大人の心にも響く!保育士が選ぶ1・2歳向けおすすめ絵本5選!読み進めるポイントも紹介! by河西景翔#23
保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第23弾。絵本は子どものモノと思われる方も多いですが、実は大人も心に響いたり考えさせられたりする内容のものがたくさんあります。ここでは、保育士が選ぶ30年以上出版されているおすすめの絵本を紹介します。読み進めるときの先生のポイントもぜひ参考にしてくださいね。
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目次
皆さんこんにちは。子育てアドバイザーの河西景翔です。
今回は、1・2歳向けを中心とした絵本を紹介したいと思います。私が大切にしていたのは、ただ読むだけでなく、子どもたちに絵本を通してどのようなメッセージを送っていきたいか…ということ。今回は読むときのポイントも同時に紹介するので、ぜひ参考にして読み聞かせをしてみてくださいね。
せなけいこ「きれいなはこ」
発売日: 1972年12月1日
著者/編集: せなけいこ
レーベル: あーんあんの絵本
出版社: 福音館書店
ねこといぬが「きれいなはこ」を取り合って、犬は噛みつき、猫はひっかいて箱を自分のモノにしようとします。するとそこにオバケがやってきて…というストーリーです。
乳児は衝動的に手が出てしまったり、噛み付いたりしてしまう子が多くいます。自分が使いたいおもちゃがあって、他の子と取り合いになってしまいそうになったときに、どのような言葉がけが適しているのか、どのような対応をすることが大切なのかを絵本を通して学ぶことができます。
オバケになって飛んでいくシーンは、1歳児クラスになると、釣り上がった目や足のない「オバケ」という存在に怖がって目をつぶってしまう子も多くいます。
「噛み付く・ひっかく・傷つける=オバケになってしまう」とならないように、そのような状況になったときに、子どもたちにどうしたら良いのか?を考えさせることを大切にしてください。そして、子どもたちの意見を受け止めながら正しい方法を教えていくようにしてくださいね。
香山美子「どうぞのいす」
発売日: 1981年11月
著者/編集: 香山美子、柿本幸造
出版社: ひさかたチャイルド
うさぎが誰でも座れる椅子を山の中腹に設置するところから物語は始まります。疲れたロバが、椅子に荷物を下ろして一休みしているあいだに、さまざまな動物がやってきて…。
誰かを思いやるという気持ちを育む絵本です。2歳後半になると、この絵本を通して子どもたちと一緒にセリフのやり取りを楽しんだりしました。
この絵本を通して、「どうぞ」「ありがとう」の言葉の意味を知った子どもも多くいた気がします。
私たちが何かを譲るとき「どうぞ」という言葉をかけますよね。「どうぞ」ともらうだけでは後の人に申し訳ないという意味も込めて、絵本の中では「おきのどく」という言葉で表現されています。子どもたちは2歳後半になると、幼児クラスに向けて言葉を理解する力も養われます。たくさんの言葉を吸収する時期に、こうした言葉の本当の意味を絵本を通して伝えていけると良いですね。
しみずみちを「はじめてのおるすばん」
発売日: 1972年4月25日
著者/編集: しみずみちを、山本まつ子
レーベル: 母と子の絵本
出版社: 岩崎書店
登場人物は、3歳になったばかりの女の子です。お母さんにひとりでお留守番をお願いされて、ぬいぐるみのくまとはじめてのお留守番をがんばりますが…。
2歳児クラス後半でこの絵本を読みますが、この絵本の主人公と同い年です。おはなしの後半になるとほとんどの子どもが絵本の世界に入り込み、主人公になりきって聞き入っている様子が見られます。
最後は無事にお母さんが帰ってきて、子どもたちもほっと安心します。「良かったぁ…」という表情を垣間見ることもできますよ。
この絵本は、他の絵本に比べて文字も多くページ数もあります。絵本の中で「時計の音」「ドアを叩く音」などの擬音が出てくるのですが、物語に入り込めるように読み手が少し工夫をして読みすすめていくと、子どもたちがより物語に集中して楽しむことができます。
五味太郎「きんぎょがにげた」
発売日: 1982年8月31日
著者/編集: 五味太郎
関連作品: 五味太郎 ビデオ・ライブラリー
レーベル: 幼児絵本
出版社: 福音館書店
きんぎょが水槽から逃げて、いろいろなところに隠れます。それをどこに隠れたのか子どもたちに問いかけると、「ここ!」「あそこ!」と指をさして教えてくれます。五味さんのカラフルな色使いに、その絵を見ているだけでも子どもたちは目を輝かせます。ひとりでも大人数でも楽しめる絵本です。
1歳児クラスで読むときは、きんぎょのみを見つける展開で読みすすめましたが、2歳児クラスでは、きんぎょだけでなく絵本に出てくるいろいろなモノも一緒に聞いていくと、言葉とモノの理解力の発達段階がどのくらいなのかがわかります。絵本を通して子どもの発育を伸ばせるようになると良いですよね。
わかやまけん「しろくまちゃんのほっとけーき」
発売日: 1972年10月
著者/編集: わかやまけん
レーベル: こぐまちゃんえほん
出版社: こぐま社
子どもは「丸」いものが大好きです。ホットケーキがテーマのこの絵本は、子どもが大好きな物がたくさん出てきます。
卵を割ってホットケーキができるまでの行程が描かれていますが、この絵本を読み終えると、粘土を出してきてホットケーキを作る子どもが多くいました。そこからホットケーキ屋ごっこが始まり、子ども同士の交流を深めるきっかけにもなっていたような気がします。
子どもは絵本を読んだ後に、「じぶんもつくってみたい!」という気持ちになっています。やる気になっているときが子どもの才能を伸ばすチャンスです!卵を割らせてみたり、ボールに入れて混ぜてもらったり…ホットケーキができるまでを絵本のように子どもと一緒に行ってみてください。1歳後半から「混ぜる」はできるので、年齢に合わせてぜひ作ってみてくださいね。
今回は、1・2歳向けの絵本をテーマにご紹介しました。ここで紹介した絵本は、すべて30年以上前から出版されているものです。長く愛される絵本には、理由があります。
ぜひ、絵本を「教科書」ととらえて子どもたちへの読み聞かせをしながら、大人も一緒に学ぶ時間にしていけると良いですね。
※この記事は2020年12月時点の情報をもとに作成しています。
河西景翔先生直伝!絵本の読み聞かせのコツ
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河西景翔先生のコラム
著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。
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