産後の便秘の原因・解消法は?マッサージなど8個の方法で快便に!【助産師監修】

産後に起こりやすいトラブルのひとつに便秘があります。下痢や便秘を繰り返す人もいれば、吐き気をともなう便秘に悩む人もいます。どうしてこのような便秘が起こるのか、原因を探って改善策をみつけていきましょう。生活の中でできる対策、便意をうながすマッサージや体操もご紹介します。授乳中に飲める市販薬もあわせてみていきましょう。

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この記事の監修

助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 産後に便秘になる原因は主に6つ
  2. 産後の便秘の解消法8選
  3. 産後の便秘で薬を飲んでも大丈夫?赤ちゃんへの影響は?
  4. 産後のお通じ体験談!いつまで便秘だった?
  5. 産後の便秘は生活の見直しから始めよう
  6. あわせて読みたい

産後に便秘になる原因は主に6つ

便の回数や量が減る、残便感がある、排便の際に痛みなどの苦痛を感じることがあれば便秘といえます。週に3回以上の排便がなく、4回に1回は排便に困難がある場合は治療の必要があるかもしれません。重症化すると吐き気や嘔吐を伴うこともあるため、たかが便秘とあなどらず、便秘の原因を知り適切に対処していきましょう。

帝王切開や会陰切開の傷が気になっていきめない

赤ちゃんを出産してすぐは、帝王切開や会陰切開の縫合部位や全身の筋肉痛、骨盤の痛みなど身体のあちこちが痛みます。これまでにない痛みに、「私の身体は大丈夫かな」と心配になるのではないでしょうか。

特に帝王切開や会陰切開の縫合部位は、腹部に力を入れると傷が開いてしまいそうでいきむのに勇気がいります。普段通りにお腹や肛門に力を込めることができず便が直腸に停滞してしまいます。

帝王切開はどれくらい痛い?個人差や痛みのピークは?

痔が痛くていきめない

出産前から痔を発症していたり、出産の際に力いっぱいいきんで痔になったりすることはよくあります。痔があると排便の際に痛んだり、ティッシュで拭くときに痛んだりするため、その痛みを無自覚のうちに嫌い、排便自体をためらってしまうのです。すると残便感が残り、便秘になってしまうのです。

水分不足

母乳育児の場合、授乳をしていると水分が不足しがちです。これは、母乳の成分のほとんどが水でできており、母乳を作るためにはママの水分補給がいつもより多く必要なことが理由にあげられます。

また、授乳やおむつ替えなど赤ちゃんのお世話で自分の水分補給を忘れてしまう、トイレに行くひまがなく水分摂取を避けているといったことも一因です。人の身体は1日に2.5Lの水分を必要とします。普段の食事で摂取できるのは1.3Lほどです。残りの1.2Lは意識して飲むように心がけましょう。

ストレス

腸のぜん動運動が促されるのは、自律神経の副交感神経がはたらいているときです。しかし、強いストレスがあると交感神経が有意になり、腸のはたらきが乱れやすくなります。強い痛みが出たり、便秘と下痢を繰り返したりすることもあります。

トイレに行くひまがない

赤ちゃんのお世話は時間との勝負ですね。寝ているすきに「たまった家事をすませよう」と動いていると、便意を我慢してしまうこともあるのではないでしょうか。ところが、便意があるときに排便しないことを続けていると、便意を感じる機能が低下してしまいます。便が肛門近くの直腸まできているのに気づかず、便秘になってしまうのです。

運動不足

排便の際には、腸のぜん動運動だけではなく腹筋や骨盤底筋がはたらき、腸の運動を助け排便を促します。しかし、妊娠中から産後に続く運動不足や産後の骨盤底筋のゆるみなどで筋力が低下すると、便を送り出す力が弱くなります。腸内に便が停滞する時間が長くなり、便の水分が吸収されて硬くなって便秘へとつながります。

産後の便秘の解消法8選

こまめに水分補給

理想的な硬さの便は、およそ70~80%の水分が含まれています。便がかたいときは、こまめに水分を摂取するようにしましょう。朝起きてから寝るまでのあいだに、コップ1杯の水(180~200mL)を7~8回に分けて飲むのが目安です。朝起きて1杯、3回の食事にあわせて1杯、10時と15時のおやつの時間に1杯、夜寝る前に1杯と意識して飲むと良いでしょう。

水だけではなく、ジュースや炭酸飲料などで気分転換を図るのも良いですね。コーヒーやお茶に関してはどうでしょうか。カフェインの利尿作用が便の水分を減らしてしまうので避けたほうが良いという説と、コーヒーに含まれるカフェインが便秘の解消に役立つという報告の2つが混在しています。また、タンニンを含むお茶やココアは便秘を悪化させるといわれています。

