体への負担なども含め検査の内容をよく理解し、慎重に検討してみましょう。気になるときには医師に相談してみてくださいね。

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赤ちゃんのために葉酸を摂取しよう

葉酸とはビタミンB群の一種で、赤ちゃんの脳や神経の発達に異常をきたす「神経管閉鎖障害」の発症を予防します。妊娠する1ヶ月前から妊娠3ヶ月ごろまでの摂取が推奨されている栄養素で、栄養補助食品を使えば加工食品などに添加されている「モノグルタミン酸型葉酸」を手軽に摂取できますよ。

メルミー
¥2,980〜(2022/12/15 時点)

メルミーの魅力は、産婦人科医と管理栄養士によるダブル監修を受けていることです。葉酸のほか鉄やカルシウムなど、妊娠中に特に重要な17種類の栄養素を配合し、内14種類の栄養素については厚生労働省の定める栄養機能食品の基準値をクリア。「無添加」なのも嬉しいポイントですね。

厚生労働省が定める管理基準を満たしたGMP認定工場で生産されているほか、放射能検査や残留農薬検査もクリアして品質にこだわって作られています。また、配合されているすべての成分について、原産国と最終加工国の両方が公開されています。

妊娠悪阻に注意しよう

つわりが治まるどころか、食事はおろか、飲み物さえ受け付けられないときは「妊娠悪阻」の可能性があります。嘔吐が続くと糖質が不足し、代謝異常を生じます。脱水、電解質異常、ビタミンB1欠乏などを発症することがあるので、我慢せずに病院で相談してください。

家事は無理せずほどほどで

妊娠初期はプロゲステロンが多く分泌されており、生理前のような不調がさまざまにあらわれます。やる気が減退し、身体が重く感じられるのもホルモンの影響によるものです。

妊娠12~15週ころになると、胎盤が完成に近づきホルモンの分泌が落ち着いてきます。それまでは「赤ちゃんを守る大切な期間」ととらえ、家事の手を抜きましょう。

性行為をするときは感染予防を

妊娠中の性行為は「お腹を刺激してしまうのではないか」と心配になりますね。しかし、性行為をすると必ず流産になるわけではないので、体調が良く、医師からの注意がなければ性行為自体は問題ありません。

ただし、腹痛や不快感、出血などがあるとき、お腹が張るときは性交を控えましょう。シャワーを浴びて清潔にし、感染症を防ぐためにコンドームを着用します。挿入は浅くゆっくりと、お腹に負担がかからない体位が良いでしょう。

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つわりが治まったら体重増加に注意

つわりが治まってきたら、急激に体重が増加しないように食事に気を配りたいですね。肥満は妊娠高血圧症候群を引き起こす原因となるため、BMIに沿った適正な体重管理が重要です。バランスの良い食事をとり、間食を工夫していきましょう。

ただし、体重増加を気にしすぎないことも大切です。妊娠11週はまだ胎盤が完成していないので、運動は安定期に入ってから医師の許可を得て行ってくださいね。

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妊娠11週のママへ

お腹のふくらみはまだ目立たないものの、心拍や胎児の動きが確認できると、妊娠を実感しますね。つわりが続いていても、あともう少しの辛抱と思えば勇気づけられることもあるのではないでしょうか。

とはいえ、早くからつわりが始まっている人は、1ヶ月以上続く吐き気に心身ともにすり減ってしまう時期でもあります。妊娠への不安や心配なことばかり考えていると、それがストレスになるという悪循環が生まれやすいので、体調が良ければ散歩をしたり趣味に集中したりと、気分転換を図ってくださいね。

※この記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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