妊娠初期の便秘・おなら解消法は?便秘薬やいきみは流産につながる?|産婦人科医監修
産婦人科医監修|妊娠初期は、便秘になりやすい時期です。妊娠初期の便秘には、ホルモンバランスの変化や精神的なストレスが関わっています。いきんで流産してしまうのが怖くて我慢してしまうと、余計に便秘が悪化してしまうことも考えられます。ここでは、妊娠初期の便秘の原因とさまざまな対処法、流産・早産への影響について解説します。
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目次
妊娠初期は便秘・おならに悩む時期?
妊娠初期は、妊娠が判明してママの身体にさまざまな自覚症状が現れるころです。妊娠週数では0週~15週(0ヶ月~4ヶ月)が妊娠初期に相当します。胎児の器官が形成されるとても大切な時期ですが、ホルモン分泌の変化などでママの身体や心は不安定になりがちです。
妊娠初期の症状に便秘があります。ホルモンバランスの影響で、もともと便秘体質ではなかったのに急に便が出なくなったり、出てもカチカチに硬かったりします。便秘と下痢を繰り返すパターンもあります。
妊娠時の便秘の特徴として、お腹の張りだけではなく、腹痛や頭痛、冷や汗などの症状を伴うこともあるでしょう。場合によっては、便が硬くて痔になってしまったり、腸内環境が悪化しておならが臭くなったりすることも珍しくないのです。
妊娠初期の便秘・おならの原因は?
妊娠初期に悩まされる便秘は、どういった理由が考えられるのでしょうか。原因がわかれば対策もとりやすくなりますね。
ホルモンバランス
妊娠するとプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が多くなります。プロゲステロンは妊娠を維持するために欠かせないホルモンですが、一方で便秘の原因になることもあるのです。
プロゲステロンには、体内の水分量を維持する働きがあります。プロゲステロンの値が増加すると、体内の水分をキープするため、食べ物の水分を吸収する大腸の働きを促します。その結果、腸内の便は水分がなくなり、硬くなってしまうケースが見られます。
また、プロゲステロンには消化器の筋肉を弛緩させる作用もあります。これは子宮の収縮を抑えるためなのですが、便を排出させる腸の動きが鈍くなり、便秘の原因となることも考えられるのです。
栄養バランス
栄養バランスの変化は便秘の大きな要因となります。妊娠初期では、つわりに悩まされる人が多くいます。つわりの具体的な症状はさまざまですが、同じものしか食べられない、その日によって食べられるものが違う、そもそもほとんど食べられないなど、バランス良く栄養を摂取することが困難なこともあります。
食物繊維が不足したり、油分が不足したりすると便が硬くなってしまいます。食べる量自体が減ると便のかさも減るので、便秘につながります。つわりと上手に付き合いながら、便秘改善を目指すことがポイントです。
運動不足
妊娠が判明すると、安静を優先するあまりに運動量が減りがちです。妊婦さんの身体の状態によっては、医師に運動を止められることもあります。吐き気や倦怠感、熱っぽさがあるため、動きたくないということもあるでしょう。
安静は大事なことですが、運動不足は便秘を引き起こす可能性も考えられます。運動をしないと血流が悪くなるため、腸の動きも弱まります。また、腹筋が衰えると便をスムーズに排出できません。便秘を防ぐためにも、血のめぐりを良くするストレッチや体操をすると良いでしょう。
水分不足
つわりがひどいと、水分すら摂れなくなることもあります。しかし、水分不足は便を硬くし、便秘を引き起こす可能性があります。
妊娠中は高温期が続いて代謝も良くなるため、普段以上に水分が必要となります。なるべく意識して水分を摂取しましょう。カフェインが含まれない麦茶や、身体を温める飲み物がおすすめです。
疲れやストレス
疲れやストレスは便秘の原因となるといわれています。妊娠初期は、ホルモンの影響や出産への不安などで精神的に不安定になることが多いものです。また、体調が不安定で、妊娠前と同じように生活していても、疲れがたまりやすくなっています。
疲れやストレスは自律神経のバランスを乱します。自律神経の乱れにより、大腸の動きが鈍くなったり逆に過度になってしまったりすることで、便秘となることも珍しくありません。
ストレスによる便秘の場合は、腸の動きが過度になる「痙攣(けいれん)性便秘」であることが多いようです。痙攣(けいれん)性便秘は、一般的な便秘薬を使うと悪化することもあるので、注意が必要です。
子宮による腸の圧迫
妊娠すると、子宮は少しずつ大きくなっていきます。着床のころには鶏の卵ぐらいの大きさだった子宮は、妊娠3ヶ月頃には握りこぶしぐらいになり、最終的には直径30cmを超えます。
子宮と腸は隣り合っているため、子宮が大きくなればなるほど腸は圧迫され、動きが鈍くなってしまいます。これも妊娠中の便秘の大きな要因となるようです。
妊娠初期の便秘薬の服用やいきみは大丈夫?