便秘とカフェインの関係を直接調査した研究は少なく、明確な答えは出ていません。しかし、授乳中は母乳にカフェインが移行するため、赤ちゃんへの影響も少なからず指摘されています。カフェインを含む飲み物は1日2杯程度に抑えたほうが良いという説が一般的です(※1)。コーヒーやお茶はリラックス効果が期待できるため、食事のたびに楽しみたいときはノンカフェインを選ぶなど工夫してみましょう。

食物繊維をとる

便秘の解消には、バランスの良い食事を心がけることが大切です。特に、朝の食事は腸を目覚めさせるスイッチになるため、しっかりととるようにしましょう。食物繊維は便の調子を整え、排便をうながすはたらきがあります。積極的にとるようにしたいですね。

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性の食物繊維があります。それぞれのはたらきと、多く含む食品を下記の表で確認してみましょう。ただし、下痢と便秘を繰り返すようなストレス性の便秘では、食物繊維をとっても便秘は改善されず、痛みが増してしまうこともあるので注意が必要です。

食物繊維の種類
はたらき
多く含まれる食品
不溶性食物繊維便のかさを増やす■根菜類(ごぼう、かぼちゃなど) ■穀類(小麦、オートミールなど) ■きのこ類(しいたけ、干ししいたけなど) ■豆類(大豆製品、あずきなど)
水溶性食物繊維便を柔らかくする■果物類(アボガド、干しプルーンなど) ■野菜類(モロヘイヤ、切り干し大根など) ■穀類(そば、中華麺など) ■芋類(さつまいも、じゃがいもなど)

乳酸菌や発酵食品をとる

ヨーグルトなどの乳酸菌や、ぬか漬けなどの発酵食品は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善すると考えられています。ただし、これらの食品は大量に食べれば効果が出るというわけではありません。食べる際は適切な量を心がけてくださいね。

脂肪分を適切にとる

産後は、脂肪分を摂らないほうが良いのではないかと思って、まったく摂らないようにしているママもいるのではないでしょうか。

しかし、脂肪分はスムーズな排便をうながすのに必要な成分です。極端に減らさないように摂れると良いですね。

マッサージ・体操で腸を刺激

マッサージや体操は腸を刺激し便意をうながすといわれています。運動の時間を作るのは難しいかもしれませんが、赤ちゃんのお世話をしながらなど、少しの時間でできることを試してみてはいかがでしょうか。

「の」の字をかく両手の指をお腹につけ、腸の流れにそって時計回りに「の」の字を描きます。おへその右側からおへその上を通り、左側に回すイメージです。
背中のツボ押し骨盤と背骨の交わるところにある「大腸兪(だいちょうゆ)」と肋骨から指2本分下、背骨から指4本分外側にある「便秘点(べんぴてん)」を身体の中心に向かって押します。
腸をもむ腸がカーブしている場所を手でもみほぐします。親指は背中、ほかの4本の指はお腹側をつかむように腰に手を当て、そのまま左手を肋骨の下までずらします。ずらした場所で、指に力をこめて腸をマッサージします。
ひねり体操両膝を立てて仰向けに寝ます。上半身は上を向けたまま、立てた膝を左右に倒して腰をひねり腸を刺激します。片足ずつ左右交互にひねる方法もあります。
お腹のストレッチ椅子に座ったままできる体操です。両手を伸ばし、息を吸いながら上体を後ろにそらします。次に、息を吐きながら上体を前に倒します。5秒間ずつゆっくり行いましょう。
産後の骨盤体操は超重要!寝ながらできる&簡単なやり方をわかりやすく解説!

適度な運動

適度な運動で腹筋を鍛え、腸の運動を助けましょう。バランスボールに乗る、仰向けに寝て腰を浮かせるといった運動は、骨盤の歪みの解消にもつながります。20~30分ほどのウォーキングも良い運動になります。気候の良いときは、赤ちゃんと一緒にお散歩をしてみるのも良いですね。身体を動かすことで気持ちもリフレッシュできますよ。

1日に1回はゆっくりトイレに入る時間をつくる

排便は1日1回、習慣的に行われるのが理想です。便意がなくても朝食後の毎日同じ時間にトイレに行く時間を作り、生活のリズムを整えていきましょう。とはいえ、肛門に傷をつけないようにするためにも1回のトイレの時間は5分以内にとどめ、それ以上は無理をしないようにしてくださいね。

温める

腸は、冷やすよりも温めると働きが良くなります。温かい飲み物を飲むようにする、入浴するなども効果的ですので、試してみてくださいね。温めながらマッサージなどをしてみても良いですね。

産後の便秘で薬を飲んでも大丈夫?赤ちゃんへの影響は?

