【生後3週間】赤ちゃんの体重・身体の特徴・ミルクや母乳の量は?寝ないのは普通?お世話の注意点は?

生後3週間の赤ちゃんのママやパパは、1ヶ月健診を目前に、赤ちゃんが順調に成長しているのか気になるところではないでしょうか。赤ちゃんが寝なかったり泣き止まなかったりすることで、ママは不安やストレスを感じることがあるかもしれません。ここでは、生後3週間の赤ちゃんの成長と注意点について紹介します。

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この記事の監修

千葉 智子
小児科医
千葉 智子

目次

  1. 生後3週間の赤ちゃんの体重・身体の特徴
  2. 生後3週間のミルク・母乳の量は?
  3. 生後3週間の赤ちゃんが寝ない!睡眠時間は?
  4. 赤ちゃんが泣き止まないのはコリックの可能性も!
  5. 生後3週間の赤ちゃんは外出できる?
  6. 生後3週間の咳・鼻水・鼻づまり!新生児も風邪をひくの?
  7. 生後3週間の赤ちゃんのお世話の注意点
  8. ママは無理をせず赤ちゃんの成長を見守ろう
  9. あわせて読みたい

生後3週間の赤ちゃんの体重・身体の特徴

生後3週間頃の体重の増え方の目安

生後4週間までの赤ちゃんを新生児と呼びます。新生児は、1日に25~30gを目安に体重の増加がみられるのが一般的です。赤ちゃんの体重は「生理的体重減少」によって出産直後に5~10%ほど減少しますが、多くの赤ちゃんは生後1週間ほどでもとの体重に戻ります。

1ヶ月健診で赤ちゃんの体重が出生時体重より800~1,000g以上増えていれば心配ないでしょう。新生児の体重の増加量は、出生体重や母乳やミルクの飲み具合によって個人差があるため、あくまでも目安と考えてくださいね。

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視力はまだ弱い

生後3週間の赤ちゃんの目は大人の目とほぼ同じ形をしていますが、視力は未発達です。新生児の視力は0.01~0.05くらいといわれています。生後2ヶ月頃には両目でものを見つめることができるようになり、生後3ヶ月頃には動くものを目で追うことができるようになります。

目の筋肉や視力が発達途中であるため、斜視気味に見えたり目が合わなかったりすることがあります。一般的に、半数以上の子どもは3歳で視力が1.0まで発達し、6歳頃にはほとんどの子どもが大人と同じ視力を持つといわれています。

乳児湿疹ができやすい

赤ちゃんは生後1ヶ月頃までは乾燥肌なのですが、生後3~4ヶ月まで一時的に脂性肌になります。生後3週間の新生児の肌はバリア機能が低くデリケートであるため、「新生児ニキビ」や「脂漏性湿疹」など乳児湿疹ができやすいでしょう。

新生児ニキビや脂漏性湿疹は主に顔や頭にできやすいものですが、乳児湿疹の種類によって症状は異なるでしょう。湿疹ができたときは赤ちゃんの肌を清潔に保つことが大切です。石鹸で1日1回はしっかり洗い、石鹸成分が残らないようにしっかり洗い流しましょう。なかなか症状が改善されないようであれば、医師に相談してくださいね。

指しゃぶりをする赤ちゃんもいる

赤ちゃんの指しゃぶりは、一般的に生後2~3ヶ月頃から始まることが多いようです。しかし、新生児から指しゃぶりを始める子や、ママのお腹の中にいる胎児のときから指しゃぶりをする子もいるでしょう。

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生後3週間のミルク・母乳の量は?