便秘薬は医師に相談
市販の便秘薬の中には、胎児に影響があるため妊娠中は飲んではいけないものもあります。自然の素材を使った漢方やサプリでも必ず大丈夫とはいい切れません。服薬の可否を自分で判断するのは難しいため、市販薬を飲む前に産婦人科の医師に相談しましょう。
妊婦の場合、最初は酸化マグネシウムなどの塩類下剤を処方されることが多いようです。酸化マグネシウムは体内に吸収されにくく、効き目が穏やかとされます。ひとりで判断せず、医師や病院の力を借りて便秘を治していきましょう。
いきむ・踏ん張るだけで流産にはならない
妊娠中、排便のために強くいきむとお腹の赤ちゃんへの影響が気になりますよね。一般的に、いきんだり踏ん張ったりするだけでは、流産にはつながらないといわれています。妊娠初期の流産は、受精卵の遺伝子異常が原因のことが多いようです。
いきむ際に出血が見られることもありますが、少量なら問題ないようです。切れ痔の場合は、病院に相談して処置してもらいましょう。出血に伴って激痛が走る、または周期的な痛みがあるときは、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)などの緊急事態の可能性もあるため、速やかに受診してください。
妊娠初期の便秘・おなら解消法は?
水分補給
ホルモン変化で減ってしまった便の水分量を補うためにも、水分補給は重要です。一般的に、妊娠中は普段以上の水分補給が必要といわれています。
水分が不足していると、身体が水分をためこもうとするため、逆にむくみにつながることが考えられます。また、体内の水分は消化液としても大量に消費されるので、水分を十分に摂ることは腸の疲労回復にもなります。
冷たい水分は腸の働きを抑えるため、白湯やお茶などの温かい飲み物がおすすめです。過剰な糖分も胃腸の働きを悪くするので、できるだけノンシュガーのものを選びましょう。
カフェインはなるべく避けたほうが良いですが、まったく摂取しないことでストレスがたまってしまうこともあります。適度な量であれば、カフェインレスの飲み物を楽しんでも問題はないといわれています。また、外に行くときに水筒を持ち歩くなど、自分にあった水分補給を考えてみましょう。
食生活の改善
食物繊維の多い食事を意識することが、便秘改善につながります。食物繊維は便の量を増やし、腸の有害なものを取り除く性質があります。ポイントは、2種類の食物繊維をバランス良く摂ることです。
食物繊維はお腹の中で水分をためこむ働きのある「不溶性食物繊維」と、ゴミをからめ取って腸内細菌の栄養にもなる「水溶性食物繊維」とに分かれています。不溶性食物繊維は玄米、いも類、根菜類、豆類などに多く含まれ、水溶性食物繊維は果物や海藻、キノコ、こんにゃくなどに多く含まれます。
これらの食材をできるだけ普段の食事に取り入れましょう。食物繊維以外にビタミンやミネラルなども豊富なので、妊婦の健康維持にもつながります。水分を同時に摂るために、温かいスープにするのもおすすめです。
乳酸菌の摂取
健康的な人の腸では、乳酸菌やビフィズス菌のような善玉菌が悪玉菌の増殖を抑えています。ストレスや食生活の変化で悪玉菌が増えて腸内環境が乱れると、下痢や便秘の原因となってしまいます。
善玉菌である乳酸菌を食事やサプリなどで積極的に取り入れることで、腸内環境を整えて便秘を改善できる可能性があります。乳酸菌はヨーグルトや味噌、しょうゆなどの発酵食品、乳酸菌飲料などから摂ることができますよ。
規則正しい生活
腸の動きは、規則正しい生活にも深く関連しています。朝早くに起きて夜は早めに寝ることで、自律神経が整います。規則正しい生活をするとストレスも減り、腸の正常な動きにつながるかもしれません。
質の良い睡眠をとると、腸の動きは活発になります。22時~2時は、腸に関係する副交感神経が最も活発になるときといわれているので、早めに就寝しましょう。
ストレスをためない
ストレスは、蓄積すると身体を冷やして腸の動きを鈍らせ、便秘を引き起こす原因になってしまいます。お腹の赤ちゃんにも悪影響なので、妊娠中はなるべくストレスをためないように意識することが大切です。
夫と話したり、おいしいものを食べたり、ショッピングを楽しんだりと、自分なりのストレス解消法を試してみましょう。不安や心配事はなるべく忘れ、楽しいことをたくさん考えてみると良いですね。
ストレッチや体操
妊娠中の激しい運動は禁物ですが、ストレッチなどの軽い運動は腸を動かし、便秘解消に効果があるといわれています。とくに便を押し出すために重要な「腹筋」を意識したストレッチが有効のようです。軽く腰を揺らしたり伸ばしたりすることで、血のめぐりも良くなります。身体を痛めないようにするため、動画を参考にしてみましょう。
20分程度のウォーキングもおすすめです。便秘の改善だけではなく、気持ちを落ち着かせる「ドーパミン」が分泌されるので、心もリフレッシュできます。