授乳中に飲んでもいい便秘薬がある

便秘薬は便を柔らかくするものと、腸に作用するものの2種類があります。授乳中でも赤ちゃんへの影響が少なく、常習性もないため安全性が高といわれているのは便を柔らかくする便秘薬です。主成分は「酸化マグネシウム」で、妊娠中も処方されています。

市販薬には「酸化マグネシウムE便秘薬」(健栄製薬)などがあります。用量や服用の注意、副作用の心配もあるため、服用する際は必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

便秘薬によっては赤ちゃんの便が柔らかくなることも

腸の粘膜を刺激する便秘薬は、即効性がある反面、長期間服用していると効果が弱まる可能性のある薬です。依存性があるため、服用には注意が必要です。授乳中でも赤ちゃんへの移行が少ないといわれているのは主成分が「ピコスルファートナトリウム水和物」の薬です。市販薬には「ピコラックス」(佐藤製薬)、「ビオフェルミン便秘薬」(大正製薬)などがあります。

同じ大腸刺激性の便秘薬でも、授乳中の使用が禁忌となっているものもあります。カサンスラノール、センナ、大黄、センノシドが成分として含まれる薬は長期間の服用で大腸の機能を低下させたり、赤ちゃんに移行して下痢を引き起こしたりする症例が報告されています。市販薬や漢方薬にも含まれている成分なので、不明な点があれば医師や薬剤師に相談したいですね。

浣腸してもらうのも手

赤ちゃんにも使えて、授乳しているママにも安心な便秘薬に「イチジク浣腸」があります。主成分はグリセリンで、便を柔らかくして排便をうながします。3~10分ほどで効果があらわれ、即効性がありますよ。ただし、長期間使っていると薬の作用に慣れてしまうため連用は避け、2~3回使用しても効果がないときは使用を中止してください。

産後のお通じ体験談!いつまで便秘だった?

会陰切開の痛みでいきめず…

もともとお通じは良いほうで、1日3~5回便通があるのはざらなのですが、産後すぐは会陰切開の痛みでいきむのが怖く、2日ほど便意を我慢してしまいました。すると便が硬くなり、よけいにいきむのが怖くなって、残便感が残る状況が1ヶ月ほど続きました。お産が夏場だったので、とにかく水分補給に努めていたところ、便秘傾向は徐々に解消しましたが、会陰切開の傷への恐怖はなかなか消えませんでした。

産後3ヶ月くらいお通じがスムーズでなかった

産後は特に便秘にはならなかったです。会陰切開はしませんでした。ただ、産後3ヶ月くらいまでは頻回の授乳とおむつ替えが大変すぎてゆっくりトイレに行けず、平常時よりはお通じがスムースでなかったです。

もともとの便秘体質が悪化

もともと便秘体質で、妊娠中も便秘薬が欠かせませんでした。産後も引き続き便秘が続いていましたが、会陰切開の傷のせいでよけいに出づらくなったように感じます。市販の便秘薬のお世話になりました。

酸化マグネシウムのお世話になりました

妊娠中にとても便秘になったので、出産後はマシになったような気がします。ただ、出産直後は会陰切開の痛みでいきむのが怖く、妊娠中に処方してもらった酸化マグネシウムの便秘薬を飲んでいました。

入院中、お腹が張ってつらかったです

出産直後の3日くらいは会陰切開の傷が怖かったのと緊張で、なかなか便を出すことができませんでした。お腹が張ってつらくなってきたので、看護師さんに相談してビフィズス菌の粉末を出してもらい、産後の便秘を回避しました。

産後の便秘は生活の見直しから始めよう

子どもがいなかったときと比べると、産後は生活が一変しますね。赤ちゃんのお世話に追われていると、生活リズムが乱れがちで、水分をとること、トイレに行くことなど自分のことはおろそかになってしまうことも多いのではないでしょうか。

しかし、便秘が続くと痔が悪化してしまったり、大腸のバリア機能を低下させたりという可能性もあります。食事、体操など生活習慣の中で手軽に始められる対策もあるので、できるところから改善に取り組んでいきましょう。便秘対策が自律神経の乱れや骨盤の歪みなど、産後のマイナートラブルの解消にもつながるかもしれませんよ。

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