完全母乳の場合は欲しがるタイミングで欲しがるだけ

完全母乳で赤ちゃんを育てているママは、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがる分だけ母乳を飲ませてあげましょう。赤ちゃんは本能的に欲しい量と回数を求めてくるため、無理に制限する必要はありません。母乳は赤ちゃんが乳首を吸う刺激で出てくるので、赤ちゃんが口を離すまで飲ませてあげると良いですね。

一般的に生後1ヶ月頃までは、授乳間隔を3時間以上空けないほうが良いでしょう。母乳の分泌を促すプロラクチンというホルモンは、夜間の授乳で分泌量が増加するといわれています。授乳量が足りないと感じている場合、1日8回を目安に頻回授乳を続けることで、母乳の分泌量が増加していくでしょう。

授乳時間については、おっぱいを片方ずつ時間を決めてあげるのが良いという考えが一般的でした。しかし、最近では、母乳をあげているうちに成分が変わるため、片方のおっぱいが空になるまであげるほうが赤ちゃんの体重増加に良いと考えられています。

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母乳とミルクの混合の場合は先に母乳を与えてから

生後3週間の新生児の時期は、母乳が足りず、母乳とミルクの混合育児をしているママが少なくありません。混合育児の場合は赤ちゃんがお腹を空かせているときに母乳を飲ませ(30分以内)、足りていないようであればミルクを追加で飲ませてあげましょう。授乳前後に哺乳量を測ることで、追加するミルクの量を調整しやすくなります。

お腹を空かせた赤ちゃんがたくさん母乳を吸ってくれれば、乳首へ刺激を与えることができます。乳首への刺激は母乳の分泌を促すため、母乳育児を続けやすくなるでしょう。母乳を先にあげて計測することで、足りない量を把握することもできますね。

完ミの場合はメーカーの表示にしたがって

生後3週間の赤ちゃんに必要なミルクの量は、メーカーや商品によって目安の表示が異なります。一般的な目安は、1回のミルクの量が80~120mL、1日6~7回といわれています。ただし、赤ちゃんの体重によって必要な量は異なるでしょう。

母乳と違ってミルクは消化に時間がかかるため、授乳間隔を3時間は空けるようにするという話を聞いたことがある方もいるかもしれません。しかし、最近では、ミルクでも赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけあげる「自律哺乳」をすすめる専門家が多いようです。

完全ミルク育児では、赤ちゃんによって必要なミルクの量は異なります。不安がある場合には1ヶ月健診で相談をしてみると安心ですね。

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母乳やミルクを吐く場合は過飲症候群の可能性も!

過飲症候群では、母乳やミルクの飲みすぎにより、嘔吐(おうと)やお腹の張りなどの諸症状があらわれます。生後3週間の赤ちゃんの体重増加は、1日25~30gが目安です。1日50g以上の体重増加があり、母乳やミルクを飲むとむせることが多い場合は、過飲症候群の可能性があるでしょう。

授乳中は、赤ちゃんの様子を注意して見てあげると良いですね。赤ちゃんが泣いたりぐずったりすると、お腹が空いているのかと母乳やミルクを与えたくなりますが、過飲症候群の場合は逆効果です。赤ちゃんを余計に苦しめてしまうため、赤ちゃんの様子が心配なときは、いつでも医療機関に相談してくださいね。

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生後3週間の赤ちゃんが寝ない!睡眠時間は?

睡眠リズムが整わず昼夜逆転している赤ちゃんが多い

生後3週間の赤ちゃんは昼夜の区別がついていないため、睡眠リズムが整わず、昼夜が逆転していることは少なくありません。寝るタイミングがバラバラで、授乳のたびに寝てしまう赤ちゃんがほとんどです。

この時期は寝たり起きたりを繰り返していますが、生後3ヶ月頃には寝る時間がまとまり、起きている時間も増えますよ。生後3~6ヶ月頃には昼夜の区別ができ、夜にまとめて寝られる赤ちゃんが増えるでしょう。

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平均的な睡眠時間は1日16~18時間

生後3週間の平均的な睡眠時間は、1日16~18時間といわれています。新生児は2~3時間ごとに寝たり起きたりを繰り返すのが一般的です。

生活リズムが整っていないため、うちの子はあまり寝ない、うちの子は寝てばかりというように、睡眠時間には個人差があるでしょう。生後4ヶ月以降には睡眠リズムが整ってくるため、ママも赤ちゃんのペースに合わせて1日を過ごせると良いですね。

新生児も夜泣きをするの?