マッサージ・ツボ押し
マッサージやツボを指圧して排便を促す方法もあります。マッサージやツボ押しは入浴中やお風呂上りがおすすめです。ゆっくりと息を吐きながら押し、吸いながら指を離すと冷えの解消につながるでしょう。カイロでツボを温めるのも、便秘解消に効果的な場合があります。
「天枢(てんすう)」「合谷(ごうこく)」「大腸兪(だいちょうゆ)」などが、便秘解消に効果的といわれているツボです。
・天枢
おへそから指2本分外側に離れた両側部分です。お腹の力を抜いて刺激すると良いといわれています。
・合谷
人差し指と親指の骨が合流するところから、少し人差し指よりの部分です。刺激すると大腸の動きが整うといわれています。
・大腸兪
腰骨の高さで、背骨から指2本分外側の所にあるツボです。刺激すると腸の動きが良くなるとされています。
温めたり、軽く押したり、マッサージしたりしてツボを刺激します。妊娠中は力加減が難しいこともあるので、不安なときはプロにお願いしたり、医師に相談したりすると安心です。
ハーブティーを飲む
ハーブティーには食物繊維や、ビタミンCが豊富に含まれています。腸内環境が気になる方に向いているハーブティーもあり、温かい飲み物は血のめぐりを良くするだけではなく、リラックスにも良いでしょう。ただし、妊娠中に摂らないほうが良いとされるハーブもあるので、選ぶときは気をつけましょう。
【おすすめのハーブティー】
英国ハーバリストと妊産婦ケアの専門家が開発した、ノンカフェインの英国オーガニック認証のハーブを使用したマタニティブレンドです。ティーバッグタイプで持ち運びが便利なので、自宅でも職場でも楽しむことができますよ。日本国内の工場でブレンド・製造されている点も心強いですね。 ハイビスカス、ネトル、ローズヒップなどの8種類のこだわりの英国オーガニック認証のハーブを使用しています。そのまま飲んでもおいしいですが、豆乳を入れるとまろやかな味が楽しめますよ。
オリゴ糖を摂取する
オリゴ糖は便秘解消に効果的といわれています。オリゴ糖は、腸内環境を整えるための「善玉菌」の餌になります。また、オリゴ糖は水分を含んだまま腸まで届くため、便のかさ増しにもつながります。野菜や大豆に多く含まれますが、サプリで効率的に摂るのもおすすめです。
妊娠初期の便秘・おならの体験談
筆者も妊娠初期から出産後までひどい便秘に悩まされていました。医師に便秘薬を処方してもらい、最初のほうは効いていたのですが、次第に耐性が付いてしまったのか、効きが悪くなってしまいました。いつもお腹が張っていて、気分のすぐれないまま出産まで過ごしていました。
出産したら治るかと思っていたのですが、いきんだら縫合したところが切れてしまうのでないかという不安から、出産後もいきむことができなくなってしまいました。結果的に、産後もひどい便秘のまま数日を過ごしました。
今思えば、もう少し身体に気を使い、便秘解消を考えた食生活を送れば良かったと後悔しています。これから出産に臨む妊婦さんたちは、便秘知らずで健やかな体調で出産に臨めると良いですね。水分補給と食生活の見直しで、薬に頼らない快便生活を送りましょう。
対策を練って妊娠初期の便秘を乗り切ろう
妊娠初期は、ホルモンの影響で便秘が起こりやすい時期です。いきんでも流産にはつながりませんが、痛みや出血を伴うこともあるため、なるべく改善したいものですね。
適度な運動や、食事療法、ストレッチなどが便秘解消にはおすすめです。腸内環境を整えるオリゴ糖や乳酸菌を取り入れてみても良いですね。自分にあった便秘改善法を見つけながら、ストレスをためない妊娠生活を過ごしましょう。
妊娠中におすすめの葉酸サプリ
妊娠中の女性は葉酸を積極的に摂取しましょう。厚生労働省は妊娠の可能性のがある女性(妊娠1ヶ月前~妊娠3ヶ月)に対して、食事に加えてモノグルタミン酸型の葉酸を400μg摂取することを推奨しています。妊娠中(妊娠4ヶ月〜)の女性に対しては、480μgの食事性の葉酸を摂取することを推奨しています。
バランス良く栄養を摂取できる「プレミン」
プレミンは400μgの葉酸を摂取できるほか、鉄・ミネラル・ビタミンなどの不足しがちな成分をバランス良く摂取することができます。妊活中から妊娠15週まで、妊娠16週から出産まで、産後から授乳期までの3パターンに商品が分かれているので、妊活中〜授乳期間まで飲み続けられるのも魅力のひとつです。
安全性にこだわっている「プレミン」は、製造から袋詰めまで「NSF GMP認証」をクリアした工場で行い、全成分の原産国と最終加工国を開示。食物アレルギー検査も実施しているので、アレルギーが気になる人には嬉しいですね。
コストパフォーマンスが魅力の「mitete葉酸サプリ」
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