【保育士解説】乳幼児の誤嚥(ごえん)を防ぐには?保育園で起きたヒヤリ体験談 by河西景翔#21
保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第21弾。誤嚥(ごえん)とは、食べ物などをうまく飲み込めずに気管を詰まらせることをいいます。食べ物や小さなおもちゃなど、子どもの口に入るものは特に注意したいですね。ここでは、子どもの誤嚥の防ぎ方を紹介します。子どもと散歩に行く際の注意点も教えてくださいました。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
皆さんこんにちは。子育てアドバイザーの河西ケイトです。
今回は「誤嚥」「誤飲」についてです。
誤嚥(ごえん)の危険はあらゆるところに潜んでいる?
「誤嚥」「誤飲」はいつ起こるかわからない
とある幼稚園で、ぶどうが喉につまり子どもが亡くなるという悲しい事故がありました。「誤嚥」や「誤飲」の危険性は、子どもがずり這いなどで動き始めたときから潜んでいます。
それは、食べ物かもしれない。
または、おもちゃかもしれない。
外に落ちている自然物かもしれない。
食事だけではなく散歩中も気を付けて
保育園では、秋になるとどんぐり拾いや木の実を拾いに散歩へ行くことがあります。
大人にはかわいらしく見える《どんぐり》も、食べて良いもの悪いものの区別がつかない小さな子どもにとっては、キラキラとして口に入れたくなる魅力的な物です。実際に、散歩に行って木の実を口に入れてしまい誤飲事故になる…というケースは少なくありません。
散歩のルートは安全か、遊ぶ場所に危険な物はないか(タバコの吸殻やキャンディーの袋など)を常に確認しましょう。木の実で誤飲などがないようにしなくては…と子どものそばについて安全確認をし、散歩ひとつでもヒヤヒヤしたものです。
私が2歳児を担任していたときに、室内のおもちゃ《おままごと》の食べ物で遊んでいた子が口に入れて取れなくなる事故がありました。
室内のおもちゃは常に口の中に入らない大きさを選んでいたのですが、やわらかいプラスチックの食べ物のおもちゃの素材が太陽の光で非常に柔らかくなり、口の中へ。そして、口の中で凹みが戻り、呼吸ができなくなりチアノーゼになるという事故になったことがありました。幸いすぐに口から取り出せたので大事には至りませんでしたが…とても恐ろしい体験でした。
食事で誤嚥を防ぐために気を付けることは?
保育施設での誤嚥を防ぐ対応
保育園での食事面は、給食の先生と一口の大きさを話し合い、《小指の先から第一関節くらいの大きさ》を食材の大きさの最大の限度と決めて誤嚥事故を防いでいました。
また、よくありがちなのは《よく噛まず、飲み込んでしまう》ということです。誤嚥や誤飲事故を起こさないようにするためにも、《よく噛むこと》が良いと3歳児くらいからは伝えていきました。
顎の発育にとっても噛まないのはよくないですからね。
家庭で誤嚥を防ぐためにできること
家庭でできる方法は、1歳児から煮干しやドライフルーツなどのかたい物をオヤツで出したりして噛むことで歯を鍛えたり、たくさん噛むと味が出てくることも伝えていきましょう。ここで子どもは「咀嚼(そしゃく)が大切」だということを体験を通してインプットします。
保育園や家庭で起こる誤嚥の原因のひとつに《ぶどう》があります。表面がツルツルしているものはミニトマトやうずらの卵と一緒で喉に入りやすいので、切り込みを入れたり半分に切って出したりするという注意が必要です。
食べ物の大きさは子どもの視点で考える
どうしても大人の目線で考えてしまいがちかもしれませんが、食べ物は、子どもにとってこの大きさは本当に大丈夫なのだろうか?と常に考えていくことが大切です。目安として、500円玉(大きさ)以下の食べ物は、誤嚥・誤飲しやすいですので、必ず大人がそばについて注意しながら食べさせるようにしてください。
もし喉につまらせてしまった場合はどうする?
誤嚥による呼吸困難が見られた場合の対処方法をしっかり覚えておくことが大切です。ネットにさまざまな方法が出ていますが、対処の仕方を間違えると、子どもの身体を反対に傷つけてしまうこともあります。救命の講習が市区町村や保育園などで行われているので、場合によっては親も受けておくと正しい知識を身につけることができますよ。
呼吸困難や窒息を見極めるポイントは下記の通りです。
■一般的な誤嚥のサイン
・喉に手を当てている
・手足をバタバタさせる
■子どもへの心肺蘇生や救命対応をしながら、同時に救急車を呼ぶサイン
・唇が紫色になる「チアノーゼ」が起こる
食べ物やおもちゃ、散歩…そこにも危険は多く潜んでいます。子どもの安全を守るためにも、ぜひ正しい知識を身に着けて、いざというときに対処できるように備えておきましょう。
1ヶ月に1度家の中にあるものを点検し、注意しなくてはならないものはないかをママだけでなくパパと一緒に行い、誤嚥・誤飲についての共通認識・理解ができるようにしていけると良いですね。
※この記事は2020年11月時点の情報をもとに作成しています。
誤嚥に関する動画も配信中
YouTubeのままのてチャンネルでは、専門家の先生による動画を配信しています。妊娠中、育児中の方に役立つ情報や、河西先生の動画も好評配信中ですよ。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いたします。
河西景翔先生による子育てのアドバイス動画はこちら!
子どもの叱り方
絵本の読み聞かせ
赤ちゃんのあやし方
最先端の幼児教育
赤ちゃんの寝かしつけ方法
赤ちゃんとの関わり方
赤ちゃんのげっぷのさせ方
おむつ交換のコツ
河西景翔先生のコラム
著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。
妊娠・育児に関するお役立ち情報発信中!
ままのての公式X(旧Twitter)、Instagram、LINEをフォロー・友達追加すると、最新の更新情報をご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。