赤ちゃんが夜中泣いてばかりで、ママとパパは大変な思いをすることがあるでしょう。夜泣きは生後3ヶ月以降の赤ちゃんにみられるもので、原因はよくわかっていません。新生児が夜泣くのは、夜泣きとは区別して考えられているようです。

生後3週間の新生児の時期は、朝起きて夜寝るという生活リズムができていないため、昼夜関係なく泣いてしまいます。赤ちゃんの寝かしつけに苦労するパパやママは少なくないでしょう。ママは夜中の授乳を添い乳にするなど、身体を休めながら上手に赤ちゃんと向き合っていきたいですね。

赤ちゃんが泣き止まないのはコリックの可能性も!

コリック(乳児疝痛)とは

コリック(乳児疝痛)とは、生後3週間~3ヶ月頃の赤ちゃんが午後から夕方にかけて激しく泣くことをいいます。黄昏泣きや3ヶ月コリックとも呼ばれ、一般的に午後6時ごろに最も激しく泣くことが多いとされています。

1日3時間以上泣く日が週3日あり、この状態が3週間以上続くようであればコリックの可能性が高いでしょう。赤ちゃんの約5分の1はコリックを発症するといわれています。赤ちゃんが泣き止まないことにママやパパもストレスを感じるかもしれませんが、生後4ヶ月頃には落ち着くケースがほとんどのようです。

コリック(乳児疝痛)の具体的な原因は不明

残念ながらコリックの具体的な原因はわかっていません。有力な説として、神経系が未熟なために自分でコントロールすることができず、少しのことでも敏感に反応してしまうことが原因と考えられています。身体のさまざまな器官が敏感に反応し、落ち着かない状況になることで、赤ちゃんは泣き続けてしまうようです。

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生後3週間の赤ちゃんは外出できる?

だいたい生後1ヶ月前後で1ヶ月健診が行われます。一般的に赤ちゃんは1ヶ月健診までは外出を控え、自宅で過ごすことがほとんどでしょう。買い物や上の子の幼稚園・保育園のお迎えなど、どうしても外出が必要な場合は短時間で済ませ、赤ちゃんの負担にならないようにしてくださいね。

赤ちゃんとのおでかけには、ベビーカーや抱っこ紐が欠かせません。生後3週間の赤ちゃんは首がすわっていないため、新生児から使える抱っこ紐があると便利ですね。新生児から使えるエルゴやベビービョルンを愛用するママが多いようです。

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生後3週間の咳・鼻水・鼻づまり!新生児も風邪をひくの?

ママからもらった免疫があるため、生後3週間の赤ちゃんはウイルスや菌に対抗できると考えるママも少なくないようです。しかし、実際はすべてのウイルスや菌に対抗できる免疫を持っているわけではありません。

ウイルスや菌の種類によっては、赤ちゃんも風邪をひいたりインフルエンザに感染したりします。家族から感染する可能性は高いと考えられるでしょう。

赤ちゃんが風邪をひくと、大人と同じように咳や鼻水、鼻づまりの症状がみられます。目やにが多く出るのも赤ちゃんの風邪の症状のひとつです。新生児は平熱が36.5℃から37.5℃と高く、生後1ヶ月未満の赤ちゃんが発熱することはほぼありません。万一38℃以上の発熱がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

生後3週間の赤ちゃんのお世話の注意点

SIDS(乳幼児突然死症候群)に注意をしよう!

SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、1歳未満の赤ちゃんが何の前触れもなく突然亡くなってしまう病気のことです。日本では乳児の死亡原因の第2位であり、年間150人ほどの赤ちゃんがSIDSで亡くなっています。SIDSは赤ちゃんが寝ているときに発症することが多く、特に生後4~6ヶ月の乳児に起こりやすいといわれています。

今のところSIDSの原因はまだ解明されていませんが、SIDSを引き起こすかもしれない危険要素をなくすことで、発症リスクを軽減できると考えられます。具体的には、以下の点に気をつけましょう。

■うつ伏せで寝かせない
■赤ちゃんをひとりにしない
■赤ちゃんを温めすぎない
■赤ちゃんのそばでタバコを吸わない
■やわらかい敷布団は避ける
■できるだけ母乳で育てる

黄疸が続く場合には小児科に相談を

新生児黄疸とは、ビリルビンという色素が血中に過剰に増加することで濃度が高まり、皮膚や粘膜が黄色く見えることです。新生児のほとんどに黄疸がみられ、通常は7~10日ほどで薄れるでしょう。遅くても生後2週間ほどで黄疸は消えますが、母乳育児の場合は生後2週間をすぎても続くことがあります。

母乳の影響による黄疸を母乳性黄疸と呼びます。母乳には肝臓の酵素の働きを弱めるホルモンが含まれているため、母乳の影響で肝臓でのビリルビンの処理が遅れ、黄疸が続くことがあるでしょう。

一般的に、新生児黄疸も母乳性黄疸も自然に治ります。しかし、生後1ヶ月以降も黄疸が残るようであればほかの原因も考えられるため、医師に相談してください。

おしゃぶりを使ってもよい?

生後3週間の赤ちゃんにおしゃぶりを与えて良いのか悩むママもいるようです。赤ちゃんは、もともと口に触れたものを吸おうとする「吸啜(きゅうてつ)反射」という本能が備わっており、生後3ヶ月頃までは吸綴反射が活発です。

おしゃぶりには、赤ちゃんに安心感を与え、落ち着かせる効果があります。新生児用のおしゃぶりは販売されていますが、おしゃぶりに頼りすぎるのは良くないと指摘されています。これは、赤ちゃんがおしゃぶりに依存したり、歯並びに影響したりするかもしれないからです。

初めておしゃぶりを使うときは、赤ちゃんの様子や機嫌を考慮し、嫌がるようであれば無理に与えないでくださいね。

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産後うつは誰にでも可能性がある

待ちに待った赤ちゃんの誕生を喜ぶと同時に、育児への不安やストレスから心が不安定になるママもいるでしょう。産後は子育てが上手くいかず、イライラしたり不安を感じたりするものです。責任感や緊張感から睡眠障害や抑うつ感などの症状がみられる場合は、「産後うつ」が疑われます。

個人差はありますが、産後うつの兆候は産後2~3週間からあらわれることが多いでしょう。パートナーや家族の協力を得られなかったり、責任感が強く完璧な育児を求めたりする人が発症しやすいといわれています。

全体の60~80%のママは産後に軽度のうつ病を体験しているといわれています。2~3週間以上症状が改善されない場合は、産後うつの可能性が高いでしょう。数ヶ月で完治する人もいれば、1年以上治療を続けている人もいます。産後うつかもしれないと感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

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ママは無理をせず赤ちゃんの成長を見守ろう

生後3週間は、身体のさまざまな器官が発達途中で、あらゆる刺激に敏感に反応する時期です。赤ちゃんは寝て起きての繰り返しがほとんどですが、夕方ごろから頻繁に泣いたり寝つきが悪かったりと、ママを悩ませることがあるでしょう。一日中赤ちゃんと一緒に過ごすママには、ストレスによるうつ症状がみられるケースも少なくありません。

パートナーや家族の協力を得ながら、無理をせず赤ちゃんのお世話をしていきましょう。身近な人の協力がなかなか得られない場合も、産院や行政機関の窓口、民間団体の電話相談などを活用しながら、ひとりでストレスをためこみすぎないようにしたいですね。

ママはひとりで頑張りすぎず、赤ちゃんのペースに合わせてゆっくり成長を見守りましょう。よく寝る子やよく泣く子など、いろいろな赤ちゃんがいますが、赤ちゃんの個性として受け止められると良いですね。

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